2016年5月31日

山口歯科クリニック 山口 義徳院長 (恵比寿) インタビュー

「顕微鏡治療のスペシャリスト。最良の歯科治療を追求する姿勢に迫る」 山口歯科クリニック 山口 義徳院長
すべての治療に顕微鏡を用いており、1人の患者さんに1時間半以上の時間をかけてじっくり治療をするという山口先生。「自分の家族に施せるような治療をしたい」という信念からよい治療を追求し、自由診療の顕微鏡治療に行き着いたそうだ。

仙台や静岡など、遠方からも患者さんが集まるそうだが「本当はしっかりと顕微鏡治療ができるドクターが全国にいるような世の中にしたい」と山口先生は語る。市民へ向けた講演活動なども行っており、自院の発展よりも歯科治療全体の発展を目指す姿勢が強い『真っ直ぐ』な先生。歯科医師となった経緯から顕微鏡治療のメリットや今後の課題点など、ユーモア溢れる口調でお話しいただいた。

山口 義徳院長インタビュードクターになったキッカケドクターになったキッカケを教えてください
私の実家は歯科技工所でした。そういったこともあり、幼い頃から歯科を身近に感じていました。技工士だった父に「歯学部に進学する前に歯は全部治療しておけ。そうしないと治療の実習に使われるぞ」と言われ、治療したのを覚えています。

歯科医師になろうとしたもう1つのきっかけがあります。これ、漫画のようなホントの話ですが、私の乳歯が抜けそうになると、父が私の乳歯に糸を巻いて引っ張るんです。抜けずに血だらけになっていると、今度はペンチを持ってきてグリグリとされる。それでも抜けないと「う~ん、やっぱり歯医者に行って抜いてきて」なんて言うんです。そのときに「技工士ではなく、きちんと知識も技術もある"歯科医師"にならなきゃいけない!」って思いました。

でも本音は、高校時代まではレーサーになりたいという夢を持っていました。車が大好きで、浪人時代に大学受験を控えながらも車に乗っていて、気付いたら年間7万キロ走っていました。歯学部に合格してからは「仕事をしながら趣味で車に乗ろう」と決めて歯科の道に進みました。もし合格していなかったら、今頃レーサーになっていたかもしれません(笑)。

貴院の特徴は顕微鏡ですね?
特徴は顕微鏡当院ではすべての治療に顕微鏡を用いています。理由の1つは、肉眼やルーペでは光が届かず治療が難しい場所も治療ができること。次に、高倍率で患部を見ることができるため、歯の削りすぎや虫歯の取り残しなどを防ぐことができます。

また、治療映像をすべて録画しており、私が顕微鏡を通して見ている映像は、ヘッドマウントディスプレイで患者さんもタイムリーに見ることができます。治療終了後にその録画した映像を見ながら、今日はどのような治療をしたのか、お口の中がどのような状態なのかを説明できます。ただ、データ容量が膨大なので、ハードディスクが大量に必要となるのが最近の悩みのタネです(笑)。

歯科顕微鏡を使いこなすには訓練が必要なのではありませんか?
歯科顕微鏡を使いこなすには訓練が必要はい。顕微鏡治療は歯をミラーに映して行うことが多く、訓練が必要です。もちろん、私も初めから使いこなせたわけではありません。毎日のように顕微鏡に触れて訓練しましたが、それでも使いこなすまでに1年くらいはかかりました。顕微鏡治療には高度なテクニックが必要と言われますが「訓練すれば誰でも使えるようになるはず」だと思っています。

そもそも導入を決めたのも「自分の家族に施せるようなよい治療をしたい」という思いからでした。だからこそ、保険診療ではなく自由診療で治療していこうと決めたんです。保険診療が悪いとは思いませんが、自由診療ならもっとよい治療ができると考え今に至るという形です。


1人の患者さんに多くの時間を割いているとのことですが
1人あたり最低1時間半はとっていますそうですね。1人あたり最低1時間半はとっています。顕微鏡を使用した治療では、細部にまでこだわって治療を行います。たとえば、ピッタリと合致する被せ物を作るための歯型を採るにも一工夫します。

通常、歯肉が邪魔をしてしっかりとした歯型を採ることは難しいのですが、歯に紐を巻いて少ししてから紐を取り、わずかに開いた溝の歯型を採ることで、精密な歯型ができあがります。これを用いれば、ぴったりと合致する被せ物ができます。顕微鏡を使わずにこの処置を行っているドクターもいますが、実際には肉眼で見づらい部分も多々あるため、精度に不安が残ります。こうした細部にまでよい治療を施すためには、時間も必要ですし、顕微鏡が不可欠です。

顕微鏡治療は業界内でも有名ですが、導入しないドクターが多数です。何が原因だと思いますか?
顕微鏡治療は業界内でも有名だが、導入しない理由顕微鏡の導入にはそれなりの費用がかかりますし、技術の習得も必要です。先ほども述べたとおり、しっかりと顕微鏡治療を行おうとすると、1つの治療に非常に時間がかかります。

歯の根っこを保険診療で行うと、患者さんの金銭的負担は軽く済みますが、歯科医院にとって大きな収入とはなりません。つまり、保険診療を軸にすると、短時間で多くの患者さんを診なければ医院経営は成り立たず、顕微鏡治療はそれに逆行する形となります。逆に顕微鏡治療を軸にすると、自由診療に重点を置かざるを得ない形となってしまい、今度は患者さんが来なくなるというような問題が絡み合っています。

患者さんが顕微鏡治療の良さを理解すれば、それに見合った治療費に納得される方はたくさんいらっしゃいます。患者さんにその良さを伝え、顕微鏡治療をしている医院へ来院を促すと同時に、各クリニックへの顕微鏡導入と技術向上の指導などもしていきたいと思っています。私は患者さん向けに2か月に一度のペースで講演会を開催していますので、一度お聞きいただきたいですね。

患者さんは地域の方が多いのでしょうか?それとも遠方からの方が多いですか?
渋谷区からいらしている患者さんはほとんどいません当院に渋谷区からいらしている患者さんはほとんどいません。つい最近計算をしてみたら、渋谷区の人口20万人に対して、当院に来ているのは4人。つまり、約5万人に1人の割合でしか来院していないんです。

主に隣接区から来ている方が多いですが、中には仙台や静岡から来院される方もいらっしゃいます。これだけ遠方から来てくださることはうれしい限りですが、本来であれば各地域や都道府県に当院のような顕微鏡治療の医院があってほしいと思っています。

印象深い患者さんとのエピソードを聞かせてください
印象深い患者さんは何名かいらっしゃいます。ある方は治療後に「治療前は高額だなぁと思いましたけど、治療してみたら、正直こんな金額でいいんですか?」と言ってくださいました。「あ、じゃあもうちょっともらっていいですか(笑)?」って聞いたら「それはだめです(笑)」なんて方がいて、自分の治療に対して自信が持てました。

印象深い患者さんとのエピソードほかに、20代前半の患者さんが紹介で来院されました。その方のお口の中は決してよいとは言えない状態でした。初回の検査を終え、映像でお口の中を確認しながら説明し、概算書を作成しました。当然治療箇所が多いため、結構な金額に。当院は自由診療のため、保険診療に比べて値段は高額です。

その方は「私はサラリーマンで、正直この金額は払えません。でも、せっかく紹介で来たので、ここの歯だけ治療します。」と言って治療を受けました。後日「金額もかかりますし、今後の治療はどうされますか?」と聞いたところ「以前お見せいただいた金額で全部の治療を受けたいと思っています。でも一度には払えませんので、1年に1本など、長期間となるかもしれませんがお願いします。」と言ってくださり、今でも通院されています。

院長プロフィール山口 義徳院長<経歴>
1992年 日本大学松戸歯学部卒業
1997年 恵比寿に山口歯科クリニック開設
2010年 恵比寿で移転 保険外診療所としてOPEN

<所属学会・勉強会>
日本顕微鏡歯科学会 認定医
日本抗加齢医学会 認定医
日本口腔インプンラント学会 会員
日本歯内療法学会 会員
日本顎咬合学会 会員
顕微鏡歯科ネットワークジャパン コアメンバー

山口歯科クリニック 基本情報

住所 東京都渋谷区恵比寿南3-3-12 アージョⅠ 3F
電話番号 03-3792-2244
診療科目 根管治療・歯周病治療・インプラント・審美歯科・予防歯科・虫歯治療
診療時間 10:00~12:00/14:30~16:00
休診日 日曜、祝祭日、祝日がない週の木曜
アクセス JR恵比寿駅 西口より徒歩6分
東京メトロ 5番出口より徒歩3分

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