熱中症による搬送者が全国で1万人を超える 前週から大幅増加
2025年7月21日から27日までの1週間に、全国で熱中症による救急搬送が1万人を超えたことが総務省消防庁の発表で明らかになりました。前週から約2倍の増加となっており、厳しい暑さが体調に与える影響の大きさが浮き彫りになっています。
この期間に搬送された人数は1万804人で、前年同時期よりはやや少ないものの、依然として高い水準となっています。症状の重さに関しては、重症および中等症の入院が必要なケースが3884人、軽症とされるケースが6821人。残念ながら、16名の方が命を落とす結果となりました。
年齢層別に見ると、高齢者(65歳以上)が全体の過半数を占める6012人にのぼり、次いで18歳〜64歳が3759人、7歳〜17歳が969人、そして6歳以下の子どもが64人となっています。
地域別では、東京都が最も多く1099人、埼玉県が750人、北海道が690人と続いています。特に北海道では猛暑日が続き、北見市では最高気温39度を記録するなど、例年にない厳しさが影響して搬送者数が昨年の2倍以上となりました。
搬送された場所に関しては、自宅での発症が4083人と最も多く、全体の約38%を占めています。次いで道路上が2094人、不特定多数が行き交う屋外(駅・駐車場など)が1328人、さらに職場(工事現場や工場など)での発症が1244人でした。
なお、5月1日から7月27日までの全国累計は5万3126人となり、前年同時期(4万6276人)よりも約7000人多くなっています。
消防庁は今後も高温が続くと見られることから、次のような予防策を強く呼びかけています。
・水分と塩分のこまめな補給
・冷房の積極的な活用
・屋外作業時の休憩を徹底
・高齢者や一人暮らしの方への声かけ
体調管理には万全を期し、無理をせず暑さ対策を継続することが重要です。