2016年1月 7日

笠茂歯科医院 笠茂 享久院長 (代々木) インタビュー

「全身の不調を改善する噛み合わせ治療、豊富な経験に裏打ちされた治療法とは」 笠茂歯科医院 笠茂 享久院長
大通りから少し住宅街へ入った場所に位置する笠茂歯科医院は、平成元年の開業以来、地域の患者さんを支えてきたホームドクターだ。院内には最新の設備を揃えており、地域の患者さんだけでなく、遠方からもたくさんの患者さんが来院するという。

「止められないと、いくらでも話してしまうんです(笑)」そんなお話好きな笠茂先生に、噛み合わせや「医療はサービス」と語る理由から人生訓まで幅広いお話を伺った。

笠茂 享久院長インタビュー専門は一般歯科先生の専門を教えてください
主には一般歯科ですが、私が主宰している講習会のテーマは"重力と咬合"なので専門は『噛み合わせ』となります。ただ、あくまで一般歯科ですから、虫歯などの保険治療の方もいらっしゃいます。

なかには「どこの歯科医院に行っても治らないから来た」という患者さんもいます。先日、噛み合わせの不調の相談の最中に失神してしまい、ユニットから落ちてしまった方もいました。お口の中はとても敏感で、合わない被せ物などを入れて噛み合わせが悪くなると、体に大きな影響を及ぼすことがあります。

もともとは歯科医師が行った治療なのに「なぜこうなったのか」というロジックを導き出せず、原因がわからず、さらに間違った方向に治療をしてしまう。その繰り返しでどんどん異常をきたしてしまうのです。私は今までの治療経験からさまざまなパターンを考え、難しい症例も治療してきました。それがわかるのか、最終的に当院を頼ってくる方も多くいらっしゃいます。

なぜ噛み合わせを専門にされたのでしょうか?
大学院で組織、発生学を学んでいくうちに「歯科治療のポイントは噛み合わせだろう」と思い始めました。大学院を卒業して勤務医となり、さまざまなセミナーに行きました。その中でも生理咬合というセミナーで「噛み合わせとはこういうことだったのか」と目からうろこが落ちました。

しかし、先生の言うとおりに治療してもまったくうまくできず紆余曲折している中で、ある整体の先生と出会いました。その先生は、全身咬合学会で唯一の歯科医師以外の常任理事。歯科や全身のことにとても詳しい方でした。その先生や多くの噛み合せの勉強をしている先生たちにさまざまなことを教えていただき、全身と咬合の関係を学びました。今行っているメインの治療は筋肉を触って噛み合わせを探りながらの治療なのですが、こういった治療はそういった先生たちとの関わりの中で学んできました。

院内写真院内風景

歯磨き指導に力を入れていると伺いました
診察室当院では、初診の際に必ず歯磨きチェックをします。まず、患者さんの口の中から取ったプラーク(歯垢)に存在する細菌を、顕微鏡を使って見せます。こうすることで、患者さんに歯磨きの大切さを理解していただければいいなと考えています。

歯磨きの大切さはそれだけではありません。実は、歯磨きをすることによって顔の形が変わるのです。人間の食事は基本的に柔らかいものが多く、あまり噛まなくても嚥下できます。そのため、使っていない顔の筋肉がだんだん硬直し、顔のバランスが悪くなってきます。それが、歯磨きでていねいに刺激するだけで筋肉の硬直が和らぎ、顔のバランスがよくなります。磨き方が正しければ効果が出てきますので、特別な歯ブラシを使う必要はありません。当院で使っているのは100円の歯ブラシですが、患者さんから「とても使いやすい」と好評で、何十本も買っていく方もいらっしゃいます(笑)。

どの患者さんも歯磨きで顔の印象が変わるのですか?
ほとんどの方が変わります。あまり変化がみられない方は、足に問題がある場合もあります。

歯磨きで顔の印象が変わります我々は重力の中に存在していますから、大地に接している部分が一番重要です。そのため、大地に接しているところに異常があれば、上部でバランスを取る必要があります。そうなると、頭の位置を変えて歯でストップさせ、バランスを取るしかありません。そのための食いしばりなどによって歯や顎に異常が出て「痛い」となります。

足の治療方法は、ずばりマッサージです。足の中指の根元を重点的に揉むことにより、全身のゆがみが取れて不快症状が消えます。継続して行うことが大切ですが、1回で瞬時に変えることもできます。瞬時に変えるときは私がマッサージしますが、皆さん、痛くて暴れます(笑)。

お口の中に治療歴がない方や保険の治療で噛み合わせが悪くなった方は、足の中指の根元をマッサージすることでよくなります。逆に、自費の治療で噛み合わせを変えられてしまった方の治療はマッサージでは難しく、治療に日数もかかってしまいます。だから私は天然の歯を極力いじらないようにしており、常に「何かほかに解決法はないのか」と考えています。

最後に先生を頼る患者さんが多くいらっしゃるそうですが、先生が治療において大切にしていることは何でしょうか?
患者さんの訴えを聞く「問診」を大切にしています医療は診断以外にありません。診断を出すために診査や問診がありますが、その中で一番重要なのは患者さんの訴えを聞く「問診」です。何が原因で悪くなってしまったのかということは、その方のお話の中から探っていくしかありません。

特に噛み合わせの問題となると、最初の診断を間違えてしまうことで治療が難しくなり、長引いてしまいます。「異常が起きたのはいつから?」などと聞くことがとても大事なのです。

このようにしっかりと問診を行った上での診断がされている患者さんとされていない患者さんとでは、治療効果に天と地の差があります。ですから私は、患者さんのお話をしっかり聞き、きちんと原因を追求し、説明することを大切にしています。

最新機器がたくさんありますね
いつの間にかほとんど揃いました平成元年に開業し、当初から必要な機器を買っていたら、いつの間にかほとんど揃いました。ここは線路が近くて揺れるため、マイクロスコープだけは置いていません。必要な患者さんには、ほかの医院を紹介しています。

もちろん、院内感染症対策も徹底しています。治療に使う水は、唯一インフルエンザに効くと言われている「次塩素酸水」。お口をゆすぐ水としても使用しています。滅菌器もヨーロッパの最新機器を使い、治療に使う器具類はすべて滅菌します。さらに、歯を削る際にばい菌が飛び散らないように、それを吸い取る機器も導入しています。当院は、院内設備や院内環境にとても気を使っていますから、これからも必要だと思う機器などがあれば増えていくと思います(笑)。

先生が考える歯科治療とは何でしょうか?
歯科治療は医療サービスだと思います歯科治療は医療サービスだと思います。患者さんの要求に対して、その要求を改善するための技術を提供し、患者さんが納得すれば利益を得られます。患者さんの要求は「自分の健康を何とかしてほしい」ということ。その原因を取り除いてあげれば、そのほかのことは必要ないと思います。

患者さんは字の如く『心』に『串』が刺さっている状態ですから、その串をピッと取ることが大事なのだと思います。

また「ホワイトニングや審美歯科は歯科治療ではない」と言っている人もいますが、その患者さんが気兼ねなく口を開け、歯を見せてたくさん笑えるようになれば、それも立派な治療だと思います。私はこれからもサービス業として、多くの方のお悩みを解決できる医師でありたいと思いますね。

読者にメッセージをお願いします
よい治療を受けるためには、医者選びが重要よい治療を受けるためには、医者選びが重要だと思います。いかによい先生に出会えるかが問題です。人の出会いがうまくいくかは、自分が真っ当に生きているかどうか。たとえば、歩きスマホはしない、人に迷惑をかけない、ということですね。

また私は「ラッキーと思ったときはアンラッキーと思え」と言っています。自分の心に恥じて行動すると、将来絶対に自分に返ってきます。人に迷惑をかけず、人に尽くす。医者との相性はありますが、よい先生に出会えるかは日頃の行いだと思います。ですからみなさん、よい縁を得られるように善行をしましょう(笑)!

院長プロフィール笠茂享久院長<経歴>
1956年 北海道生まれ

1981年 日本大学歯学部 卒業

1985年 日本大学歯学部大学院卒業 博士号取得

1989年 笠茂歯科医院 開院

1998年 生体構造調律研究所 開設

<著書>
歯医者さんが書いた「歯とカラダの本」 オークラ出版
「歯はいのち!」 文藝春秋
「歯はいのち!」の文庫版 文春文庫
「アポロニア21」月刊歯科雑誌で
 咬合力学をテーマに42回(3年6ヶ月)連載

笠茂歯科医院 基本情報

住所 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-5-3
電話番号 03-3355-3987
アクセス JR中央線 千駄ヶ谷駅・代々木駅より徒歩7分
地下鉄副都心線 北参道駅より徒歩5分
診療科目 虫歯治療・歯周病治療・予防歯科・審美歯科・顎関節症・噛み合わせ・入れ歯
診療時間 10:00~13:00/14:30~19:00
休診日 土曜、日曜、祝祭日

患者さんの声(口コミ・評判):4件評価:★★★★☆(5段階中4)/女性
口が開かず、大好きなハンバーガーを食べられなくなったのでお世話になりました。ブラッシング指導と口腔内のマッサージ、左足の中指根元両脇のマッサージのみの治療でしたが、治療後にはウソのように口が大きく開くようになりました。これからハンバーガーを食べるのが楽しみです。ありがとうございました。

評価:★★★★★(5段階中5)/女性
「足の中指もみ」などのマッサージを続けるうちに、体がみるみる健康になっていきました。長年の悪い癖だった猫背が治り、顔の左右のバランスも整い、ほうれい線も浅くなっていきました。足指をもむようになってから私の体は、現状維持どころか若返ってきています。こんなにすばらしい方法を教えてくれた笠茂先生には感謝の思いでいっぱいです。

評価:★★★★☆(5段階中4)/女性
足の中指もみでびっくりするほど小顔になりました!首や腰の痛みも改善し、慢性鼻炎まで良くなりました。


評価:★★★★☆(5段階中4)/女性
30年来の肩こりから開放されました。体のゆがみも取れ、足の中指もみの効果を実感しました。足のつけ根が硬くなっているときは、調子が悪い証拠というふうに体調を判断できるようになったこともよかったと思っています。

丸山矯正歯科 丸山 浩二院長 (恵比寿) インタビュー

「恵比寿で最も歴史のある矯正歯科となった理由を探る」 丸山矯正歯科 丸山 浩二院長
恵比寿駅から徒歩8分ほどの丸山矯正歯科。2015年で開業23年目を迎える。今では恵比寿で最も歴史のある矯正歯科だが、院内に入ればきれいで落ち着いた内装に、受付の方は笑顔で迎え入れてくれる親しみやすさを感じる医院。

「スタッフがいなければボクは何もできないですから」と言葉を噛み締めながら謙遜する丸山先生は、やさしい笑顔が印象的。そんな丸山先生に、恵比寿で最も歴史のある矯正歯科となった秘訣をお話ししていただいた。

丸山 浩二院長インタビュー患者さんにはわかる言葉でていねいに説明をしていますライバルも多い恵比寿という地で長年続けてこられた秘訣がある中で、患者さんに対して特に気を付けていることを教えてください
「こんなのは当たり前でしょ」という感覚はいけないということ。これは患者さんから学びました。

ある患者さんで、上の歯に装置をつけていて今度は下の歯にも装置をつけることになりました。そこで私が「今度は下の歯にもつけますね」と言ったところ、その方は「え?何をつけるんですか?」と言われたのです。そのときにハッとしました。

今までは「つけると言ったら"装置"に決まっているだろう」そう思っていましたが、患者さんにとってはわからないことだらけ。歯科医師の自分にとっては当たり前のことでも、患者さんにはそうではないことを実感しました。そのため、患者さんにはわかる言葉でていねいに説明をしています。

具体的にはどのような説明をするのですか?
矯正装置をつけると、かなりのストレスとなります矯正装置をつけると、お口の中の環境が大きく変化します。たとえば、試験直前に装置をつけるとかなりのストレスとなります。これも踏まえて、夏休み中に装置をつけ、新学期が始まった頃にはある程度慣れた状態で通学を開始できる。そのようなことまでしっかり説明した上で治療を進めていきます。

また、何か新しいことを始めるときは、患者さんに選んでもらわなければなりません。その選択肢を増やすために、十分な説明は欠かすことができません。常にそう考えていますが、まだまだ説明が足りなかったと反省することもあります。

医療では信頼関係が重要視されますが、丸山先生はどのような点に配慮していますか?
治療以外の話もするようにしていますそうですね。矯正治療は患者さんと長くお付き合いするため、通うのが億劫になってはいけないと思っています。そのために、治療以外の話もするようにしています。そのおかげなのか、信頼関係が構築できてくると「先生、僕、このあと合コンなんですよ」なんて患者さんもいらっしゃいます(笑)。

ほかに、子どもの歯型採り(印象)もすべて私自身が行います。特に子どもは「苦しい」「痛い」といった体験をすると「歯医者=行きたくない」と思ってしまいます。そのような経験をさせないためにも、細心の注意を払って私自身が責任を持って行いますし、治療以外の話も積極的にするようにします。スポーツや新幹線の話などにも精通しなければならず、情報収集は欠かせません(笑)。

「痛い」「苦しい」といった経験をさせないために必要な技術の勉強方法について教えてください
よく勉強会に参加しています。歯科医師として、どのような症例にも真摯に向き合い「この症例は治らなくても仕方ないと」いう考えはあってはならない。そのために、新しい技術を日々柔軟に取り入れることも必要だと思っています。

開業して20年以上となると、地域の患者さんが多いのでしょうか?
埼玉の熊谷や大宮、福島から来る患者さんもいます恵比寿から来る患者さんは比較的少ないです。場所柄かもしれませんが、電車で通院される方が多いですね。埼玉の熊谷や大宮、少し前は福島から来る患者さんもいらっしゃいました。

見方を変え、月に1回矯正治療を理由に東京観光ができると思えば、恵比寿という土地はよい付加価値なのかもしれません。それにしても、遠方から通っていただけることは非常にうれしいことです。

長年続く先生のもとでは、スタッフさんとの関係で何か気を付けていることはありますか?
私は、本当にスタッフに恵まれていると思っています。スタッフがいなければ、私は何もできないですから。週末の診療では、お昼ご飯をスタッフ全員にご馳走するなど、気を使っているつもりです。今後もこういった関係を続けていきたいと思っています。

記者まとめ:23年以上この地で治療を続けてきた秘訣23年以上この地で治療を続けてきた秘訣今回の取材をとおして、恵比寿という歯科医院が多い地で23年以上もの間、矯正歯科として治療を続けてきた秘訣は、丸山先生の人柄に加え、日々進歩のために勉強を怠らない真摯な姿勢だということを強く感じた。

「歯科医師として、どんな症例にも真摯に向き合い、この症例は治らなくても仕方ないという考えはあってはならない」その言葉に胸を打たれた。

「ほかに行ってもだめだったけれど、丸山先生のところで治ったよ。そう言われたいじゃないですか。」やさしい笑顔でそうおっしゃる先生。勉強会に積極的に参加され、日々進化する治療法も柔軟に取り入れる姿勢。これこそが歯科医師のあるべき姿だと強く感じた先生だった。

院長プロフィール丸山 浩二院長<経歴>
1960年 東京に生まれる

1985年 日本歯科大学卒業
      日本歯科大学矯正学教室助手となり、 矯正専門に臨床を学ぶ

1993年 日本歯科大学矯正学教室退職
      恵比寿に恵比寿丸山矯正歯科開設

<所属学会>
日本矯正歯科学会(適格)
東京矯正歯科学会
甲北信越矯正歯科学会
日本歯科医師会
東京都歯科医師会
渋谷区歯科医師会

丸山矯正歯科 基本情報

住所 東京都渋谷区恵比寿4-23-8 甲賀ビル201
電話番号 03-5448-1418
0120-441-418
アクセス JR山手線、JR埼京線:恵比寿駅 東口
東京メトロ日比谷線:恵比寿駅 1番出口
JR山手線:目黒駅 西口
東京メトロ南北線、都営地下鉄三田線、東急目黒線:目黒駅 中央口
診療科目 矯正歯科
診療時間 10:00~12:30/14:00~19:00
休診日 月曜、日曜、祝祭日

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医療法人社団崇敬会 辻デンタルクリニック 辻 敦之院長 (渋谷) インタビュー

「選択肢を増やすのも歯科医師の仕事 患者さんの「納得した治療」ができる秘訣とは」 辻デンタルクリニック 辻敦之院長
道玄坂を登り切った場所に位置する医院を構える『辻デンタルクリニック』。
「治療だけでなく、患者さんの選択肢を増やすことも歯科医師の大きな仕事です。」そう語る院長の辻先生は、患者さんを第一に考える優しい笑顔が印象的なドクターだ。

地域に密着し今年で開業8年目を迎えるという院内は清潔感に溢れ、笑顔のスタッフが出迎えてくれるので誰でも安心して通うことができる。

地域の患者さんを支えるクリニックとして、『どのようなスタンスで診療しているのか。』『ノンメタル治療とはどういったものなのか。』などたくさんのお話をお聞きした。

辻 敦之院長インタビュー歯科医師になったキッカケ歯科医師になったキッカケを教えてください。
もともと私の家系は、親戚も含め、医師・歯科医師・薬剤師など医療系の一家でした。特に後を継いでくれということはありませんでしたが、物心つく頃には「自分も医療系に進むんだろうな」と思っていました。

なぜこの地で開業しようと思ったのですか?
開業前は池袋の歯科医院に勤めていて、その頃から「開業するなら23区内に」と思っていました。さらに言えば、23区内でも特に有名な地で開業したかったんです。と言うのも、私は大阪出身ですので「大阪の知り合いにもわかる場所がよかった」という気持ちがあったからです。開業地を探しているときにこの場所が出てきて、渋谷ならよいだろうと思って開業を決めました。

開業されて何年目でしょうか。ここまで支持されてきた秘訣を教えてください。
開業してから今年で8年目開業してから今年で8年目です。秘訣と言っても、あまり自信がないので特にそういったものはない気がします(笑)。「明日には患者さんが来なくなるかもしれない」と思っているぐらいですから。

強いて言うなら『患者さんの話をよく聞く』ようにしています。それに、とことん説明します。必要があれば、説明を聞くためだけに来院することがあってもよいと考えています。たとえ「インプラントがいい!」という患者さんでも、保険診療の説明をしますし、インプラント以外の自費診療の説明もします。患者さんには、たくさんの選択肢の中から納得したものを選んでほしいんです。

そのため、セカンドオピニオンもするべきだと思います。当院の意見だけでなく、ほかの医院でも意見を聞いた上で、患者さんが納得できる場所で治療をしてほしいからです。その上で、当院に治療を任せてもらえるなら、そのときはもちろん全力で治療します、というスタンスで診療しています。

そうなると1人の患者さんにかなりの時間をかけることになりませんか?
説明は必要だと思っていますそういう場合もあります。その結果、ほかの患者さんを待たせてしまうこともありますが、それでも説明は必要だと思っています。「ほかの患者さんがいるので」と説明を切り上げてしまっては「待たないというメリット」はあっても「納得した治療のメリット」は得られないと思っています。

患者さんには納得した治療を受けてほしいので、患者さんの話をしっかり聞いたうえで、必要なことは時間を使ってでも説明するようにしています。

先生が行っているノンメタル治療とはどういったものなのでしょうか?
院内今までの保険診療では、基本的に金属を使用して治療します。ここで使用する金属は「合金」と呼ばれるもので、さまざまな物質が含まれています。10円玉などの硬貨を思い浮かべるとわかりやすいかと思いますが、金属は鋳造されたときからイオン化によってサビ始めます。

保険診療の被せ物などは土台にそういった金属を使用しているため、極端な話で言えば、10円玉をずっと舐め続けているようなものです。しかもいろいろなものを食べるため、お口の中は酸性になったりアルカリ性になったり、金属にとってはかなり過酷な環境と言わざるを得ません。長年そういった環境にさらされた金属はサビて溶け出し、健康に害を及ぼす場合があります。私自身、自分が治療するなら金属は入れたくないと思って、ノンメタル治療を行っています。

そういったことも患者さんに説明されるんですね。
保険診療を希望する患者さんにもメリット・デメリットを理解した上で選択してほしいはい。保険診療を希望する患者さんにもメリット・デメリットを理解した上で選択してほしいので、この説明はします。誤解のないように言うと、自費診療にもデメリットはありますし、保険診療が悪いというわけではありません。審美性や機能を追求するのであればもちろん自費診療ですが、コスト面がデメリットと言えます。一方で「噛めるようになる」という機能面の回復とコスト面で考えれば、保険診療が最高のものと言えるでしょう。

これは師匠からの受け売りなんですが「患者さんが保険診療にするか自費診療にするかをこちら(医師)が決めてはいけない」ということを胸に診療しています。これは、値段にフォーカスするから「あの患者さんは自費になりそうもない」と思ってしまうことであって、本来の自費診療は値段以外のメリットがあるからこそ成立しているのです。それを患者さんにしっかり提示した上で、患者さんに選択してもらうのが正しい形だと思います。

「どうしてもこの症例にはこの治療や素材がよい」という場合には多少自費の素材を勧める場合もありますが、説明した上で患者さんが保険を希望するときには、患者さんの意見を尊重し、可能な限り保険で治療をしています。

ノンメタル治療をやろうと思ったキッカケは?
もともとは勤務医時代の師匠の教えもともとは勤務医時代の師匠の教えです。ノンメタル治療を知って勉強するようになり、学会の発足から関わっていました。今では評議員という立場です。発起人でもなく、たまたま初期メンバーだったというだけですが(笑)。勤務医時代は師匠に言われるがまま勉強していましたが、学会などでほかの医師と関わったり研究を聞いたりしていくと「教えは間違っていないんだな」と改めて感じ、今でもノンメタル治療を掲げて診療しています。

先生の診療ポリシーを教えてください。
歯科医師に治療技術があるのは当たり前です。「神の手」しかできない治療はさておき、ほかの人でもできる治療、やった方が確実によくなることがわかっている治療、それは確実にできなければなりません。「やらない」と「できない」では大きな差があります。そういった避けられない治療のためには医院を1日閉めてでも研修をやるべきだと思っています。また、技術はもちろんですが、患者さんの話をしっかり聞き、選択肢を増やすための知識を患者さんにしっかりと伝えるのも歯科医師の大きな仕事だと思っています。

選択肢を増やすための知識を患者さんにしっかりと伝える

私の知り合いの先生でめちゃくちゃ患者さんが来ている先生を知っています。「自分とは何が違うのか」と考えてみると、その先生は患者さんの話を本当によく聞いているんです。もう私なんかは「全然短いね」と言われてしまうくらいです。私も、どんな人であれ、どんな状況であれ、きちんと話を聞いて説明することが大事だと思っています。

歯科医師としてのやりがいを感じるのはどんなときですか?
引越しをしても通院してくれる方がいます駆け出し時代にはできなかった治療ができるようになった頃、歯がボロボロで「最近の食事はプリンと豆腐とババロアの3種類のローテーションなんです」という、食事もまともにできなかった患者さんを治療したことがありました。数年経ってその患者さんがまた来院してくれたときはうれしかったですね。ほかにも、開業当初からの患者さんで、引越しをしても通院してくれる方がおり、そのときも歯科医師としての喜びを感じました。

しかも、歯科医師は治療をしてお金をもらう側なのに、患者さんから「ありがとう」と感謝されます。普通はお金をもらう側が「ありがとう」と感謝しますよね。人様に喜んでもらえるようなことをして生活できる。そんなところにも歯科医師としてのやりがいを感じます。

患者さんは地域の方が多いのでしょうか。それとも遠方からの方が多いですか?
アメリカに住んでいる日本人の方で、通院してくれている患者さんもいらっしゃいます。その患者さんもリップサービスで「先生に会いに帰ってきているんやで(笑)」なんて言ってくれます。リップサービスとわかっていてもうれしくなりますね。
基本的にはこの近隣の方がいらっしゃいます。渋谷よりも、特に神泉寄りは住宅街ですので、そちらから来る方が多いです。

先生の今後の展望をお教えください。
今後も地域医療に貢献していきたい私は地域医療が楽しいと感じますので、そこをずっと担っていきたいと思っています。そのためにも「患者さんの話をきちんと聞く」というスタンスは続けていきたいです。

誰しも「聞いているようで、聞いていない」となりがちです。私自身もそうですが、スタッフにも徹底し、今後も地域医療に貢献していきたいと考えています。

院長プロフィール辻敦之院長<経歴>
2004年3月 奥羽大学歯学部 卒業

2004年4月 奥羽大学歯学部 補綴学第二講座 入局

2005年4月 島本歯科診療室 勤務

2008年5月 辻デンタルクリニック 開院

<所属学会>
日本顎咬合学会 認定医
日本補綴歯科学会 会員
メタルフリー歯科臨床学会 認定医及び評議員

辻デンタルクリニック アクセスマップ

住所 東京都渋谷区円山町5-5 Navi渋谷V-1F
電話番号 03-6272-3946(サンキューシロイハ)
診療科目 一般歯科・歯周病科・口腔外科・インプラント科・審美歯科・予防歯科
診療時間 10:00~13:00/14:30~21:00(土曜は19時まで)
休診日 日曜日・祝日
アクセス 神泉駅より徒歩3分
東京メトロ 2番出口より徒歩5分

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代々木上原駅前矯正歯科 國母 英一院長 (代々木上原) インタビュー

「一人だからこそできる治療 地域のアットホームな医院に迫る」 代々木上原駅前矯正歯科 國母 英一院長
代々木上原駅前矯正歯科は、小田急小田原線と東京メトロ千代田線が乗り入れる、利便性豊かな代々木上原駅の目の前に位置している。ユニットは1台のみで、ほかの患者さんとバッティングすることのないよう配慮された医院だ。取材日にはクリスマスツリーが飾られていた。院長自ら季節に合わせて装飾を変えているそうで、アットホームな医院として親しまれている。

朝早くから診療をしており、出勤前に寄ることもできる。多くの患者さんが来院できるよう診療時間を長くしているという國母先生は、患者さんを第一に考えた姿勢が随所に伺える。そんな國母先生に、思い出深いエピソードや噛み合わせに関する興味深いお話を伺った。

國母 英一院長 インタビューきっかけは、大学の卒業テストの時期なぜ矯正歯科医になろうと思ったのですか?
きっかけは、大学の卒業テストの時期でした。卒業テストに向けて補綴や口腔外科など色々な科を経験し、課題を提出するんです。たまたま私が担当した患者さんは「すきっ歯」の患者さんで、テストの課題としてその補綴物を作ることとなりました。

すきっ歯でしたから、隙間を埋めて見た目もよくなるよう製作して補綴物を提出しました。その結果、驚くことに、担当の指導医にその埋めた部分をバッサリと切り落とされて「これでいいんだ」と言われたんです。

そのときに「じゃあ、もとの歯を動かせばいいんじゃないか」と考えました。それならば歯並びを治す勉強をしてみようかと思い、矯正を選びました。今は『矯正をすることによって、患者さんがよりよい人生を歩んでいってほしい』と思って治療にあたっています。

院内お一人で診療されているとのことですが、1日の患者さんは何人ぐらいですか?
そんなに多くの方を診ることはできませんね。過去には、朝から晩まで頑張って20人くらい診たこともありました。人数を多く診たのは、ワイヤーのチェックや取り外し装置のチェックなど、治療が軌道に乗っている患者さんが多いときです。逆に、新たに矯正装置を装着するなど時間がかかる方ですと、人数を多く診ることは難しいです。

当院の診療時間が長いのは、多くの患者さんにいらしてほしいから。朝は7時から診療しているため、出勤前に立ち寄る方も多いです。あとは、学校終わりの夕方の時間が多いですね。どうしても混み合う時間帯がありますが、ユニットは1台しかありません。患者さんを分散させるためにも、診療時間を長くしてニーズに合わせるよう頑張っています。

学校終わりの患者さんも多いとなると、近隣の方が多いのでしょうか?
近隣というよりも、駅が近いですから、自宅から離れても通ってくださる方が結構います。子どもの患者さんが多く、1人で電車を乗り継いで来る子もいます。自宅から距離があっても、塾へ行くのと同じ感覚で来院する子が多いのだと思います。

あとは、乗り換えのついでにいらっしゃる方もいます。代々木上原駅は乗り入れがあり、アクセスしやすいようで助かっています。駅の目の前ですから、多少の雨なら傘なしでも濡れずに来れますよ(笑)。

親子二代で通ってくださる患者さんがいます印象深い患者さんとのエピソードはありますか?
ここで開院して10年経ちますが、親子二代で通ってくださる患者さんがいます。神奈川の遠くから来る患者さんなのですが、そのお母さんは若年性の歯周病で、治療で苦労をされた方でした。そのため、子どもには同じ思いをさせたくないとお子さんを連れてきました。

話を聞いてみたら、以前そのお母さんに「子どもが生まれたら何歳から矯正すればいいですか?」と聞かれて、私が「3歳になったら連れてきて」と言ったから連れて来た、と言うんです。

正直、私は3歳と言ったのはあまり覚えていませんでした。それを覚えていて、本当に連れてきてくれたことに感動しました。それだけしっかりしたお母さんが患者さんでよかったと思います。

3歳というのはどういった理由があるのでしょうか?
不正咬合は、乳歯列が完成した段階である程度わかってきます。唇の強さや舌の癖、呼吸、唾液の飲み込み方などから歯並びが悪くなってきます。歯並びだけでなく、癖の問題があるかどうかも3歳くらいになるとある程度わかるようになります。

また、乳歯列の時期からしっかり通院することで、虫歯などのチェックや予防処置もしながら歯列を守っていくことができます。これも矯正の役目であると思っています。矯正とは、歯だけでなく、一口腔単位で考えるもの。『なってほしい形』に誘導していくのは簡単ですが、虫歯や歯周病など『なってほしくない』要素を取り除いていくことも重要だと思います。

成人矯正と小児矯正、どちらが難しいのでしょうか?
どちらが難しいということはありません。私の師匠は「早期に治療を始めれば顔はあなたの考えに適合してくれる、治療が遅れるとあなたの考えを体に合わせよ」とおっしゃっています。

受付子どもは成長を利用できるというメリットがありますが、大人の場合は成長が終わっているため、その顔に合った歯並びを作らなくてはなりません。成長があれば顔を治すことができますが、その段階でよい方向に誘導していくことと悪くならないようにするという両方が必要です。

矯正治療において機能不全の問題は非常に大きく、後戻りは避けては通れない道です。後戻りをしてしまう一番の問題は、呼吸と嚥下。ここが安定しなければ、せっかく矯正治療をしても後戻りしてしまいます。

そのため私は、一番大事な呼吸と嚥下も指導しています。嚥下の問題が特に大きいウェイトを占めている症例に関しては「今日は舌の訓練の日」と、舌の訓練だけで来てもらうこともあります。そうすることによって『この訓練は矯正治療においてとても大切』ということをわかっていただきたいんです。

機能不全とは具体的にどういったことですか?
機能不全の代表的なものは口呼吸です機能不全の代表的なものは口呼吸です。口で息をすると姿勢が変わります。たとえば鼻詰まりのとき、背筋を伸ばすと息苦しさを感じるため、猫背になることで呼吸を楽にします。そうするとオトガイ筋が引っ張られて顔は面長となり、顎は発育せずにどんどん下に向かって成長していき、出っ歯となってしまいます。さらに、姿勢が崩れることによって舌が歯と歯の隙間に入る癖ができて習癖となってしまいます。

姿勢・習癖・筋肉・嚥下、これはサイクルで、1つでも狂うとすべて狂ってしまいます。そのため、単純なアレルギー性鼻炎なども歯並びに影響を及ぼします。歯だけでなく、歯科医師としてそういったことも診ていくのが仕事だと思います。

開業された理由を教えてください
長いこと下北沢に住んでおり、下北沢近辺で開業したいな、と頭にありました。たまたま代々木上原の物件が空いたとの連絡があり、見た所がここでした。もともと「開業するときは、1つの予約枠に患者さんは1人だけ」という治療がしたかったので、ユニットを何台も置くつもりはありませんでした。

ここはそんなに広くはありませんが、ユニット1台で自分の理想とする治療ができるのではないかと思って決めました。

診察室医療機器

どういう歯科医院がよいのか、歯科医院を選ぶポイントを教えてください
やはり診断でしょうね。診断がしっかりしているかどうかだと思います。たとえば口腔内写真にしても、横を取っている人は多いですが正面を取っている人は少ないです。

私は、患者さん一人ひとりに対して治療目標を作っています。その方が治療後にどういう顔になるのかを計算し、そのためにどのくらい歯を動かすのかまで計算して出しています。ただ、数値のままだと患者さんがわかりにくいため、計算して出したものを最終的に絵にして表現しています。

さらに当院では、患者さんに今の治療がどういう状況かを書いたものを紙でお渡ししています。目で見てわかれば、患者さんの励みになるのではないかと思っているからです。正直なところ結構手間がかかりますが、その治療目標を見れば「少し治療が遅れているな」「このケースだとここが注意事項だ」ということがすぐにわかるため、これからもずっと続けていきたいですね。

院長プロフィール國母英一院長<経歴>
1988年 神奈川歯科大学卒業
1988年 東京歯科大学矯正科勤務
1993年 都内矯正歯科医院勤務
2006年 代々木上原駅前矯正歯科開院

<所属・資格>
渋谷区歯科医師会会員
医療管理委員
日本矯正学会会員
東京矯正学会会員
Biopogressive Study Club 学術担当理事
Gujino コース フィロソフィーコース インストラクター

代々木上原駅前矯正歯科 基本情報

住所 東京都渋谷区西原3-11-6 杉本ビル2F
アクセス 東京メトロ千代田線、小田急線 代々木上原駅 徒歩0分
電話番号 03-5452-1184
診療科目 目立たない装置(透明な装置、裏側矯正、舌側矯正、マウスピース矯正)
予防矯正・成人矯正・小児矯正・インプラント矯正
診療時間 7:00~20:00(日曜祝祭日は16時まで)
休診日 月曜日

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