K*デンタルオフィス 菊池薫院長 (代々木上原) インタビュー

開業30年を迎え、矯正医として語ること「治療に臆病な気持ちを持つ意味」 K*デンタルオフィス 菊池薫院長
代々木上原駅から徒歩1分のところに位置する「K*デンタルオフィス」は、この地で開業30年になろうとしている歴史ある医院だ。院内に入ると、若々しくハツラツとした笑顔の菊池先生が迎えてくれる。「この頃は10代で患者さんだった方から久しぶりに連絡があると、自分の子どもを診てほしいと言われます。時間の経つのは早いなあと・・自分も歳を取ったと思いますね(笑)」とユーモアあふれる菊池先生は、女性の院長として医院を守る傍ら、二児の母でもあり、若いお母さん達にとっては、先輩としていろいろな相談に乗ってくれる心強い存在だ。

矯正医としてベテランの技術力はもちろんのこと、人間味あふれる菊池先生、ていねいな対応をしてくれるスタッフの方々に、多くの患者さんが惹きつけられるのだろう。そんなK*デンタルオフィスが患者さんに長年愛され続ける秘訣や、女性として育児と仕事の両立はどうしているのか、さまざまなお話を伺った。

菊池 薫院長インタビューお父様から受けた教え大学で小児歯科学の教授だったお父様からどのような教えを受けられましたか?
私の父は雑学博士のような人で、小児歯科以外に組織発生学や考古学、世界史についても興味を持っていたので、小さい頃からいろいろな話をしてくれました。
私が「歯科医になりたい」と父に伝えたとき、父は一言「"歯バカ"にはなるな」と言いました。「専門知識で患者さんの歯だけを見るのではなく、全身の健康や本人の受けているストレス、社会性まで考えろ」という意味です。
父の影響もあって、若い頃は1人でバックパック旅行をしていました。ネパールやインド、タイやヨーロッパなどを巡りましたが、文化的な刺激をたくさん受けたので貴重な経験をしたと思っています。

院内写真1バックパック旅行の経験はどう活きているのでしょうか?
旅行中にはさまざまな国の人と一緒に旅をし、語り合いました。そこで気づいたのは、みんな歯がキレイなこと!大学生、クリエーター、弁護士、様々な職種の人がいましたが、歯に対する予防意識が非常に高くて、驚きました。貧乏旅行ではボロボロのTシャツは問題ありませんが、現地の食事を食べるときに歯が痛かったら、それこそ死活問題になりますからね。歯医者がいる地域は限られていますから。

そうして出会った各国の友人たちから、患者目線の「歯科に対する考え」を聞くことができたのはとても有意義でした。彼らの考えは当時の日本人と比べると、予防医療に対する考え方が真剣で、感動したのを今でも覚えています。私が歯科医だというと「なぜ日本では歯のクリーニングを積極的にしないのか。日本に滞在しているときに困っている。」という話を聞きました。そんな会話のやりとりがきっかけになって「クリーニングと矯正専門の医院」を開業した次第です。今ではどこの歯科医院でも気軽にクリーニングをしてくれますが、当時は珍しかったので患者さんの半分は外国の方でしたね(笑)

三代続く歯科医師の家系ということですが、この医院は「継承」でしょうか?院内写真2
いいえ。このクリニックは私が開業しました。父は大学教授でしたからサラリーマン家庭でしたし、親戚も歯科医ばかりですが、それぞれに自分に見合った地域に開業しています。

開業にあたって代々木上原を選んだ理由は、歯科以外の友人達の勧めです。異業種の社会人はアンテナが敏感ですから、いろいろな意見を聞くことができました。

友人に「これから注目を集めるエリアはどこかしら」と質問したとき、白金台、代官山、代々木上原などが挙がったのです。当時から代々木上原は二つの線が乗り入れていたので、便利だなと思いました。反面、白金台や代官山は今ほど交通の便が良くなかったので、敬遠したのです。矯正治療は長い間、通わなければいけないので、子供でも一人で安心して通えるように、駅から近い場所を選びました。

患者さんには治療だけでなく、母親として接する機会も多いのではないでしょうか患者さんには治療だけでなく、母親として接する機会も多い
そうですね。最近はママ友つながりなのか、小さいお子さんの来院が増えた気がします。小学校低学年までに生活習慣を整えておくことが大切なので、子供よりお母さん達と育児全般の話をすることが多いですね。

今は情報が溢れていますから、誤った情報で「とにかく早く矯正を始めた方がよいのでは」と不安になっている方も少なくありません。でも、どんな治療でも始めるにあたっては臆病にならなくてはいけません。子供にとっては辛いことですし、これから成長してく過程でどんどん変化していくわけですから、将来を見据えて慎重に判断するべきです。小さいお子さんのお母さんには、歯並びのことよりも生活の中で「こうしたらよい方向に向かっていきますよ」というような具体的な生活指導を中心にお話しています。

人間は、歯並びが原因で死ぬことはありません。一番大切なことはその子が「人間」として順調に成長していくことであり、成長を妨げることは排除し、あとは必要になるまで見守ることだと思います。
よく「この子は食べるのが遅くて...」となげくお母さんがいます。「なぜ食べるのが遅いのだろう」という疑問を順序よく考えてみましょう。口唇が伸びなくていっぺんに沢山の食材が入らないのかもしれませんし、食べることに興味がないのかもしれません。ふたつのことは全く違う原因です。早く食べて欲しいのは大人の視点。子供は現在進行形で食事の練習をしています。忍耐強く見守りながら、生きるために必要な「食べる」という習慣をしっかり身につけることが必要です。

長期的な治療となる患者さんが多いのではないでしょうか
そのような生活指導をしながら定期検診に通ってもらい、タイミングを見計らって矯正を始めるので、長期にわたってお付き合いしていますね。そのうちにお母さんも自分の歯が気になって、クリーニングを希望されることや、親子で矯正治療を始めた方もいらっしゃいます。お互いに励まし合って頑張れるし、子供にとって、お母さんと一緒!というのは、最高のモチベーションです。

おくちの健康というのは本来、家族くるみで取り組むのが一番理想的です。一緒に食事をして歯磨きをするわけですから、環境が整っていれば、簡単に予防に取り組むことが出来ますよね。うちの医院には家族全員で3ヵ月に一度、クリーニングにいらっしゃる方も多いですよ。

長年貫いてきた考えなどをお聞かせください長年貫いてきた考え
開業以来おくちの中の健康を総合的に考える「チーム医療」を目指してきました。これは今も変わっていません。
日本の歯科医療は保険制度が中心であるため、痛かったら気軽に治療できるのが常識になっています。

でも「歯の病気」は予防できます。他の病気と違ってある日突然、むし歯になることはありません。それだけにずっと見守ってくれる「かかりつけ医」が必要ですが、何か難しい問題が起きたときには、自分より知識と技術のある専門医を紹介できるシステムも大切です。

私のまわりには、幸い各分野の優れた専門医が何人もいるので、定期的な勉強会や、一人の患者さんについての意見を交換など、とても有難い環境です。一人の患者さんを何人かの専門医と一緒に診断すると、思いがけない治療法が提案されることもあり、「真の医療」だと敬服することも少なくありません。

歯科治療も治療を始める前に慎重に考えていただきたい。セカンドオピニオンを聞くことが推奨されている昨今ですから、歯科治療も治療を始める前に慎重に考えていただければ、と思います。

これからの歯科医療はだんだん専門化してくるので、患者さんと長いおつきあいが出来る、努力を惜しまない若い歯科医達と一緒にチームを組みたいですね。私も若くないので、この技術を継承していくことがこれからの課題です。

具体的にはどのようなに連携をとっているのでしょうか
以前は誰かの診療室まで出向いて話合いをしていましたが、現在では、メールで簡単に情報交換ができるようになりました。例えば患者さんの「入れ歯は嫌だ」「自分の歯を抜きたくない」「インプラントは嫌だ」というような歯科治療へのこだわりは、チーム医療が向いています。この頃は60代でも余命は20年以上ありますから、御自分の歯があれば矯正治療をして整え、足りない部分はインプンラント、ブリッジ、義歯と様々な選択肢から一番良い方法を考えていきます。もちろん患者さんの予算もありますから、その予算内で患者さんの希望を叶えるために、専門医同士が連携するわけですね。

矯正を希望する患者さんは歯に対する意識が高い矯正を希望する患者さんは歯に対する意識が高いのでしょうか
そうですね。近頃は海外赴任や帰国子女の方も多いので、歯に対する意識が高くなってきたと思います。
ただ10代~20代では見た目重視で矯正治療を希望されますが、きれいな歯ならびでも機能的に整っていなければ、後で顎関節症になったり、戻ってしまったりとトラブルの原因になるので、慎重に選んでください。

小学生くらいまでは、お母さんの意識がとても重要です。「私がこの子の歯を守ってあげる」と思うか、「面倒くさいなあ」と思うかで、子どもの歯磨きに対する意識もずいぶん変わってしまいます。お母さんは子供のお手本なので、一緒に歯の健康を考えてくれると嬉しいですね。
そういう意味では、うちの患者さんは自分が完ぺきなので、お母さんになっても子供に素晴らしいケアをしていらっしゃいますよ。

矯正治療前にはどういったことをお話しされるのでしょうか
患者さんによって生活事情が大きく違いますから、治療前にはいろいろなことを話し合います。大人は仕事の都合や将来の設計で治療が中断しないよう、打ち合わせが大切です。結婚や出産をまたいで矯正治療を続けることもありますし、転勤の予定があれば考慮したうえで治療を開始します。
子供の場合は、保護者の意志と子供の気持ちにギャップがあることも多いので、お互いの気持ちを聞いたうえで矯正治療を開始するかどうか話し合って決めます。
私から「今は本人のやりたい部活をやらせてあげましょう」「受験に集中させてあげましょう」と説得する場合もあります。保護者が「成人するまえに全部終わらせたい」という考えでも、本人の意思を尊重したほうが良い結果につながります。「部活も受験も矯正もいっぺんに!」というのは子供にとってはかなりハードスケジュールですからね。

歯の健康はとても大事矯正に進まずに離脱する方もいらっしゃるのではありませんか?
そうでもないですね。思春期は優先順位が矯正治療にないだけで問題意識はありますから、「部活を引退したから」「受験が終わったから」と自分から来院することも多いですよ。

部活や勉強で忙しいときでも、長期休暇のときにはクリーニングに来てもらって、「歯の健康はとても大事」と毎回すり込んでいますから、洗脳されているかも(笑)。

日々工夫していることはありますか?
「よく食べる」「よく眠る」「楽しく飲む」くらいですね(笑)。あとはイライラ、クヨクヨしないことでしょうか。家族全員で会える時間も限られていますし、そこで小言ばかりではせっかくの団欒がつまりません。自分のことは自分で悩んで考えるしかないですから。
ある意味「淡々と暮らす」ことも大事だと思っています。どこかでスイッチをOFFにすることでエネルギーをチャージしておくイメージです。そうすることで、必要なときにスイッチをONすれば、スッと元気になれるものですよ。

仕事をしながらの出産・育児はかなり大変だったのではないでしょうか仕事をしながらの出産・育児
本当にスタッフのみんなに支えてもらいました。出産後すぐに子どもを保育園に預けて復帰しましたが、それでも何か月かは医院を空けてしまいました。その間スタッフは一生懸命サポートしてくれて、本当に感謝しています。
長年勤めてくれたスタッフは子育ても終わり、今は次世代の若いスタッフ達が支えてくれています。

私の医院はスタッフ教育プログラムがなく、ミーティングもしません。毎日、一緒に昼食を食べるくらい(笑)ずぼらな院長です。それでも良い治療を心がけていれば、その気持ちは伝染しますから。

女性ドクターで長年続けられる秘訣女性ドクターで長年続けられる秘訣を教えてください
「女性だから」という気持ちを持たないことではないでしょうか。女性を売りにすると、若くてハツラツとした人に人気が集まるのは当たり前。それでは、どうしても長続きはしません。
私の周りでも「子どもが小学生になるまで仕事より子育て優先」という方も多くいました。それが悪いことだとはまったく思いません。でも好奇心を持ち続け、興味を絶やさず、コツコツと勉強し続けることは大切だと思います。

医療は日々進歩していますし、素晴らしい技術を持つドクターは、皆、必死に勉強している方々です。そういうドクターに少しでも追いつくためには、コツコツと勉強し続けることが必要。たとえビリでも一生懸命やり続ける。そうすればいつか一緒にチーム医療が出来るレベルまで追いつける、この歳になってやっと実感しました。

好奇心を絶やさず、諦めずに何でもチャレンジする、これは日常生活でも大切です。私も好奇心だけで息子に勧められた今どきの漫画を読んでいます。スターウォーズやハリーポッターのような長編映画も、大人の目線でもう一度見直すと、なかなか奥深いですよ(笑)

院長プロフィール菊池薫院長<経歴>
1955年 東京生まれ
1979年 日本歯科大学歯学部卒業
1987年 K*Dental Office開業
1990年 第1回日本矯正歯科学会 矯正認定医取得
2001年~日本歯科大学矯正学講座非常勤教師として大学院生を教授

<所属学会>
日本矯正学会 会員
東京矯正学会 会員

K*デンタルオフィス 基本情報

住所 〒151-0066 東京都渋谷区西原3-13-15 フラット代々木上原A-101
電話番号 03-3469-2302
アクセス 小田急小田原線・東京メトロ千代田線代々木上原駅徒歩1分
診療科目 矯正歯科・PMTCによるクリーニング
診療時間 月~土 10:00~13:00/14:00~19:00
休診日 木曜、日曜、祝日

患者さんの声(口コミ・評判):6件評価:★★★★☆(5段階中4)/20代/女性
オフィスも人もとってもオシャレでとても素敵な矯正歯科さんです。

評価:★★★★★(5段階中5)/40代/女性
オール女性できめ細かな対応が良かったです。長い間通い続けることでスタッフの皆さんとも親しくなれ、心通い、楽しく治療を続けられました。ありがとうございました。このまま別れるのは淋しいです!

評価:★★★★☆(5段階中4)/30代/女性
もうすぐ2年ちょっとですが、2~3週間に1回、歯のクリーニングもして下さるので本当に感謝しています。ありがとうございます!
クリニックの雰囲気もとても清潔だし、何気に音楽のチョイスも素敵だなといつも思っています。

評価:★★★★☆(5段階中4)/30代/女性
いつも丁寧で親切な治療と対応に感謝しています。一番最初にメリットとデメリットの説明がきちんとあったので安心して治療を始められましたし、質問にもちゃんと答えて頂けてアフターケアも親切に対応して頂けて有難いです。
季節ごとの飾り付けや内装等のセンスがいいのも来院する楽しみの一つです。

評価:★★★★★(5段階中5)/40代/女性
正に矯正のスペシャリスト!!矯正の匠!!私はK*デンタルオフィスに出会えて良かった。歯並びの悪い友人一同に紹介したいです。

評価:★★★★★(5段階中5)/30代/女性
先生とスタッフの方々がいつも温かく親切で、辛い治療なのにいつも楽しく通うことができました。もし自分の子供(小5と小2)に矯正を考えるようになったら、是非お願いしたいと思います。