2016年1月 9日

ちあきクリニック 松永 千秋院長 (自由が丘) インタビュー

性同一性障害の専門家  個人を認める理想の社会とは ちあきクリニック 松永千秋院長
日本でも数少ない、性同一性障害を専門とする「ちあきクリニック」の松永院長は、28年以上にわたって性のあり方を追求している。「心と体を一致させることだけが治療ではない」という松永先生の言葉には重みが感じられ、とても深い意味があった。

一括りではなく、さまざまな個性のあり方を認める考え方やこの分野における課題点、そしてあまり積極的に研究されないこの分野を追求し続けるその原動力など、かなり踏み込んだお話を伺った。今回の取材をとおして語られた内容は、読者だけでなく医療従事者も読むべき内容だ。

松永 千秋院長インタビュー大学4年生のとき教授に相談し、『精神医学』という道を考えました早稲田大学で物理学を学んだあと医学の道に転進したとのことですが、その経緯を教えてください
当時は、物理学に対して過大な期待を抱いていました。「物理学を追求すれば人間の精神領域も明らかになる」「物理学がわかればすべてがわかる」とさえ思っており、そういったところに物理学の魅力を感じていたのです。私はもともと人間の精神に興味があり、それを解き明かしたいという思いから物理学の道に進みました。

しかし、実際に物理学を勉強してみると、生命の神秘や精神の解明には遠く及ばないことを痛感せざるを得ませんでした。大学4年生のとき教授に相談したところ「"分子生物学"をやるか"医学部"で勉強するのはどうか」と勧められ、そこで初めて『精神医学』という道を考えました。

『心理学』は"人間の体"の治療まではできませんが、『精神医学』では、治療を通じて、精神現象にこれ以上ない直接的なかかわりが持てます。それに、当時「精神疾患を薬で治せる」という話を聞き「物質的な解明も進んでいるのではないか」とも思いました。それらを考えて医学部に進むことを決め、高校生の家庭教師をしながら自分も勉強して入学しました。

医学部ではどのように過ごされたのでしょうか?また、ほかに興味を持たれた科はなかったのでしょうか?
脳神経外科にも興味を持ちましたが、そこでは脳を物質や器官として扱うため、精神に直接切り込めないと思って、当初の希望どおり精神科に進みました。

大学卒業後はすぐに大学院に入り、生物学的な研究をしたのち、2年ほどアメリカのNIHで奨学金をもらいながら留学していました。留学中はジョンズ・ホプキンス医科大学の教授とも懇意にしていただき、NIHとジョンズ・ホプキンス医科大学とを行ったり来たりしていました(笑)。帰国後は大学に戻り、それから10年くらい勤務医をして、開業しました。

処置室前

性同一性障害を専門的に扱うクリニックとして開業するには勇気が必要だったのではないでしょうか?
かなり勇気が必要でしたもちろん、かなり勇気が必要でした。もともと性同一性障害を専門にしたいという気持ちはあったのですが、勤務医では組織の中ということもあり、不自由さを感じていました。以前勤めていた病院では、5年ほど性同一性障害の患者さんに接し、やっと週に1回の専門外来をさせてもらえたんです。しかし週に1回ですと、診る患者さんの数にも限りがありますし、ホルモン注射などの保険外治療は行うことができませんでした。

何より患者さんは"ドクター"ではなく"病院"に来ている感覚があります。個人のクリニックであれば、患者さんは"ドクター"に会いに来ますよね?今では、ご家族の方といらっしゃる患者さんも多く、家族ぐるみの付き合いができるようになったように感じます。私は患者さんとの距離を縮めたいと思っていましたし、勤務医時代にはなかった接し方ができることに魅力を感じ、勇気を出して開業に踏み切りました。今では思い描いていたものに近い診療ができていますから、開業してよかったと思っています。

全国から性同一性障害の患者さんがいらっしゃるとのことですが...
そうですね。性同一性障害の患者さんは、北は青森、南は九州から来る方もいらっしゃいます。でも、それ以外のうつ病などの患者さんは、基本的に地域の方が多いです。性同一性障害の患者さんだけを診療しているわけではありませんから、誰でも気軽に来院してほしいと思っています。

主要都市に性同一性障害を標榜するクリニックは少ないように感じますが、何か障壁があるのでしょうか?
性同一性障害を専門としている先生は少ないです。関東には何名かいらっしゃいますが、それ以外では札幌医科大学や大阪医科大学、関西医科大学、岡山大学や長崎大学などまばらにいる程度です。専門家が少ない原因は、やはり難しい分野なのだと思います。日本で治療が認められたのも十数年前と、日も浅いですから。

治療が認められる以前は、性転換手術で有罪判決を受けるなど、治療自体がいかがわしいものという認識でした。積極的に踏み込んでいくには相当の勉強が必要ですし、患者さん一人ひとりに向き合う時間も必要となりますので、なかなか思うように治療が広まらないといった状況ですね。

精神療法やカウンセリングが大事だと思っています性同一性障害ではどのような治療をするのでしょうか?
性同一性障害の治療は『「体」を「心」に一致させること』だと一般的に考えられているかもしれませんが、私としては、精神療法やカウンセリングが大事だと思っています。患者さんは「心」と「体」が一致しないことに違和感を覚えながら生活してきたわけです。ただ単純に体を心に一致させるというのではなく、その人の性のあり方が人格に統合され、今まで生きてきた歴史とこれからの"生き方"がスムーズにつながっていくようにすることが重要だと思います。

もちろん、患者さん自身で、自分の性のあり方が社会の中で生きる人格としてのあり方に統合させていくことができれば、医療の手助けは必要ありませんし、そういった方もたくさんいらっしゃいます。性転換手術だけでなく、男性でありながら「女装家」として生きる方法、職業の中で女性らしさや男性らしさ、あるいはそれ以外であっても良いのですが、自分らしい性のあり方を出していく方法もあります。さまざまな"生き方"がありますから、「心」と「体」が一致していないという単純な枠で捉え、「体を心に近づければいい」というスタンスだけで患者さんに接することは、危険だと思います。

患者さんも、「そういった考えに当てはまらない自分は何なのだろう」とか、その説明にしっくりきていないのに「そういうものなんだ、そう生きなければいけないんだ」と自分に言い聞かせ、医師が診断しやすいように事実とは異なる過去の生活歴を報告することもあります。でも、それはその患者さんが悪いのではなく、医療側の考え方が狭すぎたのです。

待合室治療を受けるまでの、ずっと思い悩んできた期間もその患者さん自身。それを否定することは、精神衛生上も好ましくありません。「過去の自分も受け入れながら、未来の新たな生き方を創る」と言ってもよいかもしれません。

それぞれの患者さんが、自分に合った『自己像』を創っていく手助けをすることが、治療がめざすべき目的であり、性転換手術やホルモン注射をすることが目的なのではありません。そこを間違えてしまうと、「体は望んだとおりになったのに、なんだかしっくりこない」ということもあります。もちろん、当院でもホルモン注射などを行っていますが、あくまで注射や手術は"手段"であり、本来の"目的"は『自分らしい性のあり方を統合した、新しい生き方を見つける』こと。これを忘れないでほしいです。

もう1つ重要なことは「人格発達」という考え方枠にとらわれない考え方が重要なのですね
もちろんです。もう1つ重要なことは「人格発達」という考え方。「心」と「体」の不一致という考え方だけでは、一断面しか捉えられていません。たとえば「幼児期は何もなかったのに、なぜ思春期になってスカートを嫌がるのか」といった考え方です。人の人格はいくつになっても発達を続けますよね。思春期には思春期の、青年期には青年期の人格の発達があるため、それを踏まえて支援する必要があります。

幼児期は親の教育などに合わせようと人格形成が進みますが、思春期を迎えて自己意識が確立され始める頃、あるいは中年期になってから強く違和感を覚えることもあります。たとえば「若い頃から違和感があるけれど、結婚や出産を経験したら変わるかもしれない」と考えていた患者さんが、中年期になっても違和感を抱え続けるような場合です。中には、子どもが成人して手を離れたことをきっかけに"自分らしい生き方"を模索し直し、治療に踏み切る方もいらっしゃいます。

このように、もはや障害という言葉などでは一括りにできない、一人ひとりの性のあり方の多様性と、人格発達という時間軸を入れた考え方が必要となります。しかしながら、こうした考え方がなかなか浸透しないのが現状。患者さんには、医師だけでなく、家族や友人の助けも必要ですから、そういった方を含めて、この考え方を広めていきたいと思っています。

患者さんには周囲の協力が必要とのことですが、具体的にはどうすればよいのでしょうか?
家族やパートナーのサポートは非常に大事です。患者さんが当院に訪れ、私と接することができる時間は、日々過ごしている時間に比べればほんのわずかな時間でしかありません。大部分の時間は家族やパートナーが接しているため、その方々の支援は必須です。

ですから、私は家族の方とも十分にお話をします。企業研修で講演をしたり、学校に通っている方のために、時には学校に出向いたりしての講演活動も行っています。ほかにも、学校で校長先生を主体としたサポートチームを作ってもらい、そのサポートもしています。それだけ難しい問題で、周囲の理解と協力が必要なのです。

GID(性同一性障害)学会の第18回大会(2016年3月19~20日)の大会長は私が務めましたその考えが少しでも広まればと思って、学会活動もしています。GID(性同一性障害)学会の第18回大会(2016年3月19~20日)の大会長は私が務めました。この学会の特徴としては、会員のほとんどの方が性同一性障害の悩みを抱えた当事者。そのためドクターだけでなく、法律関係者や教育関係の方などさまざまな方が参加されました。

もともとは当事者たちと支援する医師や法律家などが、GID研究会として組織したもの。それが時代と共に学会として認められ、今に至ります。そのため、ほかの医療系の学会とは性質もだいぶ異なると思います。大会では哲学的な講演もありますので、誰でも気軽に参加し、少しでも理解を深めていただけるとうれしいです。

先生のもとを訪れる性同一性障害の患者さんはどのような方が多いのでしょうか?
性同一性障害で最も多いのは、やはり10~20代の患者さんです。親御さんや学校の先生が気付いて来院するケースもあります。あまりにも若い患者さんへの性ホルモン治療はできませんが、第二次性徴を遅らせる治療は可能です。第二次性徴を止めることで違和感を軽減し、精神的成長を見守りながら、自分と向き合う時間を確保するという手段もあります。

性同一性障害以外の患者さんはどうでしょうか?
院内風景もちろん不安症やうつ病、統合失調症など、地域の患者さんもたくさんいらっしゃいます。そういった治療も20年以上行ってきました。留学しているときは精神薬理学を研究していたので、薬物療法に関しても専門分野です。

精神療法に関しては、浜松医科大学にいたときには、不安症や神経症に対するわが国独自の治療法である森田療法を中心に勉強をしていましたから、それを基盤とした治療や、精神力動的精神療法も得意としています。全国から患者さんが来院してくれることは非常に喜ばしいですが、地域の患者さんを支えるドクターとしても機能したいと思っています。

アメリカは性同一性障害などについて進んでいるというイメージがあります
アメリカでも、「人格発達という時間軸」を取り入れた考え方や、ジェンダー・アイデンティティを「人格の一側面としての性のあり方」と捉える考え方、それを踏まえて、一人ひとりの、その人らしい性のあり方を、人格発達の中で統合することを支援していくという治療論に関する研究や議論は、あまりなされていません。私は、以前アトランタで開催されたGIDの国際学会でこういった発表をしたのですが、かなり新鮮に受け取られていたようです。

患者さんと接するときに気をつけていることはありますか?
受付聞く姿勢を大切にしています。アクティブな受容と言うのでしょうか。すべての患者さんと長時間お話できるわけではありません。その中で、心を開いてくれるためにはどうすればよいのかなど、私の過去の経験からいろいろと工夫をしているつもりです。

もちろん、症状の安定している患者さんでも「いつもと何か違うな」と思えば、じっくりと時間をとってお話を聞きます。時にはほかの患者さんを待たせてしまうこともありますが、来院した患者さんに、私が「待たせてしまってごめんなさい」と言うよりも先に、「先生、今日は大変そうだね。無理しないでね。」と声をかけてもらうこともしばしばあります(笑)。そういった患者さんも、「自分に何かあったときは話を聞いてもらえる」と感じることで、より安心できるのではないかと思っています。

人がなかなか踏み込まない性同一性障害の診療を続ける、先生の"原動力"を教えてください
受付やはり、患者さんから感謝されることですね。以前、大学病院にいたときに、週に1日、精神科の専門病院へ派遣されて勤務した時期がありました。そこは統合失調症の患者さんなどが多く、長年入院されている方もたくさんいました。中には、10代から入院して、既に30代の方も。長年治療をしても社会復帰が叶わない患者さんを診ていることに、私はとてつもない無力感に苛まれていました。そんなとき、ある30代の女性の患者さんが私にこう言いました。

「私は統合失調症でとてもつらい毎日です。病気は治らないかもしれないけれど、あなたに出会えたことはとても幸せだと思っています。もし私が統合失調症にならなかったら、先生には出会えなかったんですから。」

それを聞いて、私は心を打たれました。『自分の存在が患者さんにとって少しでもプラスになっているんだ』と感じたんです。それからは、少しでも患者さんのプラスとなる医師になろうと思いながら診療しており、当時の言葉が今でも私の原動力です。

症状が改善して「楽になりました」と聞くのも、症状が改善しなかったとしても「先生と会えてよかった」と言われるのもうれしいです。過去の経験を糧に、今後もそう言われるドクターをめざして頑張っていきたいです。

院長プロフィール松永千秋院長<経歴>
1991年 浜松医科大学大学院修了
1993年 米国国立保健研究所(NIH)留学
2000年 浜松医科大学精神科講師(病棟医長、外来医長)
2003年 4月  日野病院副院長就任
2012年10月 ちあきクリニック開院

<資格・学会活動等>
医学博士
精神保健指定医
日本精神神経学会専門医
日本精神神経学会指導医
GID学会(性同一性障害学会)理事
日本精神神経学会 性同一障害に関する委員会委員
日本精神神経学会 DSM-5の病名翻訳に関する委員
GID学会第18回研究大会 大会長

ちあきクリニック アクセスマップ

住所 東京都目黒区自由が丘2-8-30
電話番号 03-5726-8715
アクセス 東急東横線 自由が丘駅より徒歩7分
診療科目 心療内科・精神科
診療時間 9:30~12:00/14:00~18:00(金曜は18:00~21:00)
休診日 木曜、日曜、祝祭日

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中目黒メンタルクリニック 新 英士院長 (中目黒) インタビュー

「患者さんの「こころ」を支えるドクター 患者さんに寄り添うための工夫とは」 中目黒メンタルクリニック 新英士院長
東急東横線と日比谷線が乗り入れる中目黒駅から徒歩1分。「中目黒メンタルクリニック」には、勤務医時代からの患者さんも来院すると言う。

「精神科というのは敷居が高いイメージですが、気軽に来られる場所でありたい」そんな院長のお気持ちから、開業場所も"テナントが複数入ったビルの2階以上"で探したようだ。そして「初診の患者さんはその日のうちに診る」というポリシーのもと、日々多くの患者さんを支えている。二児の父でもあり、人間味あふれる新(あたらし)院長にさまざまなお話を伺った。

新 英士院長インタビュー中学生時代に何気なく読んだ本などからだんだんと興味を持ったドクターになられたキッカケと、精神科に進まれた理由を教えてください
「両親が医者だった」とかではなく、中学生時代に何気なく読んだ本などからだんだんと興味を持った、というところでしょうか。医師になろうというよりも「精神科」自体に興味があったんです。

心理カウンセラーなどの道もありましたが、薬を使える分、やはり医師の方ができることも多いかなと。カウンセラーと精神科の医師を比較した結果、精神科の医師になりたいと思いました。

開業するに至った理由と、開業して感じた勤務医時代との違いを教えてください
大学病院に4~5年おり、精神病院に5~6年ぐらい勤務しました。開業の理由としては、1人の方が自由度も高く、自分の思った診療ができると考えたんです。

実際に開業してみると、患者さんの層がまったく異なることを実感しました。精神病院は基本的に入院病棟ですから、重症の患者さんが多かったです。もちろん、クリニックにも入院が必要な重症患者さんもいらっしゃいます。しかし精神病院と比較すれば、クリニックに重症の患者さんがいらっしゃることは少ないです。

精神科の治療はどういうものなのでしょうか?
基本的には薬物療法がメインです。「診療は患者さんの話を40~50分聞いて...」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそれをクリニックで行うのはとても難しいんです。もちろん初回は40~50分お話を伺いますが、2回目以降はケース・バイ・ケースになります。そういった、話を聞いたりトラウマなどの過去を整理したりするためには、専門のカウンセリングルームを紹介し、カウンセリングと並行して治療をしていきます。もちろん当院でじっくりお話を聞く場合もありますが、クリニックでは、カウンセラーができないこと(薬の処方など)にスポットを当てています。

院内

どのような患者さんが多いのでしょうか?また、1日にどれぐらい患者さんがいらっしゃいますか?
受付いわゆる「うつ状態」を主訴に来院される方が多いです。他には「パニック障害」「強迫性障害」「社会不安障害」「統合失調症」「注意欠陥障害」「不眠症」等、様々な方がいらっしゃいます。男女比は同じくらいで20~50代の方が多いです。
1日に診る患者さんは50~60人くらいでしょうか。

信頼関係を大事にするために、患者さんと接するときに気をつけていることはありますか?
患者さんの希望に沿った治療をするようにしていますできる限り患者さんの希望に沿った治療をするようにしています。たとえば、私が「こういった治療方針でいこう」と思って患者さんに提案しても、一方的な提案では受け入れられないことがあります。

我々は、治療を進める中で「復職のタイミング」や「薬の選択、やめるタイミング」なども、患者さんと話し合って決めていく必要があります。医者の判断だけで「いつまでに復職しましょう」とか「この薬を飲んでください」とかをすべて決められたら嫌ですよね。

このように、治療方針を無理矢理に押し付けてしまっては、患者さんとの信頼関係を構築できません。患者さんの希望と私の提案のどこで折り合いをつけるか。このさじ加減が難しいところですが、それを見極めて治療を進めるのも、私たち精神科医の役目だと思っています。

精神科では、患者さんと長期的なお付き合いになるのでしょうか?
患者さんによってバラバラですが、基本的には症状が安定してから9~12か月位は継続加療をお勧めしています。この期間は、安定していても再発する可能性が高いからです。頻繁に来院する必要はありませんが、定期的に来院していただいています。

開業前にはいくつかの病院で勤務しており、そのときの患者さんがいらっしゃることもありますから、付き合いで言えば20年以上の患者さんもいます。そういった患者さんのために、以前勤務していた、いくつかの病院の中間地点にあたる中目黒で開業したという理由もあるんです。

精神科は敷居が高いイメージがありますが、何か工夫されていることはありますか?
そうですよね。一般的に「精神科」というだけで敷居の高さや怖さを感じると思います。ですから、精神科だけれど『心療内科』と標榜した方が、敷居が低く感じるのではないかと思って心療内科を掲げています。「誰でも気軽に来られる医院にしたい」と常に思っています。

クリニックを開業する際も、2階以上の場所を探していました。メンタルクリニックの扉をくぐるにはどうしても勇気が必要ですし、周りの目が気になってしまうものです。さまざまなテナントが入っていて2階以上であれば、ビルに入ることがわかっても、どこのテナントに行くかまではわかりにくいですよね。患者さんにそれが伝わっているかはわかりませんが、そういったところにも配慮してテナントを選んだのは、工夫したことかもしれませんね。

待合室

先生のポリシーを教えてください
当院では、初診の方をその日のうちに診療するようにしています。心療内科は都心にいくつもありますが、どのクリニックも非常に混んでいるそうです。ある患者さんから伺った話では、電話で初診の予約を取ろうとしたところ「1ヶ月待ち」という答えが返ってくることもあるようです。

以前いらした患者さんは「30軒近くの心療内科に電話をして、やっと診てくれる先生が見つかったので来ました」とおっしゃいました。患者さんからすれば「具合が悪いのだから、その日のうちに診てほしい」と思いますよね。そういった声にも応えたいので、初診の患者さんは特に、その日のうちに診療するよう心がけています。

休日は家族と過ごすことが多いです休日のリフレッシュ方法や趣味などをお聞かせください
休日は家族と過ごすことが多いです。子どもがまだ8歳と6歳なので、遊びに連れて行ったり相手をしたりなどして過ごしています。仕事を忘れてリフレッシュできますが、わんぱくな時期ですから、逆に疲れてしまうこともしばしばあります(笑)。

心療内科にはどういったときにかかればよいのでしょうか?
「食事ができない」「眠れない」など、生活に支障をきたす症状であれば、一度心療内科へ行ってみるのもよいと思います。あと、周りの方から勧められたら、それは受診を検討するタイミングです。自分で思っている症状と周囲の方から見た症状は、意外と周囲の方の意見が正しい場合もあるのです。

大切なのは『早期発見・早期治療』です。何でもそうですが、早い段階の方が解決しやすいですよね。早めに来院して何もなければ、それだけでも安心できます。心療内科の敷居は意外と低いもの。相談程度でも構いませんから、気軽に来てください。

院長プロフィール新英士院長<経歴>
1990年 昭和大学医学部卒業

1990年 昭和大学病院勤務

1994年 井の頭病院勤務

1996年 大内病院勤務

2000年 医療法人社団桂香会
      中目黒メンタルクリニック開院

中目黒メンタルクリニック アクセスマップ

住所 東京都目黒区上目黒3-2-2 フジビル8F
電話番号 03-5768-2688
アクセス 東急東横線、東京メトロ日比谷線 中目黒駅より徒歩1分
診療科目 心療内科・神経科・精神科
診療時間 10:00~12:00/13:00~19:30(水曜は19時まで、土曜は15時まで)
※水曜日は平沼医師による診療
休診日 火曜午前、金曜午前、日曜、祝祭日

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山口歯科クリニック 山口 義徳院長 (恵比寿) インタビュー

「顕微鏡治療のスペシャリスト。最良の歯科治療を追求する姿勢に迫る」 山口歯科クリニック 山口 義徳院長
すべての治療に顕微鏡を用いており、1人の患者さんに1時間半以上の時間をかけてじっくり治療をするという山口先生。「自分の家族に施せるような治療をしたい」という信念からよい治療を追求し、自由診療の顕微鏡治療に行き着いたそうだ。

仙台や静岡など、遠方からも患者さんが集まるそうだが「本当はしっかりと顕微鏡治療ができるドクターが全国にいるような世の中にしたい」と山口先生は語る。市民へ向けた講演活動なども行っており、自院の発展よりも歯科治療全体の発展を目指す姿勢が強い『真っ直ぐ』な先生。歯科医師となった経緯から顕微鏡治療のメリットや今後の課題点など、ユーモア溢れる口調でお話しいただいた。

山口 義徳院長インタビュードクターになったキッカケドクターになったキッカケを教えてください
私の実家は歯科技工所でした。そういったこともあり、幼い頃から歯科を身近に感じていました。技工士だった父に「歯学部に進学する前に歯は全部治療しておけ。そうしないと治療の実習に使われるぞ」と言われ、治療したのを覚えています。

歯科医師になろうとしたもう1つのきっかけがあります。これ、漫画のようなホントの話ですが、私の乳歯が抜けそうになると、父が私の乳歯に糸を巻いて引っ張るんです。抜けずに血だらけになっていると、今度はペンチを持ってきてグリグリとされる。それでも抜けないと「う~ん、やっぱり歯医者に行って抜いてきて」なんて言うんです。そのときに「技工士ではなく、きちんと知識も技術もある"歯科医師"にならなきゃいけない!」って思いました。

でも本音は、高校時代まではレーサーになりたいという夢を持っていました。車が大好きで、浪人時代に大学受験を控えながらも車に乗っていて、気付いたら年間7万キロ走っていました。歯学部に合格してからは「仕事をしながら趣味で車に乗ろう」と決めて歯科の道に進みました。もし合格していなかったら、今頃レーサーになっていたかもしれません(笑)。

貴院の特徴は顕微鏡ですね?
特徴は顕微鏡当院ではすべての治療に顕微鏡を用いています。理由の1つは、肉眼やルーペでは光が届かず治療が難しい場所も治療ができること。次に、高倍率で患部を見ることができるため、歯の削りすぎや虫歯の取り残しなどを防ぐことができます。

また、治療映像をすべて録画しており、私が顕微鏡を通して見ている映像は、ヘッドマウントディスプレイで患者さんもタイムリーに見ることができます。治療終了後にその録画した映像を見ながら、今日はどのような治療をしたのか、お口の中がどのような状態なのかを説明できます。ただ、データ容量が膨大なので、ハードディスクが大量に必要となるのが最近の悩みのタネです(笑)。

歯科顕微鏡を使いこなすには訓練が必要なのではありませんか?
歯科顕微鏡を使いこなすには訓練が必要はい。顕微鏡治療は歯をミラーに映して行うことが多く、訓練が必要です。もちろん、私も初めから使いこなせたわけではありません。毎日のように顕微鏡に触れて訓練しましたが、それでも使いこなすまでに1年くらいはかかりました。顕微鏡治療には高度なテクニックが必要と言われますが「訓練すれば誰でも使えるようになるはず」だと思っています。

そもそも導入を決めたのも「自分の家族に施せるようなよい治療をしたい」という思いからでした。だからこそ、保険診療ではなく自由診療で治療していこうと決めたんです。保険診療が悪いとは思いませんが、自由診療ならもっとよい治療ができると考え今に至るという形です。


1人の患者さんに多くの時間を割いているとのことですが
1人あたり最低1時間半はとっていますそうですね。1人あたり最低1時間半はとっています。顕微鏡を使用した治療では、細部にまでこだわって治療を行います。たとえば、ピッタリと合致する被せ物を作るための歯型を採るにも一工夫します。

通常、歯肉が邪魔をしてしっかりとした歯型を採ることは難しいのですが、歯に紐を巻いて少ししてから紐を取り、わずかに開いた溝の歯型を採ることで、精密な歯型ができあがります。これを用いれば、ぴったりと合致する被せ物ができます。顕微鏡を使わずにこの処置を行っているドクターもいますが、実際には肉眼で見づらい部分も多々あるため、精度に不安が残ります。こうした細部にまでよい治療を施すためには、時間も必要ですし、顕微鏡が不可欠です。

顕微鏡治療は業界内でも有名ですが、導入しないドクターが多数です。何が原因だと思いますか?
顕微鏡治療は業界内でも有名だが、導入しない理由顕微鏡の導入にはそれなりの費用がかかりますし、技術の習得も必要です。先ほども述べたとおり、しっかりと顕微鏡治療を行おうとすると、1つの治療に非常に時間がかかります。

歯の根っこを保険診療で行うと、患者さんの金銭的負担は軽く済みますが、歯科医院にとって大きな収入とはなりません。つまり、保険診療を軸にすると、短時間で多くの患者さんを診なければ医院経営は成り立たず、顕微鏡治療はそれに逆行する形となります。逆に顕微鏡治療を軸にすると、自由診療に重点を置かざるを得ない形となってしまい、今度は患者さんが来なくなるというような問題が絡み合っています。

患者さんが顕微鏡治療の良さを理解すれば、それに見合った治療費に納得される方はたくさんいらっしゃいます。患者さんにその良さを伝え、顕微鏡治療をしている医院へ来院を促すと同時に、各クリニックへの顕微鏡導入と技術向上の指導などもしていきたいと思っています。私は患者さん向けに2か月に一度のペースで講演会を開催していますので、一度お聞きいただきたいですね。

患者さんは地域の方が多いのでしょうか?それとも遠方からの方が多いですか?
渋谷区からいらしている患者さんはほとんどいません当院に渋谷区からいらしている患者さんはほとんどいません。つい最近計算をしてみたら、渋谷区の人口20万人に対して、当院に来ているのは4人。つまり、約5万人に1人の割合でしか来院していないんです。

主に隣接区から来ている方が多いですが、中には仙台や静岡から来院される方もいらっしゃいます。これだけ遠方から来てくださることはうれしい限りですが、本来であれば各地域や都道府県に当院のような顕微鏡治療の医院があってほしいと思っています。

印象深い患者さんとのエピソードを聞かせてください
印象深い患者さんは何名かいらっしゃいます。ある方は治療後に「治療前は高額だなぁと思いましたけど、治療してみたら、正直こんな金額でいいんですか?」と言ってくださいました。「あ、じゃあもうちょっともらっていいですか(笑)?」って聞いたら「それはだめです(笑)」なんて方がいて、自分の治療に対して自信が持てました。

印象深い患者さんとのエピソードほかに、20代前半の患者さんが紹介で来院されました。その方のお口の中は決してよいとは言えない状態でした。初回の検査を終え、映像でお口の中を確認しながら説明し、概算書を作成しました。当然治療箇所が多いため、結構な金額に。当院は自由診療のため、保険診療に比べて値段は高額です。

その方は「私はサラリーマンで、正直この金額は払えません。でも、せっかく紹介で来たので、ここの歯だけ治療します。」と言って治療を受けました。後日「金額もかかりますし、今後の治療はどうされますか?」と聞いたところ「以前お見せいただいた金額で全部の治療を受けたいと思っています。でも一度には払えませんので、1年に1本など、長期間となるかもしれませんがお願いします。」と言ってくださり、今でも通院されています。

院長プロフィール山口 義徳院長<経歴>
1992年 日本大学松戸歯学部卒業
1997年 恵比寿に山口歯科クリニック開設
2010年 恵比寿で移転 保険外診療所としてOPEN

<所属学会・勉強会>
日本顕微鏡歯科学会 認定医
日本抗加齢医学会 認定医
日本口腔インプンラント学会 会員
日本歯内療法学会 会員
日本顎咬合学会 会員
顕微鏡歯科ネットワークジャパン コアメンバー

山口歯科クリニック 基本情報

住所 東京都渋谷区恵比寿南3-3-12 アージョⅠ 3F
電話番号 03-3792-2244
診療科目 根管治療・歯周病治療・インプラント・審美歯科・予防歯科・虫歯治療
診療時間 10:00~12:00/14:30~16:00
休診日 日曜、祝祭日、祝日がない週の木曜
アクセス JR恵比寿駅 西口より徒歩6分
東京メトロ 5番出口より徒歩3分

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