よく噛めない子どもは肥満リスクが高まる傾向 大阪大学の小学生調査で明らかに

大阪大学大学院歯学研究科の池辺一典教授らの研究チームが行った調査により、「噛む力」が弱く、食べるのが早い子どもは肥満になりやすい傾向があることが明らかになりました。この調査は、大阪市内の小学4年生1403人を対象に実施されたもので、結果は国際的な医学専門誌に2024年3月に掲載されています。

これまで成人では、噛む力や食べ方と肥満との関連性が報告されていましたが、子どもに焦点を当てた大規模な研究はほとんどありませんでした。

研究では、噛む力を測定するために、専用の色付きガムを使って子どもたちに咀嚼してもらい、その混ざり具合や唾液の分泌量を分析。また、食事の際の習慣についてアンケートを行い、得られたデータと肥満度との相関を評価しました。

その結果、対象者のうち167人が肥満と判定され、以下のような傾向が確認されました:

・噛む力が弱い子どもは、そうでない子に比べて肥満のリスクが1.5倍
・早食いの子は1.73倍
・「口いっぱいに食べ物を入れる」習慣がある子は1.29倍

特に、噛む力が弱く早食いでもある子どもは、男女ともに肥満との強い関連がみられ、男児においてはリスクが3倍に上昇することが分かりました。

池辺教授は「子どもの肥満は、噛む力と食習慣の両方が関係している。今後は成長とともにどう変化するかも追っていきたい」と述べています。