埼玉の細胞加工施設に業務改善命令、患者死亡事例で衛生管理の不備が明らかに
2026年1月23日、厚生労働省は再生医療安全性確保法に違反したとして、埼玉県坂戸市にある細胞加工施設「コージンバイオ社 埼玉細胞加工センター」に対し、業務改善命令を発出しました。
背景:患者死亡を受けた立ち入り検査
この措置は、同施設で加工された細胞を使用した再生医療を受けた患者が死亡した事案を受けて実施された立ち入り検査の結果、複数の重大な法令違反が発覚したことによるものです。
2025年8月、都内のクリニックで脂肪由来幹細胞の点滴投与を受けた50代外国籍女性が、施術後に急変し死亡。この事態を受け、厚労省は当該クリニックと細胞加工施設の双方に治療および製造の緊急停止命令を出していました。
確認された主な法令違反
立ち入り検査により、以下のような深刻な管理体制の不備が明らかになりました:
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衛生管理体制の欠陥
細胞を直接扱う区域において、基準値を上回る菌の検出が繰り返し発生していたにもかかわらず、汚染発生時の標準手順に従った適切な対応が取られていませんでした。 -
原料の安全性確認の不履行
細胞培養に使用する原料について、使用前に実施すべき安全性確認検査が省略されているケースが確認されました。 -
内部監査の未実施
製造・品質管理体制が適切に機能しているかを確認する定期的な内部監査が、一度も実施されていなかったことが判明しました。
今後の対応
厚生労働省は今回の業務改善命令を通じて、同施設に対し管理体制の抜本的な見直しを求めています。再生医療分野における安全性の確保は患者の生命に直結する重要課題であり、今回の事案は医療現場における品質管理の重要性を改めて浮き彫りにしました。
