アーク杉並デンタルクリニック 永平 裕一院長 (杉並区 | 下井草) インタビュー
初めて歯科治療を受ける患者さんには「これが当たり前」と思ってもらい、過去に痛い思いをされた患者さんには「全く違う」と思ってもらえればうれしいです。そう語るのは、ていねいな語り口調が印象的な永平裕一院長。
西武新宿線下井草駅から徒歩30秒のアーク杉並デンタルクリニックは、エステサロンのようなオシャレな内装、かつ最新の医療設備を取り揃えており、ハイレベルな治療を受けることができる。インプラント治療には必ずCTのデータに基づいたガイドシステムを使用し、何年後も問題なく機能する確実で安全な治療を行っている。
子どもでも問題なく受けられるという痛みの少ない麻酔にも定評があり、「歯医者に対するネガティブイメージをなくすべく、ひとつでも患者さんに嫌な思いをさせてしまったら、なんとしてでも改善する」という確固たる信念を持つ永平先生にさまざまななお話を伺った。
永平 裕一院長インタビュー得意としている治療を教えてください
歯科治療全般を行っていますが、その中でもインプラント治療を得意としています。勉強会は多いときで月2回以上行っています。インプラントの勉強を始めた当初は、勉強会に参加したり、信頼している先生のオペを見学させていただいたり、勉強漬けの毎日で、4ヶ月くらい休みがないときもありました。
ガイドを使用したインプラントをされていますが、ガイドの大切さとは何でしょうか?
骨の中には神経と血管があるため、ガイドは「命に関わる・関わらない」くらいに差が出ると思っています。
インプラント体が骨に結合するかどうかはガイドがあってもなくても変わりませんが、噛む力が加わったときに耐えられるインプラントにするためには、骨と結合するかだけでなく「ポジション」が大事です。
ガイドは、どこに歯が生えるのかを想定し、逆算してインプラントを打つ位置を設計します。どの位置にあればかみ合わせとしてしっかり機能するかなどから逆算していきます。
しかし、歯がない状態で骨だけを見てインプラントを打つ位置を決めていたら、いざ被せ物を入れるときに「角度が違う」という問題が起き、結果的に噛み合わせがずれてしまい、インプラントの寿命が短くなってしまいます。
正しいポジションに埋入し、何年後も問題なく機能するインプラントにするためには、ガイドが大切なのです。
ガイドを使用すると安全なオペができるのですね
ガイドを使用すれば誰でもできるというわけではありません。ガイドを使用することにより、患者さんの口腔内で作業できるスペースは狭くなりますので、限られたスペースの中でオペを行わなければなりません。ガイドはそれ自体に価値があるのではなく、使いこなせて初めて価値を生み出すことができます。
ガイドを使用しないインプラント治療は、口の中を見て打つポジションを決めますが、ガイドを使用する場合はオペの前に必ず徹底した設計を行います。
設計をしっかり行うことによって、より正確に短時間でオペができますので、患者さんに対する侵襲も少なく済みます。オペをした患者さんから「次の日は痛み止めも飲んでいない」「顔も一切腫れていない」と言われることがあります。それくらいピンポイントに行い、削る量や切開する度合いも最低限。すべてを短時間で行うことで、患者さんへの負担も最小限にできます。
ガイドのほかに必要なものはありますか?
やはりCTが必要だと思います。インプラント治療を行っていてCTがない歯科医院は、絶対にNGです。レントゲンはあくまで1枚の写真で、奥行きがわかりません。インプラント埋入の余裕があるかないかを判断するのは経験とカンに頼るしかなく、至難の業です。
経験とカンに頼らず、ぴったりの歯を入れる確率を上げるためには、CTとガイドが絶対に必要です。ただ、CTの画面上で計画を立ててOKとなっても、この絵を見て同じ絵を描けと言われて描けないのと同じで、画面上のことを口の中で100%再現できるわけではありません。
インプラント体から血管・神経までの距離は数ミリの単位。インプラント体の入り口や角度が1ミリでも違えば、奥では到達点が変わり、神経や血管を傷つけてしまいます。実際、このことが原因で過去には死亡事故も起きています。
インプラントはすごくよい治療ですが、命に関わる危険性もあります。私たちも安心して正確に行うためには、CTやガイドが必要です。あとは、オペは必ずオペ室で行うことですね。
オペ室も導入されているのですね
インプラント治療のときには必ずオペ室を使用します。オペ室は密閉空間で、空気中の微細なゴミなど不必要なものが入ってくることがありません。そのため感染リスクを抑えることができます。術中・術後の予後、また、腫れや痛みを少しでも減らすことを考える上で、どうしても密閉された清潔な空間であるオペ室が必要なのです。
安全面なども含めて配慮すると、オペ室は欠かすことのできないものなので導入を決めました。
歯科医院らしくない、キレイな院内ですね
「痛い」「怖い」「臭い」という嫌なイメージをなくして、心地よい空間で治療を受けていただくことをコンセプトとしています。そのため、薬品の嫌な臭いがしない工夫をしており、視覚からの恐怖心をなくすためにエステサロンのような外観と内装の医院にしました。当院の開業当時「自費診療でキレイな医院」はたくさんありましたが、「保険診療でキレイな医院」はほとんどありませんでした。
どのようなことからこのようなコンセプトに至ったのですか?
私は子どもの頃、よく歯医者に治療に通っていました。そのときは「痛い」「怖い」「臭い」という嫌なイメージしかなかったのですが、矯正のために通っていた歯科医院だけは嫌なイメージがなく、通院することに関してまったく抵抗がありませんでした。
よくよく考えてみると、矯正はあまり薬品を使わないので嫌な臭いがしないし、院内も明るくキレイ。昔の一般歯科の歯科医院はどこも薄暗く、治療をすると必ずと言っていいほど痛い。そこで「この嫌なイメージを取り除くことができたら、治療に対して前向きな気持ちになることができるのではないか」と考えたことがきっかけで現在のコンセプトが生まれました。
痛いのが当たり前で痛みを我慢して治療を続けていくのが正しいのか、それが嫌だと思ったら患者さんの立場にたって考えて変えていくのか。痛くない治療を行えば今よりもっと治療がしやすいわけですから、当院では痛みの少ない治療を徹底しています。
「麻酔が痛くない」と定評があると聞きました
当院では表面麻酔も特殊なものを使っています。ほかのところで30秒~1分で行う麻酔を、特殊な麻酔器を使って3~5分かけて行います。長いと思われるかもしれませんが、できる限り痛くない麻酔を打つためには必要不可欠なことです。時間がかかることは、正直に言うと、当院にとってはデメリットしかありません。
保険では麻酔の値段が決まっており、当院のやり方で料金が変わるわけではありません。ただ、麻酔が痛くなければすべての治療をほぼ痛みなくできるのです。ですからコスト度外視、時間度外視で行い、その分、ほかで時間を短縮できるようスキルを身につけるしかないと思っています。そうした姿勢や考えが患者さんに少しずつ伝わり、広まってくれればという気持ちです。
麻酔が痛くなければ安心して治療が受けられますね
5、6歳のお子さんで「毎回麻酔して」と言う子がいます。麻酔が痛くないから「麻酔をすれば治療も痛くなく済む」ということがその子の中では常識となっているんです。すごく怖がりの子ですが、痛みがないからまったく怖がらないんですよ。
はじめから怖がっている子でなければ、3~4歳のお子さんに麻酔をしても、絶対に痛いと思わせないようにできます。子どもが痛くないなら、もちろん大人も痛くありません。
「先生の麻酔、痛くありませんでした」「麻酔されているのかわからなかった」という言葉を聞くと「やっていてよかったな」って思いますし、その一言が支えですね(笑)。
痛みに対して真摯に向き合う姿勢が伝わってきます
「引越しするのですが、先生みたいに痛くない治療をしてくれる医院はありませんか?」と連絡をいただくこともあります。そのとき、今まで行っていたことは間違いなかったと思えます。
インプラントは勉強が大事ですが、痛くない治療は「気遣い」だと思っています。もちろんテクニックも必要ですが、「自分がされて嫌なことはしない」こと。私が全部できているとは言えませんが、ひとつでも患者さんに嫌な思いをさせてしまっているのであれば、それをなんとしてでも改善します。そうすれば、歯医者に行くのが怖くて歯がボロボロになってしまう方を少しでも食い止められるかなと思っています。
インプラント治療を筆頭に幅広い診療をされていますが、患者さんに治療を選択してもらう際、どういったところを重点的にお話しされますか?
保険診療もよいところはたくさんありますが、数十年前に国が決めたことがベースです。私たちが勉強すればするほど新しい治療が出てきますので、その最新の治療と保険でできる範囲との比較をしっかりとお話しします。金額のことももちろんお伝えし、それぞれのメリット・デメリットもしっかりと説明します。もちろん、保険診療にはよいところも多いので、ケースによっては保険診療をお勧めすることも多いです。
たくさんの選択肢の中で悩まれる患者さんにはどのようにしていますか?
そのときは私がある程度絞って提案させていただきます。たとえば、歯を失った部分の処置には「入れ歯、インプラント、ブリッジ」という選択肢があります。「入れ歯は人前で取り外ししないといけないから一番イヤ」というのが一般的な意見です。それなら「入れ歯は省いて、残りの2つで考えましょう」という感じです。
自分が嫌なことは患者さんにもしたくないという思いがあります。また、金額で悩んでいれば、予算を聞いてその予算内で「ここにお金をかけた方がよい」「どちらのコストパフォーマンスが高いか」などをお話しして選んでいただきます。
開業されて数年が経ちますが今はどのような気持ちでしょうか?
私が学んできたことをドクターたちにどんどん教えてあげたいという気持ちです。私もいつかは目が悪くなるし、体力もなくなり、あと何年続けられるかわからない。そう考えると、やはり30代や40代の働き盛りのドクターに引き継いでいくのがよいと思います。
あとは、ほかの先生の治療レベルを引き上げていくことが必要だと思っています。当院で勤務しているドクターがハイレベルな治療ができるようになれば、その先生たちが辞めても次の勤務先の医院でハイレベルな治療を提供することができます。これは患者さんのためにもなり、当院を通じて「医療の発展」という形になってくれればよいかな、と思います。
正直私も、どこの歯医者に行ったらよいのかわかりません。一般の患者さんにとっては、お口の中のことなんて尚更わからない。だからこそ、当院ではなるべく説明を多くし、画像なども積極的に見せています。こうした考えの歯科医師が増え、どこに行っても「よい治療」が受けられるレベルになれば喜ばしいことですね。
今後どういった医院を目指しますか?
これからは、今まで以上に、海外の情報を得たり、新しい材料や器具を導入したりしようと思っています。今でも海外には行っておりますが、現地まで行かないと手に入れられない器具なども多いのです。
世界スタンダード的なことを取り入れつつ、私だけでなく、ほかのドクターも含めて同じレベルで治療ができること、皆が同じ目標に向かっていけるような医院を目指したいですね。
サッカーで言うと、イタリアやドイツで学んできたことを集結させたのが日本代表。当院でも、皆がそれぞれ本でも学会でも学んだことを持ち寄り、討論をし、発展し続ける医院を作り上げることができれば最高です。
まわりからは、私がもっと手を抜けば今より多くの患者さんを診ることができ利益をあげられると言われることもありますが、私は今の治療スタイルを変えるつもりはありません。今までもそうですが、これからも治療の質を落とすわけにはいきませんので、どんな時でも手を抜かず、全力の治療をしていきたいと思っています。この考え方は今後も院内のみんなで共有していき、よりハイレベルな治療を提供できる医院へと発展し続けていきたいです。
院長プロフィール<経歴>
平成18年3月 日本大学松戸歯学部卒
平成18年4月 日本大学松戸歯学部研修医
平成19年4月 千葉県印旛郡のクリニック勤務
平成21年4月 千葉県成田市のクリニック勤務
平成23年3月 アーク杉並デンタルクリニック開院
<所属団体>
デンタルコンセプト21(インプラント臨床スタディーグループ)
MICアカデミー(最先端インプラント治療習得アカデミー)
<発表歴>
Nobel Biocare Planning Seminar合同ミーティング2014 東京代表
アーク杉並デンタルクリニック 基本情報
住所 | 〒167-0021 東京都杉並区井草1-7-2-1F |
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電話番号 | 03-5303-8080 |
アクセス | 西武新宿線「下井草駅」北口徒歩1分 |
診療科目 | 歯科・小児歯科・矯正歯科・歯科口腔外科・審美歯科 |
診療時間 |
月~金 9:30~13:30/15:00~20:00 土日 9:30~13:00/15:00~18:00 |
休診日 | 祝日(学会のためその他の日が休診となることもございます) |
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