2016年1月16日

順天堂大学医学部心臓血管外科教授 天野 篤先生

「より多くの患者を救うための努力とその原動力に迫る」順天堂大学医学部心臓血管外科教授 天野 篤先生
天野先生は順天堂大学心臓血管外科の教授を務め、多い日は一日に4件の手術を執刀することもあるという。年間の執刀数はなんと450件以上にのぼり、日本屈指の実力者であることは言うまでもない。
2012年には東京大学との合同チームとして上皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した経歴もある。

『自分は常に"二流"だと思っている』そう語る天野先生。手術に対する努力を惜しまないストイックな姿勢は、テレビや雑誌等にも多く取り上げられ多くのドクターにも影響を与えていることだろう。

今回の取材では、そんなストイックな姿勢だけでなく、ユーモアのあるたとえ話など、天野先生の人間味溢れるお人柄に触れることができた。後輩の育成に対する思いや、天野先生の考えるドクターとしてのあるべき姿などたくさんのお話をうかがうことができた。

天野 篤先生インタビューなぜ医師になったのかなぜ医師になったのか経緯を教えてください。
私の家系は、父の叔父が2人東大の医学部を出ているような医療系の一家でした。私が産まれた当時は、児童が健全に育つかどうかもわからないような時代。そんな時代に大叔父が「この子は健康に育つだろうし、医者にしてもいいんじゃないか」と両親と話し、そう教育されてきたというわけです。

もう1つの理由としては、父が病弱だったことです。心臓病を患っていることがわかったのは私が高校生のときでした。父の姿をずっと見てきて、年齢を追うごとに「医者になってもいいかな」と思ってきました。実は私は3浪しているんですが「3浪までしてしがみついたら、医学部に入らなきゃ格好がつかない」と思っていたのもあります(笑)。そのために受験の模擬試験を優先し、成人式に出られなかったのが心残りですね。

外科にも様々ありますが、なぜ心臓外科に進んだのでしょうか。やはりお父様の手術のためだったのでしょうか。
心臓外科を選んだのは大学の5年生のときでした心臓外科を選んだのは大学の5年生のときでした。病院実習では循環器内科にいました。それも、当時はカテーテルを使った術式の黎明期。新たな術式で患者さんが救命されていくのと同時に、再び発作を起こして命を落としてしまう、という現場を見ました。そのときに「内科でできることには限界がある」と感じたんです。

それならば、当時の米国で治療体系が確立していた心臓バイパス手術など治療の決定打となるような外科的技術を身につけなければならないと思ったこと、さらに父の心臓弁の再手術が必要なこともわかっていたため、外科に進もうと思いました。

天野先生のような一流になれたその原動力は何なのでしょうか。
私は自分が一流だとは全く思っていません。むしろ、二流だと思い続けています。
しかし、二流でも一流に勝てることもあります。一流に対して勝つために二流を極めるということです。言い方を変えれば「一流に負けない努力」ということかもしれません。

「一流に負けない努力」

スポーツの団体戦で言えば、ここぞというときに必ず勝つのが一流。そんな一流相手にも絶対に負けない、もしくは「こいつは手強い」と思わせるのが二流ですかね?そういった試合ではよく番狂わせが起きます。そうなるためにはさまざまな努力が必要です。

医師で言えば、日々の勉強や、自分の専門を突き詰めて自分のスタイルを身につけるのです。そうすれば、いざというときに迷いなく自分の力を発揮できるのです。一流が迷うと取り返しのつかないミスになることがあります。世紀の発見と騒がれたSTAP細胞の指導役だった先生のような不幸な結果にもつながります。それに「自分は一流だ」と思ったら成長できないと思います。常に「自分は二流なんだ」という心のあり方をすることで、日々の努力を惜しまず邁進できるというのも大きな原動力の1つなのかもしれません。

(考え方など)後輩の指導にあたって気をつけていることは何ですか?
私は後輩に『外科医として、自分の職業を一生貫きたいなら、手術をして飯を食えなきゃいけない。』そして『身近な人に「仕事は何をしているの?」と聞かれたときに、間髪入れずにハッキリと「外科医です」と言えなければならない。』と教えています。

後輩の指導にあたって気をつけていることこの言葉にすべてが詰まっていると思っています。手術で結果が出せず、医療事故でも起こせば、社会的に制裁を受けて淘汰されます。反対に成果を出せば、患者さんやその家族、そして社会的にも評価され、その対価が得られる。よい結果を出すためには、先輩の技術を盗んだりたくさん学んだりする必要がありますよね。そのためにも「自分は外科医だ」というマインドが大事です。「最近執刀していない。自分は外科医なのか?」というような気持ちを抱かぬよう、執刀して腕を磨くことも大切です。

我々ドクターは医師免許を持っています。これを持っていれば、医師としてさまざまなことができて仕事に困ることはないでしょう。でも、それに頼って甘えてはいけないと思います。医師免許は資格であって免許皆伝ではないのです。我々は人の命を預かる身です。プロフェッショナルとして甘えることなく努力をし続け、結果を出し続けるのが医師免許に適うドクターだと思っています。

テレビで、1分間に70回の糸結びができると拝見しました。
1分間に70回の糸結びができるそうですね。でも、練習すれば誰でもできるようになると思っています。手術は作業と操作の2つに分けられると思っていて、糸結びなどは作業にあたります。この作業にかかる時間は短ければ短いほど患者さんの体の負担も減るため、最短時間で終わらせるようにしています。その分の時間を操作に使いたいのです。術中に、教科書にあるような場面をもっと展開して考えたり、体(器官)のはたらきを守りながら自分のイメージどおりに手術を進めたりするということです。
 若い頃から「糸結びは大切だから練習しなさい」と言われてきました。でも、その頃はなぜ大切なのかがわかりませんでした。これは誰しもが経験することだと思いますが、自分がその立場、そのタイミングが来たときに初めて大切さがわかるのです。私も執刀するようになってから大切さがわかりました。

それを若い頃から言われて実践するかどうか。実践する人は伸びるし、実践しない人は落ちていくものです。外科は体を侵襲する処置を行う科ですから、基礎的な技術の習得があってこそ、専門性が活きるものだと思います。

術中に切除部位を使用して弁を再建するなどのクリエイティブな発想を拝見しましたが、どうすればそういった発想が出てくるのでしょうか?
常に考えているからこそクリエイティブなことができるのかもしれません基本的にはいつも考えています。「これをこうしたらいいんじゃないか」「これはここに使ったらどうだろう」など、常に考えているからこそ、そういった場面に出会ったときにクリエイティブなことができるのかもしれません。

私はあまり執刀しませんが、小児では特に患者さん自身の細胞や組織を使って手術を行います。人工物は成長しないため自分の組織を用いる方がよいとされていますし、当院でもそういった手術を行っています。術後報告や手術記録をただ見るだけでなく「自分の手術にも取り入れられないか」と常に考えるようにしています。

もちろん、グローバルなエビデンスを無視したようなクリエイティブさは求めていません。一般的なエビデンスに私の所見を加えるといった形でしょうか。そういったことを積み重ねることで治療の幅が広がり、世の中のためになればよいと思っています。

座右の銘があれば教えてください。
特に考えたことはありませんが、強いて言うなら「己に勝つ」ということでしょうか。
先ほどの話にもありましたが、クリエイティブな発想や理想を追い求める気持ち、好奇心や探究心がなければ「大志を抱く青年」ではなくなってしまいますからね(笑)。

その基本は「早い・安い・うまい」です。早い対処や手術を安い値段で受けることができる。そして手術がうまく、術後も良好であること。さらには患者さんの人生もよくすることだと思っています。

上の立場になればなるほど、周りからも持ち上げられて「自分のやっていることが正しい」と思ってしまうものです。だから「どこかにスキがあるのではないか」「どこかに不具合が生じていないか」という恐れを持ち続けることが大事です。そんな「恐れ」を持っていれば、より完成度も上がり、違ったものが見えてくると思っています。

クリニックいわゆる一次医療について先生の考える「あるべき姿」を教えてください。
一次医療は患者さんとのフロントラインとなるため、患者さんが本当に訴えたいニーズを引き出して把握することが重要だと思います。そして、それに対して「こういった病気の疑いがある」「〇〇なので安心してください」など、しっかりと診断し、説明することです。

患者さんが本当に訴えたいニーズを引き出して把握することが重要

一次医療において必要なことは、患者さんのニーズを掴んで先を見通した診療をすること。それができない、いわゆる先の見通せない医師は「ヤブ医者」だと思っています。患者さんはそういった医師のいるところに行くべきではなく、しっかりした医療機関に行くべきです。とは言え、一次医療のドクターは本当に大変だと思います。患者さんのニーズを掴むことは、雲を掴むような状態と同じですから。それをしっかりと掴んで先を見通した診療ができれば、たとえ3分の診療でも患者さんが満足できるのではないでしょうか。

私も以前一次医療に携わっていましたが、一生涯をかけても、一次医療で診ることができる患者さんの数には限界があります。それならば、スペシャリストの道を極め、その中で普遍的な発見をすることで、日本のみならず世界的にも困っている患者さんを救えるのではないかと思い、二次医療の道を選択しました。

医療界における課題点をお教えください。
今や、情報があっという間に世界を駆け抜けるため、患者さんも最新の治療法や憧れる医療をすぐに知ることができます。そういった最新医療を、日本の保険制度の中でどう受け止め、どう取り入れ、どう普及させていくかが「治療」における一番の課題点だと思います。

最新医療をどう受け止め、どう取り入れ、どう普及させていくかが「治療」における一番の課題点介護などの「治療をしない医療」においては専門家でないため言及はできませんが、私がいるのは治療をして人を元気にする医療現場です。現場ができる工夫をしていくことと、政府の医療改革が必要ですが、先進的で高額な医療をそのまま取り入れてしまっては、保険医療費が破綻することは簡単に想像できますよね。

今や理想論だけでなく、しっかりと現実論として話を進めていく必要があると思います。社会と両立する形で「すべての人が満足する理想的な医療制度」をつくることの難しさは重々承知です。我々はそれでも、日本の保険制度の中で患者さんが一定の満足度を得られるような医療を実現しなければならないと思っています。

なぜ制度にこだわるのかと言うと、今の制度で自分の親も家族も自分自身も守られてここまできたからです。だからこそ、その制度を大きく覆すのではなく、よりよい形に変化させていく。そういった形で、恩返ししていくものだと私は思います。

医師プロフィール天野 篤先生<経歴・資格>
1955年 埼玉県蓮田市出身
1983年 医師免許を取得
      同年、関東逓信病院(現・NTT東日本病院)
      臨床研修医
1985年 亀田総合病院に移籍、心臓外科学を学ぶ
1989年 同病院の心臓血管外科医長就任
1991年 新東京病院に移籍。
1994年 同病院の心臓血管外科部長就任
2001年 昭和大学横浜市北部病院
      循環器センター長兼教授
2002年 順天堂大学医学部教授就任
2012年 上皇陛下の狭心症冠動脈バイパス手術を執刀

<著書>
『一途一心、命をつなぐ』(飛鳥新社)
『熱く生きる』(セブン&アイ出版)
『この道を生きる、心臓外科ひとすじ』(NHK出版)

2016年1月15日

医療法人社団双壽會 秋津医院 秋津 壽男院長 (戸越銀座) インタビュー

「下町の一次医療を担う総合内科医。医療にかける信念とは」 秋津医院 秋津 壽男院長
多数のメディアにご出演の経験がある秋津先生。書籍も複数出版され、名前を知っている方も多いのではないだろうか。医師としてのあり方を追求した結果、大学病院や専門病院のような二次医療機関ではなく、一次医療を担う現在の総合内科に行き着いたという。

「日中は人の2倍働いて、休みは人の3倍遊ぶ」という秋津先生は「患者さんの負担を少しでも減らしたい」という思いからいち早く経鼻内視鏡を導入し、開院以来、戸越銀座という下町で地域のホームドクターとして活躍している。そんな秋津先生に良いクリニック選びのポイントや、医療業界全体についてなど、幅広くお話を伺った。

秋津 壽男院長 インタビュー先生の本(あさ出版「長生きするのはどっち?」 著:秋津壽男)を拝見しました。二次医療や三次医療についてかなりわかりやすい解説がありましたが、そもそもなぜ秋津先生は一時医療を選択したのでしょうか。
なぜ秋津先生は一時医療を選択したのでしょうか。そうですね。まず医師は、国家試験合格後、学会に入っていなくても専門医でなくても、どんな科目を行ってもよいことになっています。要するに、どの診療科目もできて当然ということです。
しかしながら、二次医療や三次医療の各分野のスペシャリストが揃っている大学病院などでは、各スペシャリストが「脳外科の手術しかしません」というのもよいと思います。だって、眼科の先生に脳の手術はしてもらいたくないですよね。

ただ、一般クリニックで内科の看板を掲げている以上、どんな症状でも「知らない」とは言えないのです。そこを極めていくと、一次医療で何でも精通した一般内科、いわゆる総合内科医やイギリスではGP(ジェネラルプラクシャン)と呼ばれる人たちが医師としてのあるべき姿だと思い、ここに行き着きました。

それをこの書籍の中で解説していたんですね
イギリスなどの海外では、いきなり大学病院に行っても診療はしてくれません。各地域に総合医がいて、そのドクターがエリアを管轄しています。まずは総合医のもとへ行き、その総合医がどの病院へ紹介するかを判断するという制度がしっかりと確立され、一次医療として機能しています。ただこの制度の欠点は、患者さんが決まった医療機関へ行かざるを得ないという点です。

あさ出版「長生きするのはどっち?」 著:秋津壽男それに対して日本は、誰でも大学病院へ行って診察を受けることが可能です。日本の医師には招応義務があるため、本来であれば夜中のどんな時間にくる患者さんも見なければならないことになっています。いわゆる"コンビニ医療"になりすぎているところがあり、海外と日本では極端です。

近年導入されたオバマケア(米国における医療保険制度改革)では、保険料は支払うのにカバーされている部分が少なく「あなたの保険ではここまでしか治療できません」「ここからは自費でなければ診ることができません」といったことが多々あるようです。そうすると「病院にかかりたくてもかかれない」という事態となってしまいます。

先生の書籍でも「TPPで医療の欧米化がされてくる」と記載がありました。仮に医療の欧米化が進むとどうなると思いますか?
仮に医療の欧米化が進むとどうなると思いますか?TPPが進んで問題となってくるのは、薬の特許と混合診療の問題だと思います。
まず、薬の特許が変わろうとしていますね。日本では薬1錠の値段も厚生労働省が決めています。それに対して欧米は、製薬会社が値段を設定できます。その高額な医薬品を保険対象とするか否かは、各保険会社のプラン次第となってしまいます。「あなたの保険プランではこの薬は保険対象ですが、こちらの薬は保険対象外です」といった形です。こういった背景もあり、海外では医療費の問題が少ないのです。

次に混合診療についてですが、この理念自体は正しいと思います。保険対象外の良い薬があるのに、それを使用したために入院のベッド代まで保険適応外となるのはおかしいでしょう。しかし一番の懸念点は、混合診療の制度自体を悪用されることです。
たとえば新薬が出た際「この薬は保険適用外です。お金のある人だけ使ってください。」となってしまうと、医療の平等はなされません。血圧の薬など、一般的なものまでそのようにされてしまってはダメだと思いますね。

日本は本当に理想的な医療制度が整っていると思います。日本は本当に理想的な医療制度が整っていると思います。しかし、熱が出たという患者さんが「昨日ゴルフに行って疲れたから、今日の診療のついでに湿布もください」といっても対応しなければいけないこともあり、医療費の使い方を間違っていると感じます。こういったことが続くと、仕組み自体を変えざるを得ないかもしれません。救急車を有料にするとか、保険適用外の薬を増やすとか。
そうならないためにも、患者さん自身が一次医療や二次医療を使い分け「医療は安くて当たり前」という昔の考えを変えてほしいと思います。昔よりは制度が見直されてきましたが、まだまだ難しいところですね。

秋津先生は会社員を経て医師を選択したそうですが、なぜ最終的に医師という職を選んだのですか?
昔の医学部は、9割が「医者の子ども」、残りは「成績がいいから入った人たち」だったんです。そのため「医師を本気で志してくる人は少ない。そんなところに行きたくない」そう思っていました。でも社会に出てみると、適当な人や悪意を持っている医師なんていないし、激務と言われる大学病院の先生でも、患者さんと真摯に向き合う真面目で勤勉な人ばかりだとイメージが変わりました。

それに、医師の仕事は「感謝され」さらに「尊敬され」そしてお金をもらえる仕事だと思ったからです。もちろんほかにもそういった職業はありますが、医師は健康や命に関わる最たるものです。次第にそう考えるようになり「医師なりたい」と思いました。でも「やるからには何でもできなければいけない」と思い、一次医療を担う今の状況に行き着いたわけです。

医師の仕事は「感謝され」さらに「尊敬され」そしてお金をもらえる仕事だと思った

先生はいち早く経鼻内視鏡を導入したそうですね。周りが消極的な中で導入しようと思ったキッカケは何だったのでしょうか?
私は、ポリープの切除など「治療」のための内視鏡は苦しくても仕方がないと思っています。でも、検査のためのスクリーニングで苦しいのを積極的にやろうと思う人はいないですよね。だからこそ、少しでも患者さんの負担が少なく、楽なものにしたいと考えていました。

現在は性能もかなり改善されてきましたが、私が経鼻内視鏡を導入した当時は、従来のものと比較して画像が鮮明ではないなど反対意見も多かったです。私は、たとえ画質が少し落ちても患者さんの負担が少ない楽なスクリーニングを行い、怪しい場合は大学病院など二次医療機関へ紹介するといった形の診療方法がよいと考え、導入を決めました。

大腸カメラも、経験者ならわかると思いますが、カメラは苦しいし事前に下剤を服用するし、前処置も大変ですよね。スクリーニング検査としてもっと楽に検査ができるようになれば、きっと受診率も高まり、病巣の早期発見で命を救える可能性も高くなると思っています。

クリニックを見分けるポイントを教えてください
まず基本は、スタッフがしっかりしていれば医師もしっかりしていると思います。あいさつがしっかりしているか、患者さんそっちのけでスタッフ同士がずっとおしゃべりしていないかなどをよく見てください。そして、診察までの流れがスマートかどうかも重要です。診療までの流れが悪かったり、スタッフの無駄な私語を黙認していたりするルーズな院長先生は、診療に関してもルーズなのではないかと感じますね。あとは、トイレの清潔さも重要です。トイレ掃除はみんなやりたくないものです。一番嫌がるところの掃除が行き届いているということは、ほかの部分もしっかり清潔に保たれていると思います。

院内写真入り口

ドクターに関して言えば「病名をしっかり教えてくるかどうか」も重要です。他医院に通院していた患者さんが私のもとにいらっしゃることもありますが「以前のドクターにはどのような病名だと診断されましたか?」と質問すると「病名はわかりません」とおっしゃる患者さんがたくさんいます。患者さんはただ熱を下げたいのではなく「何の熱なのか」を知りたい、それをきちんと伝える必要があります。

医師は神様ではないため、一発で病名の診断はできません。しかし「今のところリウマチの可能性は低いから神経痛の可能性が高いです。経過を見ましょう。長引くようであれば検査してみましょう。」とか「現時点では〇〇と✕✕の可能性があります。」と伝えるだけでも患者さんは安心すると思います。

病院は病気を解明するところであって、ただ処方箋を出すだけではダメだと思っています。しっかりと所見を説明することが大事ですが、患者さんが多いと一人の患者さんをないがしろにしがちになってしまいます。医師としてはここが難しいところですが、病名を知るのは患者さんの権利です。自分が納得するまで色々と聞いてみてください。

日々の仕事でかなり多忙だと思いますが、オンとオフの切り替えはどうされているのですか?
私は残業がキライなんです。膨大な仕事量に追われている人もいるので一概には言えませんが、残業する人は「仕事が遅い人」という考え方です。そのため私は、時間内に人の2倍働き、オフのときは人の3倍遊ぶ、休日に仕事を持ち込まないことを徹底しています。だから今回の取材も、診療後でなくお昼休みの時間なんですよ(笑)。

オンとオフをはっきりさせる分、日中の仕事時間はかなり集中されているのですね
無駄な時間を過ごすことはしたくないそうですね。とにかく無駄な時間を過ごすことはしたくないと思っています。

患者さんも、30分待って診療時間が3分でも、不安が解消すれば「よい時間」だったのではないかと思います。逆に、待ち時間なしで30分の診療時間をとっても、不安が解消しなければ「よい時間」とは言えません。そのためには医療以外のネタも重要になったりするんですよ。

たとえば、喉奥の横に大きな水ぶくれができたという患者さんが過去に数名いらしたことがあります。「飲み物もしみるし、何か悪いものなのでしょうか」と。そこである質問をしてみました。「昨日小籠包食べてない?」そうすると患者さんは「あ!食べました!熱くて熱くて...」「そう、それは喉のやけどの可能性が高いです。だから今のところ心配はありません。2~3日して回復しなければまたいらしてください。」なんていうやり取りもあります(笑)。医療以外のネタを仕入れるのも大事にしながら、日々生活しています。

季節柄、インフルエンザや風邪が流行ると思いますが、読者ができる予防法や対策について教えてください
風邪の初期症状は、微熱や軽度頭痛などです。市販の薬を服用して頑張ってしまう人が多いですが、無理をせずに「サボって、食って、寝る」これが大事です。体調を崩すということは、体からSOSが発信されている状態。仕事を頑張り過ぎないとか、残業をせずにすぐに帰るとか、やり方は人それぞれですが、初期症状の段階でしっかり休めばこじらせることは少ないです。本当にシンプルですが、体調がすぐれないと思った方は早めに休養をとってください。

院長プロフィール秋津 壽男院長<経歴>
1954年 和歌山県生まれ
1977年 大阪大学工学部を卒業後、会社勤務
1986年 和歌山県立医科大学卒業
      同大循環器内科に入局
      心臓カテーテル、ドップラー心エコー等を学ぶ
1998年 戸越銀座(東京都品川区)に秋津医院を開業

<資格等>
日本内科学会認定総合内科専門医
日本循環器学会認定循環器専門医
日本医師会公認スポーツドクター
日本体育協会公認スポーツドクター
日本禁煙学会認定禁煙専門医

秋津医院 基本情報

住所 東京都品川区戸越3-1-2 イマールビル2F
アクセス 戸越駅A3出口から徒歩約1分
戸越銀座駅出口1出口から徒歩約2分
戸越公園駅出口2出口から徒歩約10分
電話番号 0120-374199
03-5749-2062
診療科目 内科・循環器科・消化器科・アレルギー科・小児科
診療時間 9:00~12:30/15:00~18:30(木・土曜は午前中のみ)
※月曜のみ午前の診察は12:00まで午後は通常どおりの診察です。
休診日 日曜日・祭日

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くれクリニック 呉 兆礼院長 (西新宿) インタビュー

患者さんに寄り添う「居者」になりたい  在宅訪問診療にかける想いとは くれクリニック 呉兆礼院長
西新宿のオフィスビルにクリニックを構える「くれクリニック」。在宅訪問診療も行っている呉先生は、地域の患者さんに寄り添うホームドクターだ。「通院が困難になったらボクが診に行ってあげるから」と優しい笑顔で話す呉先生は一般外科出身で、患者さんの最期を看取る機会も多かったという。

「患者さん本人にとってよい最期をつくりたい」そう語る呉先生に、現在に至るまでの経緯や想い出深いエピソード、そして在宅訪問診療にかける思いを語っていただいた。

呉 兆礼院長インタビュー小学生の頃に通っていた教会での話しがきかけでドクターにドクターになったきっかけを教えてください
私は小学生の頃に教会に通っていて、そこで「イエス・キリストが泥の水で目を洗うと目が見えるようになった」という奇跡の話を聞きました。そして「目が見えない人が見えるようになる素晴らしさ」というのを感じたのです。今になって思えば、泥の水で目を洗って見えるようになるのは医学的にあり得ない話ですが「困っている人を救いたい」という想いを抱き始めたきっかけです。

それ以来、そういった仕事に従事したいと思っていました。ドクターにたどり着くまでには紆余曲折ありましたが、最終的には夢を叶えられてよかったと思っています。

幅広い分野を経験されていますが、呉先生の専門分野をお教えください
もともとは東京女子医科大学病院の第二外科に入局し、治療にあたっていました。その第二外科では一般外科と救命救急科を担っていましたので、専門分野でいうなら消化器外科ですかね。

しかしここは大学病院ではないため、今は内科外科全般を診ています。ほかの勤務医の先生に循環器などをお願いするなどして、幅広く対応できるようにしています。私は訪問診療でクリニックを空けることも多く、そういったときは私と同じ内科を診ている先生にクリニックを任せています。

患者さんへの説明や接し方などで気をつけていることはありますか?
患者さんと同じ目線で話すようにしています訪問診療だとお年寄りが中心ですから、なるべく患者さんと同じ目線で話すようにしています。それに「患者さんに対して怒らない」と決めています。患者さんに対し、怒ることで話を進めるのではなく、理解し合えるまで話し合いたいと思っています。

理解し合えないときは、まずその方の話をもう一度よく聞く。どんなことも、ちょっとした掛け違いで合わないことが多いので、それがどこにあるかを探るのが大事だと思っています。

それに、患者さんと医師に上下関係はないと思っています。医師も患者さんも同じ人間で、医師はあくまで患者さんの「治りたい」という気持ちを後押しするだけ。だからこそ「お医者様」なんて関係にはなりたくありません。

先生のポリシーは「居者」とのことですが、詳しく教えてください
常に患者さんの側にいて心を和ませてあげる医者となり、何科に進むのか進路を決める際「大変なところにいきたい」「患者さんの側に寄り添っていたい」と思っていました。そういった理由で外科に進み、そこで、患者さんが術後回復するまでや、残念ながら亡くなられた方をたくさん目にしました。

東京女子医大第二外科では「医者というのは、治療だけでなく、常に患者さんの側にいて心を和ませてあげる者だ」という「居者」の教えをいただきました。我々第二外科の医局員は、常にそれを心に留めて診療にあたっていました。それが今の在宅訪問診療につながっています。

救急外来から在宅訪問診療に至った経緯をもう少し詳しくお聞かせください
患者さんと同じ目線で話すようにしています私が外科に進んだのは、病気は手術をすれば治るものだと思っていたからなのです。しかし実際は、手術をしても2~3年経つと再発して、病院に戻ってきてしまうことが多々あるのです。

そして最期を病院のベッドで過ごすという患者さんをたくさん目にしました。そんなときに「最期くらい病院のような殺風景な場所ではなく、自分の家で過ごさせてあげたい」と思いました。

家に帰れない原因が何かを考えたら「看護師さんやドクターがそこには居ない」ということ。そう思ったときに「じゃあ私が側に行こう」と思ったのが始まりでした。

外科手術というのは、定型的なことを理解した上で実際に執刀経験を積む必要があります。私が大学に残ることで後輩たちの手術件数が減ってしまうのであれば、自分は身を引いて後輩たちに症例を回せばよいし、自分は患者さんたちにとって最良の最期をつくるお手伝いをしていこうと思いました。また、このような一般クリニックがそういった「受け皿的な役割」を果たすことで、大学病院や基幹病院が治療をする場所としての機能を発揮すると思っています。

印象深い患者さんとのエピソードはありますか?
開院当初から来てくれていた年配の患者さんがいました。その患者さんが「以前かかりつけだった先生たちは、みんな病気とかで亡くなってしまった。呉先生は大丈夫ですよね?」と言うのです。さすがに私もちょっと不安になり「それはわからないけど頑張りますね」と話しました(笑)。

開院当初から来てくれていた年配の患者さんがいましたずっと通院していたのですが、体の衰えもあり、とうとう通院できなくなってきました。「じゃあ今度は私が診に行くよ」ということで訪問診療になり、最終的には自宅で看取ってあげることができました。「先生の顔を見るだけで元気が出ます」と言ってくれたのが印象的でした。

訪問診療では、多くの場合自宅で初顔合わせをします。医療情報は前もっていただいていますが「どんな患者さんなのだろう」「性格は合うのだろうか?」など、ちょっと不安がよぎります。しかしそれは患者さんの方も同じで「どんな医者が来るのだろうか?」と不安でいっぱいだと思います。そういったところは、通院中の患者さんに「通えるうちは通ってね。通えなくなってもちゃんと診に行ってあげるから大丈夫だよ。」と言ってあげられるので、患者さんも安心して通えると思います。一般外来と訪問診療の両方行っている強みだと思っています。

訪問診療では患者さんの最期を看取る機会も多いのではないでしょうか?
もちろんそういった機会も多いです。最期が近くなると、患者さん本人だけでなく、家族の覚悟も必要となってきます。そのため、訪問するご家庭では家族の方との関係性も重視していて「いざというときにはまず私に連絡をください」と言っています。

あるご家族は、自宅で容体が急変したとき、最初に救急車を呼んだそうです。しかし救急車は、受け入れ先の病院が決まらないと発車できません。そのときに私のところへ連絡がきました。

受付診察室前

私は「その方はもう末期がんの患者さんで、どこの病院へ行っても助かる見込みはないのです。知らない病院へ運ばれて体中に管を入れるような最期なら、自宅で看取ってあげましょう。」と伝え、救急車から下ろしたことがありました。患者さんご本人は「いつでも覚悟はできている」と仰っていたこともあり、予めご家族とそういった話はしていましたが、やはりいざとなるとパニックになってしまうものです。「患者さん本人にとって良き最期」をつくるのも、ご家族の協力なしにはできないと感じています。

医師でよかったと思う経験を教えてください
患者さんが元気になって帰っていったときですねやはり、患者さんが元気になって帰っていったときですね。昔、胃がんの手術をした患者さんがいました。がんがリンパ節にも転移して状況はかなり悪かったのですが、私がその患者さんを執刀して回復し、退院していきました。

周りの医師にも「再発する可能性が高い」と言われており、かなり心配でした。その後10年ほど経って、別の病院でその患者さんと偶然再会したのです。正直最初は「お化けかな?」って思い、足を見てしまいましたよ(笑)。

話を聞いたところ、再発することもなく元気に過ごされていたそうで、すでに90代後半ですが、今でも外来へいらっしゃっています。その方がここまで回復されたのも、私の手術の腕ではなく、その人の「生きたい気持ち」だと思います。私はその生きたいという気持ちを後押ししただけですから。

一般クリニックは、大学病院がうまく回るための受け皿となること今後の一次医療、二次医療に必要だと思うことを教えてください
私たち一般クリニックは、大学病院がうまく回るための受け皿となることが大切だと思います。「どんな患者さんでも診ますよ」というスタンスが大事。そうすることで、患者さんは大学病院を退院しても地域の医師に頼ることができます。

また大学病院も、クリニックがそういうスタンスだと患者さんをお願いしやすくなり、医療が円滑に回るのではないかと感じます。訪問診療をしていることを話すと「大変だろう」と言われることもしばしばあります。しかし、どの医師も「患者さんのためになることをしたい」というベースの考えは変わらないと信じています。

院長プロフィール呉兆礼院長<経歴>
1989年 東京女子医科大学 第二外科 入局

1990年 中山記念胃腸科病院
       (現:八王子消化器病院)

1992年 伊勢崎佐波医師会病院

1994年 中野江古田病院

1996年 大分市医師会立アルメイダ病院

1999年 朝霞台中央総合病院

2004年 藤代病院

2004年 牛久愛和総合病院

2005年 中野サンブライトクリニック

2012年 くれクリニック開業

<所属学会・認定医>
日本外科学会認定医・専門医
日本消化器外科学会認定医
日本ヘリコバクター学会認定医
日本医師会認定産業医
日本消化器内視鏡学会
日本腹部救急医学会
日本高血圧学会
日本在宅医療学会
東京女子医科大学 第二外科 非常勤講師

くれクリニック アクセスマップ

住所 東京都新宿区北新宿2-21-1 新宿フロントタワー3F
電話番号 03-6279-2893
アクセス 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」より徒歩4分
東京メトロ丸ノ内線「中野坂上駅」より徒歩8分
都営大江戸線「西新宿五丁目駅」より徒歩10分
都営大江戸線「都庁前駅」より徒歩14分
診療科目 内科・外科・消化器内科・循環器内科・在宅訪問診療
診療時間 9:00~12:30/15:00~18:00
休診日 土曜午後、日曜、祝祭日

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等々力脳神経外科 八塚 如院長 (尾山台) インタビュー

患者さんの89日を支えたい「脳外科医」から「町のお医者」へ 等々力脳神経外科 八塚如院長
国立市から移転して新規開院したという「等々力脳神経外科」。院内はウッドテイストで、温もりを感じる落ち着いた雰囲気。八塚先生は穏やかな口調で親しみやすいが、過去には脳外科医として数多くの手術を執刀した、医師歴も長いベテランドクターだ。この地では「脳外科医としてのこだわり」を捨て「いつまでも町のお医者でありたい」という想いで診療にあたっている。

「基幹病院は担当医の診療が3か月に一度だから、あとの89日を診る医者になりたい」というポリシーを持つ先生に、今の診療スタンスに至るまでの経緯や理想の医師像など、たっぷりお話を伺った。

八塚 如院長インタビュー父が医者だったというのが大きな理由ドクターを目指した経緯を教えてください
私の家系は、祖父、父、兄と三代続く医者。祖父は眼科医、父は開業の外科医、兄は大学病院で小児外科の教授をしていました。当時は「医者の家系で育ったら医者になる」という選択肢しかなく、私は「医者になるんだ」と自然に思っていました。

開業するに至ったきっかけはどういうことだったのでしょうか?
私が勤務していた最終病院は手術率が高くなく、救急車で運ばれてきても9割は手術を必要としない患者さんでした。手術が必要ない方は、リハビリのために継続して通院したり、紹介元の病院に戻ったりします。経過観察ですと、2週間から1か月に一度の頻度で来院されます。
手術を必要としない患者さんも含めて、部長外来に来られる患者さんの多くは今後の予後のお話をしに来る方たちでした。このような患者さんたちをしっかり支えてあげたいと思い、外来診療専門である開業に踏み切りました。

どのようなスタンスで診療を行っているのですか?
患者さんのお話をきちんと聞きます患者さんのお話をきちんと聞き「心配な部分は経過をみるから安心していいよ」というスタンスで診療しています。

私は、いつまでも町のお医者でありたい。患者さんが自分の病気を容認し「治療を要するか」「予防を要するか」「経過観察でよいか」を選別するのが私の役目だと思っています。

当院に来る方は手術が目的ではなく「危険な病気なのか、病気ではないのか」その判断を目的に来院されます。今まで培ってきた経験と技術力で診断し、CT検査などで少しでも疑いがある場合は速やかに専門的な病院へ紹介しています。

話を聞いてもらうだけで安心する場合も多いですよね?
そうですね。しびれやめまいなどで不安を感じて来院される方もいますが、異常がなく安心して帰る方がほとんどです。ただ私たち町医者の使命は、安心させることではなく「病気かどうか」「どういう経過観察をしていくか」を選別することだと思います。

国立市のメディカルモールにいた頃は「私は脳外科医だ」という「殿様外来」をやっていたようです。それを振り払うために、この地に新たに開業したわけです。だからここでは、風邪や水虫、捻挫など、頭のてっぺんから足の爪先まで幅広く診ています。

安心して帰る方がほとんどですどのような患者さんが多いのでしょうか?
お子さんは、頭をぶつけて来院する方がほとんどです。高齢の方は、脳卒中などを経験された「脳血管障害がある方」が多いですね。一度脳卒中となった方はリスクを持っていますから「再発がないか」「リスクが増えていないか」「日常生活動作が低下していないか」などを定期的に診ています。

必要に応じて「自宅でできる慢性期のリハビリテーション」をここで一緒に行い「家でも行ってください」と指導しています。リハビリテーション病院では発症後3か月~半年位までは治療を行いますが、慢性期の1年を過ぎると、悪化しない限り治療をしません。そのため当院では、脳卒中で倒れた方の1年後のケアをできるようにして、これ以上、日常生活動作が悪化しないようにリハビリテーションの指導を行っています。(維持期あるいは慢性期のリハビリテーションといいます。)

患者さんは近隣の方がほとんどですが、以前開業していた国立市のメディカルモール時代の患者さんも何人かいらっしゃいます。長いもので、もう15年くらいの付き合いになりますね。

お子さんからご高齢の方まで幅広い年代の方が来院するんですね
幅広い年代の方が来院されますはい。ただ、1人で来院する患者さんより、家族同伴で来院される患者さんの方が深刻な症状だと思います。たとえば、1人で来院して「物忘れがする」と言う方と、家族が同伴して「物忘れをする」という患者さんでは、症状の重さがまったく異なります。

お子さんは、もちろん家族同伴で来る方がほとんどです。お子さんの診療となると、お子さんだけでなく、親御さんも同じくらいガチガチに緊張しています。話を聞いていくうちに徐々に緊張がとけて本人が走り回り、それを見た親御さんもホッとして帰宅されます。お子さん1人でも、2人分診察しているような感じですね(笑)。

お子さんは「頭をぶつけてコブができた」という理由での来院が多いですが、検査が必要ないケースがほとんどです。万が一のことを考え、受診日の夜に「体調はいかがですか?明日また来てくださいね」と電話をしています。そうすると、お母さんも、何より私も安心します。

あのときは大変だったな、という経験はありますか?
若い頃は下っ端として手術や診療の助手しかできませんでした脳外科医として手術をしていた頃は「脳外科医としての苦労」しかありませんでした。若い頃は下っ端として手術や診療の助手しかできませんでした。チーフの立場になると「後輩を育てなければならない」と同時に「自分も伸びなければならない」ため、責任が大きく、つらいこともたくさんありました。

脳外科の手術をしていた頃は「手術がうまくいった/いかない」という視点が主体で、患者さん本人との情報共有は希薄でした。まさに、脳外科医は客観的立場にいなくてはならないのです。術後の経過で心配事があっても、患者さんに電話をするのではなく、病棟に電話をして状況を確認するのが普通でした。

開業してからは患者さんやご家族とお話しする時間ができて、家庭環境などのさまざまな情報を共有できるようになり、患者さんとの距離や付き合い方が大きく変わりました。医者としてのエネルギーの使い方がまったく違いますね。

国立市から世田谷に移転した経緯をお聞かせください
数年前までは自分のことを「脳外科専門医」と言っていました。国立市のメディカルモールにいたとき、患者さんが「眼医者に行った」「歯医者に行った」「医者に行った」と言うのを聞き、私はこの「医者」という言葉に違和感を覚え、少し嫌な気持ちがありました。しかし、世田谷に移転してからはそのこだわりがなくなり、自分のことを「お医者」と言えるようになりました。

前までは「脳外科専門医」という変なプライドがありましたが、今は「町のお医者」という言葉がしっくりくる気がします。あと15年くらいは診療を続けていきたいですから、それでも患者さんが来てくれるクリニックでありたいと思います。

診察室受付


「お医者」という考えに至ったきっかけはどのようなことだったのでしょうか?
国立市で開業したときから「お医者」という気持ちはありました。しかし、当時は脳外科クリニックが少なく、希少だからと大切にされた為かなかなか「お医者」と言うことができなかったんです。往診や患者さんへの時間外の電話も「家が遠いから」などの理由をつけて行っていませんでした。

そういう「殿様診療ではいけない」と思い、心機一転、職住接近のこの地に移転しました。ここでは、心配な患者さんには個人の電話番号を渡し「夜中でも連絡していいよ、往診もするからね」と伝えています。些細なことでも、安心してもらえるのであれば続けていきたいと思います。

診療面で気をつけていることはありますか?
「一人ひとりに合った治療をする」こと「一人ひとりに合った治療をする」こと。予防や治療には、統計学的に「この薬をこの量だけ飲めば、こういう結果を得られる」というエビデンスが示されています。

しかし、リスクや家庭環境は一人ひとり違うため、一律に「この薬を使う」という治療ではなく、その人に合ったオーダーメイドの治療をしています。

たとえば物忘れの患者さん。全員に同じ薬を処方するのではなく「リハビリがよい」「孤立させない方がよい」などの色々な方法を考えます。あとは「話をしに来てね」「遊びに来てね」と、その方の家庭環境からどの治療が一番よいかを考えて治療を行っています。副作用も多いので、処方する薬もまずは私自身で試しています。

担当医の診療が3か月に一度ですから、あとの89日を診る医者になりたい先生の思い描く理想の医師像をお聞かせください
基幹病院は担当医の診療が3か月に一度ですから、あとの89日を診る医者になりたいと思います。手術が必要ないと診断されても、心配事はあるはずです。その方たちを安心させてあげたい。私も脳外科医ですから、来院していただければアドバイスをします。

また「往診」よりも、高齢者の「看取り」をしてあげたいと考えています。私が元気であれば、まだまだ診療をしたい。77歳になって患者さんを看取りながらそのお宅で自分も死んでいく、が理想ですね(笑)。

余談ですが、開業されている40~60代の先生は、専門性が高い方が多いです。内視鏡の技術も驚くほど高い先生がたくさんいらっしゃいます。町医者も捨てたもんじゃないと思いますよ(笑)。

院長プロフィール八塚如院長<経歴>
1978年 東京慈恵会医科大学卒業

1999年 国立市でやつづか脳・神経クリニック開設

2005年 医療法人社団如心会設立

2013年 やつづか脳・神経クリニック閉院

2013年 医療法人社団如心会移転

2013年 等々力脳神経外科開院

<資格>
医学博士
医療法人社団如心会理事長
日本脳神経外科学会専門医

等々力脳神経外科 アクセスマップ

住所 東京都世田谷区等々力4-9-3-101
電話番号 03-6432-2332
アクセス 東急大井町線 尾山台駅から徒歩2分
診療科目 脳神経外科・循環器科・神経内科・リハビリテーション
診療時間 9:00~12:30/14:00~17:30
休診日 火曜、土曜午後、日曜、祝祭日
主力検査機器 マルチスライスCT機器、超音波検査機器

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碑文谷クリニック 永野 修院長 (学芸大学) インタビュー

「痛みの専門家に聞く痛みと上手に付き合う方法とは」 碑文谷クリニック 永野 修院長
1986年の開業以来、痛みの専門家(ペインクリニック)として地域の患者さんを支える碑文谷クリニック。やさしい口調で「治りたい気持ちを後押しするのが仕事」と語る永野院長は、笑顔が印象的な先生だ。

頭より足の先までのどこにでも生じるさまざまな痛みに、時として長期間にわたり悩まされ、どうしても痛みがとれない人は、「痛みと上手に付き合っていく」という考え方を持つことも必要だと先生は言う。そのためにはどうすればよいのか。具体的な治療法、それを裏打ちする永野先生の診療理念など、多くのお話を伺った。

永野 修院長インタビュー地域医療ですので、移転をするということは考えたことがありません。昭和61年に開設とのことですが、移転もなくずっとこの場所で診療しているのですか?また、なぜこの地を選んだのでしょうか?
あくまで「地域医療」ですので、移転をするということは考えたことがありません。自分を頼りにしてくれた患者さんをしっかり診ていくという責務もあるためです。この地に開業を決めた理由は、この近くの目黒本町に長く住んで病院勤務をいたこともあり、住み慣れた目黒区に住宅と開業の地を探していたことです。また、私の田舎は土佐の高知なので、羽田からのアクセスがよい土地柄ということも物件を選ぶ条件の1つでした。

当院は職住一体の物件で、建設時に高度制限や諸々の問題があって診療所を半地下にせざるを得ませんでした。お年寄りの患者さんにはバリアフリーの点からは問題がありますが、半地下という居住空間は、夏は涼しく冬は温かいので、意外と便利な面もありますよ。冬には、2階の自宅にいるより診療所にいたほうが温かいぐらいです(笑)。

どのような患者さんが多いのでしょうか?
開業した当初は「ペインクリニック」という診療科が珍しかったこともあり、近隣以外からも多くの患者さんが来院されました。しかし最近では、ペインクリニックも浸透し開業医も増えたこともあり、近隣の患者さんが主たる治療対象になっています。そういった方々には、腰が痛い、膝が痛いなど経過の長い慢性的な痛みを抱えている患者さんが多いですね。

貴院で行っている「神経ブロック療法」とはどういったものなのでしょうか?
簡単に言えば、痛みの原因となっている部位からその痛みを認識する脳までの伝達回路をどこかで遮断(ブロック)することです。「痛み」というのは、人間にとって体の異常を知らせる重要な情報です。そのため、痛みの原因を探さず、安易に痛みのみを取り去ってはいけません。しかし、膝や腰の骨が変形することで出てくる痛みなどは、体にとってはいつまでも必要な情報とはいえず、日常生活に支障のないように取り除くことが必要です。この不必要な痛みをどうやって軽減させることができるかが問題です。

神経ブロック療法とは痛みに対処する方法は、西洋医学的な手法から、東洋医学的な漢方や鍼灸、また代替療法としての指圧・整体・カイロプラクティックなどと様々な治療方法があります。我々ペインクリニック外来で行うのは、「神経ブロック」を主体とした様々な治療を行いますが、作用機序の異なる種々の薬を使った薬物療法なども行います。

よく「"局所麻酔"と"神経ブロック療法"は何が違うのか」という疑問をお持ちの方がいらっしゃいますが、やることは同じと言えば同じです。手術や検査に伴う痛みに対応するのが麻酔行為であり、痛みの治療に対応する行為を神経ブロック療法だと思ってください。どちらも一時的に痛みを感じなくする点では同じです。

痛みの不思議なところは、一時的にでも痛みをなくしてしまうと、局所麻酔薬の効果が無くなった時点で痛みを感じたとしても、もともと感じていた10の痛みが6や5の痛みに変わっています。それを繰り返していくことで痛みが軽減していくのです。神経ブロックには、局所麻酔薬を使う方法のほかにも、神経破壊薬と言われるアルコールなどを使ったり、熱や高周波といった物理的な刺激を加えて神経を遮断したりすることもありますが、このような手段を取るときには患者さんに十分説明をして治療がなされます。

なぜペインクリニックを専門にしたのか、また、開業を決意した経緯を教えてください
麻酔科の仕事には、手術時に行う麻酔、重症患者のICU(集中治療室)での管理、心肺蘇生術、痛みの外来(ペインクリニック)などがあります。麻酔管理は、外科医が手術を行う際に依頼されて行うものです。全身麻酔管理を病院と契約して開業している方もいますが、麻酔科医が開業しようとすれば、痛みの外来治療(ペインクリニック)を行うことが一般的です。

私は大学付属病院に麻酔科医として勤務していましたが、医局員は時には関連病院へ数年間出向ということがあります。組織の中ではそれを拒否することもできませんし、立場が上にいくにしたがって次のステップを考えるようになります。自分のやりたいことを続けるには開業しかないと思い開業医になる道を選択しました。

家業して医院も間もなく30年近くとなり、私自身もこの先のことを考えなければならなくなりました。開業当初のようにバリバリと診療するのがつらいときもあり、診療時間や診療スタイルなどを変える時期に来ているのではないかと思っているところです。

家業して医院も間もなく30年近く

先生のお子さんもドクターとのことですが、承継はされないのでしょうか?
それも思案中の問題の1つです。息子は消化器内科を専門としていますが、この大都会のクリニックが乱立する中で、特殊性のない科で開業するのはいかがなものかとも思ったりもしています。

院内写真認定証

医師数は増えていますが、本当の過疎地や諸島地域では未だに医師不足だというのが現状です。自治医大は、医師免許取得後に各地域へ行くことを条件に、学費を優遇するなどの取り組みを行っているようです。研修が終わった若手ドクターを医師不足の地域で迎え入れる、もしくは年輩の医師が、医師不足の地域で診療ができるように優遇するなどの施策があっても良いのではないかと思ったりしています。

アトピー性疾患もペインクリニックの対象疾患となるのでしょうか?
アトピー性疾患は、ある段階になると自律神経のバランスが崩れていることが多く認められる病気には、しこりや潰瘍ができるといったように「体の組織に器質的異常をきたす病気」と「体の機能的な働きに異常をきたす病気」の2種類があります。体の機能的な面は自律神経系がバランスをとっています。アトピー性疾患は、ある段階になると自律神経のバランスが崩れていることが多く認められ、ペインクリニックを受診されることがあります。

我々は、星状神経節ブロックという治療を試みます。これは、首にある交感神経節に局所麻酔を打ち、交感神経の緊張を緩めることにより、身体全体の血流を改善することで自然治癒力を高めるという手法です。

アトピ―性疾患に自律神経機能が大きく関与していることに間違いはありませんので、主たるアレルギーの原因を探りながらの対応となります。皮膚科的治療で改善しない方などは「星状神経節ブロック」という手法もあることを知っていただきたいと思います。

先生からのお言葉に「医学的処置と併せて"自分の力で治してみせる"という意気込みが大事」とありますが、そういったアドバイスなどにも注力しているということでしょうか?
基本的に我々は、患者さんの"治りたい気持ち" を後押しするのが仕事です。そのためには患者さん自身の協力も必要です。たとえば、タバコを吸うと血管が収縮し血液の流れが悪くなり、症状の回復の妨げになりますので、禁煙指導もします。膝の痛みを訴える方で肥満体型であれば、減量の話をしたり運動を促したりと、日々の生活から改善していくアドバイスをするのも私の仕事だと思っています。

日々の生活から改善していくアドバイスをするのも私の仕事だと思っています

また、腰痛の治療には、神経ブロック以外にもたくさんの治療法がありますが、私のメインは神経ブロック療法ですから、基本的にはそれに同意いただけるようしっかり話し合います。生活指導や運動療法から始まり、薬物療法や理学療法にもチャレンジしてみる。それでも改善しないケースでは、各種手術療法の特徴なども説明します。それらをとおして、我々医療側にできることと、患者さん自身にできることを明確にします。治療手段の選択には段階があり、今の自分に合った治療を選択することが大切です。最良と考えられる治療に出会えるように「一緒にコツコツと頑張りましょう」とお伝えしています。

そうなると1人の患者さんと長期にわたってお付き合いされるのでしょうか?
そうですね。風邪などの急性的な病気は別として、基本的に「病気は治らないもの」だと私は思っています。糖尿病をはじめとする生活習慣病などはよい例で、油断をすればすぐにでも悪くなります。また、腰痛やヘルニアの患者さんも、治療して一時的にはよくなっても何かの拍子に再発する可能性は高く、いわゆる腰に爆弾を抱えているようなものです。生活習慣を正しく保ち日々の運動を欠かさずになさることが、爆発を未然に防ぐ唯一の手段です。

医師をしていてよかったと思う経験はありますか?
時折、手紙をくださる患者さんやお礼を言いにわざわざ来てくれる方がいます患者さんの痛みが、治療によって軽減し「楽になりました」と言って帰られるときです。あとは、患者さんが「あのときはありがとうございました」と顔を見せに来てくれたときでしょうか。普通は、元気になったらその病院に行くことはないですよね?それでも時折、手紙をくださる患者さんやお礼を言いにわざわざ来てくれる方がいます。

我々医者を含め、「先生」と呼ばれる職業に携わっている方々は、何か後ろ髪を引かれる想いをいつもしているのではないでしょうか。学校の先生は、生徒が卒業後にどうなったのかが気になりますよね。弁護士も、自分が担当した人は幸せになったのかと気になっているはずです。我々医者は、自分が行った処置・対応を「あれでよかったのであろうか」、「あの患者さんは元気になったのだろうか」とかいつも思いながら毎日を過ごしているものです。ですから、元気なったという報告や、時には顔を見せてくれてくださることが我々への最高のプレゼントです(笑)。

今後の展望などをお聞かせください
私も70歳を越えましたが、地域の町医者としてもう少しやってみようとは思っています。当院では患者さんを「〇〇様」と呼ばないようにしています。それは、患者様でもお医者様でもなく、患者さんとお医者さんの関係が好ましいと思っているからです。医師と患者には上下関係はなく、フラットな関係だからこそ話せることもあるのではないかと思っています。

そのため、今では白衣も着ないようにしています。白衣を見ると、どうしても緊張してしまうものですからね。もちろん白衣を着て「凛とした姿がよい」とされる場合もありますが、こういったフレンドリーな医師がいてもよいと思うのですが。これからも、このスタイルで診療していこうと思っています。

院長プロフィール永野 修院長<経歴・資格>
東京慈恵会医科大学卒業
ペインクリニック認定医
(元)麻酔専門医
日医認定産業医

<学位論文>
「各種静脈麻酔薬の肺循環に及ぼす臨床的検討」 昭和56年12月28日

碑文谷クリニック 基本情報

住所 目黒区碑文谷6-8-20
電話番号 03-3715-6633
診療科目 ペインクリニック(麻酔科)・内科
診療時間 9:30~12:30/16:00~19:00
休診日 木曜、土曜午後、日曜、祝祭日
アクセス 学芸大学駅より徒歩4分

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佐々木歯科医院 佐々木 高憲院長 (渋谷) インタビュー

「40年以上のキャリアを持つ。国内外で活躍する歯内療法のスペシャリスト」佐々木歯科医院 佐々木 高憲 院長

日本有数の大都市渋谷の地で、30年以上地域の患者さんを支える佐々木歯科医院の佐々木先生。歯内療法のスペシャリストとして「歯を残す治療」を念頭に、患者さんと真摯に向き合い、歯科用CTや顕微鏡などの最新機器を用いて治療にあたっている。

近隣以外からも長年通う患者さんが多いそうだが、きっと、佐々木先生のベテランならではのていねいな口調と優しい笑顔、そして確かな技術に信頼を寄せているのだと強く感じた。歯科治療の根本となる「歯を残す治療(歯内療法)」に専念することとなったキッカケや、長年の経験があるからこそわかる歯科医院選びのポイントなど、さまざまなことをお伺いした。

佐々木 高憲院長インタビュー歯内療法とは?歯内療法学会発足時の会員で指導医の資格もお持ちとのことですが、歯内療法とはどういった治療なのでしょうか?
狭い意味では「根管治療」といって、歯の根っこの治療です。神経を抜いたり、虫歯が再発しないように根をキレイにしたりする治療です。

広い意味で言えば「神経を残す治療」も含まれます。虫歯が進行しないように処置をしますが、その際むやみに神経を取ったり歯を抜いたりはせず、可能な限り神経を残すことを目指しているのも歯内療法です。神経を取ると痛みを感じなくなりますが、歯の寿命は短くなります。

歯内療法を専門としたキッカケを教えてください
ちょうど私が大学を卒業した頃、陶材焼付鋳造冠(PFM)と呼ばれる被せ物が広まりました。もちろん被せ物自体はよいものだと思います。しかし、どんなによい被せ物をしても、その土台となる歯の治療をしっかりしなければあとでトラブルが出てきます。そう考えるようになり、歯内療法の重要性を感じました。

歯内療法を専門としたキッカケ当時は「歯内療法学会」というものもなく、大谷満先生が立ち上げた大谷歯内療法研究会の初期のメンバーとして加わり、研究を続けていました。今ではその研究会も「日本歯内療法学会」となり、会員も2,000人以上。歯内療法という考え方も浸透してきたように感じます。

日本では歯内療法を保険で行う先生が大半ですが、アメリカではほとんどが自費です。日本の保険では、1本の歯を「残す」ことに対する保険点数が低い代わりに、高額な被せ物がたくさんあります。歯を残す処置をしっかりと施した上で、被せ物をつけるための値段設定だと思ってください。一方アメリカでは、1本の歯を「残す」ことに対する費用は高額です。そのため、残す処置をするのとインプラントにするのも値段が変わらない場合が多く、すぐに抜いてしまうことがあります。

日本でも各ドクターの得意分野によって見解や処置の仕方は異なります。しかし「残せる歯を抜いてインプラントにする」という症例を目にすると、歯内療法の視点から見て「残念だなぁ」と思うこともあります。

賞状が飾ってありますが、先生は海外でも活動されているんですね
海外でも活動これでも一応、米国歯内療法学会の正会員なんです。何度かアメリカに足を運んで勉強しています。あとは日曜など、講習会や勉強会によく行っています。ただ私も歳なので、1週間のちょうど真ん中の水曜日に休みをとっています(笑)。

1日に診療する患者さんは少ないとのことですが、どのような患者さんが来られますか?
海突然いらっしゃる新しい患者さんはお断りしているんです今は1日に14~15人くらいです。残念ながら手いっぱいで「ネットを見て」とか突然いらっしゃる新しい患者さんはお断りしているんです。患者さんからの紹介や、ほかのドクターからの紹介で来る患者さんを診ている形です。

この近隣からいらっしゃる患者さんはほとんどいませんが、以前、医院を構えていた池尻大橋から通ってくれる患者さんが比較的多いです。電車が開通してから便利になって、患者さんも助かると言っていました。

最近では、少し離れたところに引っ越しても通ってくれたり、そのまた子どもが通ってくれたりなど、段々と範囲が広がってきています。あまりに遠方の患者さんは、通院の負担を少なくするため、お住まいの近くで信頼のおける先生を紹介しています。

池尻大橋から渋谷に移転した理由は何だったのでしょうか?
以前は、東京オリンピックのときにできたビルに入っていました。しかし突貫工事だったのか、診療中にビルが揺れるんです。患者さんには「先生、揺れていない?地震!?」なんて言われることもよくありました(笑)。

診療室も北向きで陽が射さないため「どこかないかなぁ」と探していました。そんなときにここの情報を聞いて、移転してきました。昔は、駅から道玄坂を登る必要がありましたが、最近ではマークシティが近くにできて駅に直結しているため、非常に便利になり助かっています。

長年続けてきた中で、先生のポリシーや気をつけていることを教えてください
得意な歯内療法でできる限り神経を残す、そして根管治療で歯を残すことだけ考えてやってきただけです。

あるとき、他院で「抜かなきゃだめ」と言われた患者さんを診たことがありました。ところが、指摘された歯はどう見ても「まったく問題のない歯」。もちろん患者さんにはありのままを伝えました。結果的に患者さんは大切な自分の歯を抜かずに済み、その後何年も無事に過ごされています。

私が特に何かをしたわけではありませんが「歯を残す」ことを念頭に置いて診療していますから、患者さんにとっては大きなプラスとなったのではないでしょうか。

佐々木歯科医院院内

長年歯科医師として現場に立っていて、つらい経験はありましたか?
正直、毎日つらいですねぇ(笑)。強いて言えば、自分の理想の治療に到達できないことです。長年現場に立ち、完璧を追い求めて診療してきても「まだまだ到達できない」と感じます。だからこそ、自分をある程度知る必要があると思っています。自分の不得意な分野は得意な先生に協力を仰ぐことが重要で、すべてを1人でやろうとしないこと。無医村など、ほかのドクターがいないところでは頼れませんので、そういったところで診療している先生は本当に尊敬します。協力を仰げるのであれば、ほかのドクターに協力してもらうべきだと私は思います。

患者さんがドクター同士の協力体制や連携体制の有無を見分けるのは難しいと思いますが、どうすればわかるのでしょうか?
学会に所属していること確かにそれは難しいところですね。目安の1つは、学会に所属していること。所属していれば、その学会内でドクター同士の紹介や協力を仰ぐことはある程度可能なはずです。

ほかの目安として、そのドクターが学会で活躍しているかを見るとよいかもしれません。大抵の学会は、お金を払えばどの歯科医師も会員になることができます。会費だけ払って学会には参加しないという先生もたくさんいますので、そうした先生の協力体制は希薄でしょう。

学会内で何かの役職に就いている、専門医であるなど、その学会の中でしっかりと取り組んでいる先生を選ぶと、協力体制を期待しやすいかもしれません。

先生が思う、よいクリニック選びのポイントを教えてください
ドクター同士の協力体制も必要ですが、虫歯にならない予防方法についても教えてくれる先生がよいでしょう。どんなによい治療をしても、患者さん自身がお口の中を管理できなければ意味がありません。その重要性をしっかりと説明してくれて、それに納得できる医院に通うのがよいと思います。

あとは、自分の年齢よりも少し若いドクターを主治医とすることをオススメします。自分より先に医院が閉まってしまうと大変ですからね(笑)。

院長プロフィール佐々木 高憲院長<経歴>
1972年 東京歯科大学卒業
1972年 江東区田村歯科医院勤務
1976年 世田谷区で佐々木歯科医院開院
1981年 渋谷区に佐々木歯科医院移転

<所属学会・資格>
歯学博士
米国歯内療法学会正会員No.3884
日本歯内療法学会認定指導医N0.12
関東歯内療法学会理事
日本顎咬合学会認定医
国際歯科学士会日本部会会員
日本口腔インプラント学会会員

佐々木歯科医院 基本情報

住所 東京都渋谷区道玄坂2-11-3
電話番号 03-3496-2688
診療科目 一般歯科、審美歯科、歯内療法
診療時間 9:00~13:00/14:00~18:00
休診日 水曜、日曜、祝祭日
アクセス マークシティ 道玄坂上出口より目の前

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山本英博クリニック 山本 英博院長 (渋谷) インタビュー

「多汗症治療の第一人者。代償性発汗治療にかける想い」山本英博クリニック 山本 英博院長

手汗や多汗症の専門外来として多くの患者さんの治療に携わり、症例数は10,000件を超えるという山本先生。全国でも数少ない「代償性発汗治療」のスペシャリストでもあり、患者さんへ向けた教室も開催している。

研究開始当時は「異端」として冷たい眼差しを受けながらもなぜ研究を続けたのか。「代償性発汗の治療は、患者さんにとって"最後に掴む藁"なんです。私がここで投げ出したら、患者さんの最後の希望を断ち切ることになってしまいます。」そう語る山本先生。患者さんと真摯に向き合う姿勢とユーモア溢れるトークが印象的な山本先生から、多汗症治療開始の経緯と治療にかける想いなど、たっぷりとお話を伺った。

山本 英博院長インタビュー「多汗症」とは具体的にどういったものですか?
多汗症まず多汗症の特徴として、季節に関わらず冬でも症状がみられること。緊張や精神性刺激に左右されるもので、単に発汗量が多いだけではありません。発汗するときとしないときの差が大きいのです。

また多汗症は、幼少期から症状が出始めます。というのも、本来備わっている発汗機能の問題で、大人になってから発症するというものではありません。

もともと呼吸器外科とのことですが、なぜ多汗症治療の分野に進んだのでしょうか?
1985年に呼吸器外科の教室に入っていたとき、多汗症治療というのはありませんでした。日本では1996年から多汗症治療が保険適用となり、大学病院で多汗症治療を始めると、今まで悩みを抱えていた患者さんがたくさんいらしたのを覚えています。

多汗症治療は内視鏡を使った治療法なのですが、大きな病院以外で内視鏡の治療をしているところはありませんでした。私のいた大学で多汗症の内視鏡治療にあたっていたのは、私一人ぐらいでした。当初、多汗症治療を含め内視鏡治療は「最新」というより「異端」という扱いでしたから、みんなの眼差しが冷たかったのを覚えていますよ(笑)。

呼吸器外科1998年に2mmの切開1か所で手術が可能となった(右写真)のをきっかけに、多汗症治療の患者さんが増えてきました。当初、私は肺がんの手術も受け持っていましたが、最終的には肺がん治療の患者数を追い抜き、初期の頃の10倍くらいの患者数となりました。

ただ、症例数が増えていくと副作用も出てきます。治療箇所とは別の部位から多量の発汗をする「代償性発汗」というものが、3~8%ぐらいの患者さんに見られるようになりました。

すべての患者さんをハッピーにしようと手術に臨み、最善を尽くしてもそれによって副作用が出てきてしまう。理想と現実の狭間で、多くのドクターがこの分野から去っていきました。しかし私は、患者さんの一人に「なんとか治療してほしい、先生の活躍に期待している」と声をかけてもらったことがきっかけで「トコトンまで取り組まなければならない」と思いました。しかし、ここでまた新たな壁が立ちはだかりました。

治療成果を数学的に検証するには、相当多数の症例数が必要です。しかし代償性発汗は、100人治療して数人しか発症しない副作用。肺がん治療などとの掛け持ちでは、必然的に症例数が不足します。それならば「多汗症専門でいくしかない」と思い、大阪に医院を構えました。現在は東京の渋谷に医院を構え、症例数も11,000例を超えました。

多汗症専門外来

3~8%の患者さんに発症する代償性発汗は、治療技術に関係なく発症してしまうのでしょうか?
3~8%の患者さんに発症する代償性発汗は、治療技術に関係なく発症してしまうのでしょうか?はい。手術する部位や処置の場所を変えることで、数値に若干の変化が現れます。しかし現代医学では、代償性発汗の発症数はゼロにはならないと思います。というのも、患者さんによって神経回路は異なりますし、代償性発汗の発症する要因がはっきりと解明されていないからです。

とはいえ、鼠径部から上の汗に関しては把握できています。これは私が多くの治療に携わってわかったことですが、教科書の記載に間違いがあるのではないかと感じることもあります。

多汗症治療は、内視鏡手術の中でも容易な手術という分類でした。しかし実際には奥が深く、代償性発汗が発症すれば「治っていないじゃないか」とクレームを受けることもあります。それで、治療をし続けるドクターが減ってしまいました。

代償性発汗しかしここで私まで治療をやめてしまったら、代償性発汗や多汗症に悩む患者さんの願い・期待を断ち切ることとなってしまいます。代償性発汗は悪性疾患ではないため、亡くなることはありません。だからこそ、しっかりと完治するまで向き合い、多汗症治療を投げ出したくないと思っています。

しっかりと向き合い、患者さんと共に試行錯誤することで結果が出てくることもあります。今では患者さんからキツイお言葉をいただいても「先生、頼むよ、もっと頑張ってくれ」という「叱咤激励」だと思えますね。

代償性発汗の治療が可能となってきた背景にはどのようなことがあったのでしょうか?
代償性発汗の治療神経回路は若干異なるためすべての患者さんに100%当てはまるものではありませんが、症例を積み重ねることでだんだんと体全体の回路図もわかってきました。体発汗に関係する交感神経は、200平方センチメートル程度の皮膚の面積をモザイク状に支配しているのではないかというところまで突き詰めてきました。

手術中には、交感神経を順番に刺激して血流量の変化を観察するなど、さまざまなことを行います。多くの先生はここまで行わないと思います。私にとってこの代償性発汗の治療は「患者さんが最後に掴む藁」だと思っています。どんな手術でも空振りは許されません。この治療は特にそうだと思います。そんな思いで、私は治療に臨んでいます。

治療の課題点などはありますか?
「解決した」と言える一定レベルまできたと思いますが「克服した」と言うには難しい側面はあります。それは、すべての人に同様の手術を行えないという点。患者さんによっては、血管と神経が非常に近かったり癒着がみられたりするときは、神経刺激や切除などの処置が困難な場合があります。開胸手術であれば解決できる例もたくさんありますが、大きく切開すると胸壁の運動障害などのデメリットもあり、多汗症治療のメリットがなくなってしまうことが難点です。

現在も皮膚切開は3mm程度のneedle surgeryで行っているため、開胸手術に比べて手術操作の自由度が少ないことが課題と言えます。手術器具の工夫を重ね、開胸手術より優れた内容もありますが、まだ及ばない部分も残っています。

また、代償性発汗に至るまでの経緯が完全には解明されていないという課題もあります。これまでの代償性発汗の手術では、別の交感神経を切除し、その神経を用いて多汗症治療で切断した神経を再建します。しかし、新たに神経を切断したことが有効だったのか、再建したことが有効だったのかは未だに決着していません。また、人によって異なる神経回路を見極めるのは非常に大変です。そのため、患者さんごとに神経回路を把握し、多汗症治療の副作用(代償性発汗)をなくしていくことが今後の課題です。

治療の課題点たくさんの患者さんに協力していただいたからこそ、ここまで解明できてきました。昔は本当に「節度ある医者は、この治療はやめるものだ」と言われていましたよ(笑)。でも「先生、やめないでくれ」って患者さんからも言われましたし...。

女性では、化粧ができないなど、目指す仕事に就きたいのに多汗症が原因で苦労をする患者さんもいらっしゃいました。あるとき「本当は美容系の仕事に就きたいのに、手汗が原因で本当に苦労しているんです」と診察室で涙を流す方がいました。今は着実に解決策も見えてきましたし、この治療に携わってきてよかったと本当に思います。多汗症治療において、より少ない手術侵襲で、よりよい治療成績を目指していきたいと考えています。

院長プロフィール山本英博 院長
<経歴>
1985年 神戸大学医学部卒業
      神戸大学医学部第二外科講座に入局
       姫路循環器病センター・心臓血管外科(研修医)
1986年 新日鉄広畑製作所病院・外科(研修医)
1988年 神戸大学医学部第二外科(医員)
1990年 国立療養所兵庫中央病院・呼吸器外科(医員)
1993年 国立癌センター呼吸器外科研修・学位取得
1994年 国立療養所兵庫中央病院呼吸器外科医長
1995年 神戸大学医学部第二外科講座助手
1998年 日本呼吸器外科学会指導医取得
2000年 Carl -Storz賞(日本内視鏡外科学会賞)
2002年 神戸大学医学部第二外科講座講師
       山本・兼平クリニック 開業(多汗症治療を専門として診療を行う)
2008年 山本英博クリニックに改名

<資格等>
日本呼吸器外科学会評議員・指導医
日本内視鏡外科学会評議員
Needlescopic surgery研究会 世話人
Kobe Endoscopic High Technology Conference 世話人

山本英博クリニック 基本情報

住所 東京都渋谷区道玄坂2-28-4 イモンビル7階
電話番号 03-5459-5062
アクセス JR山手線 渋谷駅より徒歩5分
診療科目 多汗症
診療時間 月・火・土曜10:00~12:00/金曜16:00~18:00(土日は手術日)
休診日 水曜、木曜

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まがり医院 曲 惠介院長 (四谷三丁目) インタビュー

「地域のホームドクターが語る  腰を据えた治療の大切さ」 まがり医院 曲惠介院長
四谷三丁目駅と曙橋駅の両方からアクセスしやすい場所に位置するまがり医院は、開業から15年を越えるアットホームな医院だ。リニューアルしたという院内は、ウッドテイストの落ち着いた雰囲気。患者さんのことを考えた、点滴用のチェアも完備されている。また、院内処方を行っており、わざわざ薬局へ行くことなく薬を受け取れるのも特徴だ。

「しっかりと腰を据えて治療をすることが大事」と語る曲先生は、それだけしっかりと患者さんに向き合い、必要があれば時間外診療も行っているという。まさに『地域のホームドクター』として患者さんを支えている。患者さんに支持され続ける秘訣やアクティブな休日の過ごし方、ジェネリック医薬品についてのお話などを伺った。

曲 惠介院長インタビュー開業してからもうすぐ20年キレイな院内ですね。内装にもこだわりがあったのでしょうか?
開業してからもうすぐ20年ですが、数年前に院内をリニューアルしました。リニューアル前の待合室は今の1/3程度ととても狭く、10人来たらいっぱいだったんです。さすがに「もう数人待てるようにしないとだめだな」と思い、診察室を少し削って待合室の方に振り分けました。おかげさまで、患者さんからは「広いし、キレイになったね!」ととても好評でした。

なぜこの地に開業されたのでしょうか?
当時通っていた東京医大が近かったからです。大学生の頃はこの辺りを部活で走っていましたし、四ツ谷駅から大学の寮へ帰るときに通っていたので、大体この場所は知っていました。開院する場所を探していたとき、たまたまこの場所が出てきたのでここに決めました。

ちなみに、大学時代の部活仲間も皆医者になっているのですが、懐かしいからって荒木町に来たがるので、土曜日の夜は仲間たちと集うことが多いです。最近も「誰が、今どうしている」っていう話で盛り上がりました(笑)。

受付診察室

この地で開院されて長いですが、患者さんに支持されている秘訣は何でしょう?
時間外でも診る医院の上が住まいということもあり、時間外でも診ることですね。以前に比べると時間外に来る患者さんは減りましたが、まだいらっしゃいます。それも、手を切っちゃったとか腕の骨を折っちゃったとか、本当に急を要する方がいらっしゃいます。

最近多いのは尿管結石です。あとは心筋梗塞とか。普段から「心筋梗塞の症状が出たときは医院まで歩いてきちゃダメだよ、タクシーで来てね」と言っているのに、ほとんどの方が歩いて来ます。イスに座らせた途端に心臓が止まり、カウンターショックを行って、心臓マッサージをしながら救急車に乗せて病院へ、なんてこともあります。皆さんも万が一心筋梗塞が起こったときは、危ないので救急車を呼んでくださいね。

ドクターになったきっかけは何だったのでしょうか。ご両親の影響でしょうか?
うちは祖父の代から医者なんです。小さい頃から「医者にならなきゃだめだよ」ってずっと言われてきました。それなら挑戦してみよう!と思ったことがキッカケですね。実は、自分の親が医者だと知ったのは、両親が開業したとき。そのときは小学校2~3年生くらいでしたが、それまで「両親は何の仕事をしているんだろう?」って思っていました(笑)。

血管年齢を調べてほしい、胸が苦しい、生活習慣病、といった患者さんが増えていますどのような患者さんが多いのでしょうか?
最近だと、血管年齢を調べてほしい、胸が苦しい、生活習慣病、といった患者さんが増えています。そういった患者さんの大半は会社の帰りなどにいらっしゃいますが、専門である循環器の治療はインターネットで調べてくる方が多い印象です。また、当院は院内処方を行っていますので、最近では院外処方をしているクリニックから流れてくる患者さんが多いような気もします。

お薬にはジェネリックとオリジナル(新薬)がありますが、効能に違いはあるのでしょうか?
成分が一緒というだけで、薬を固めるための基材などはまったく違いますジェネリックとオリジナルは成分が一緒というだけで、薬を固めるための基材などはまったく違います。そのため、体に入ってからどこで溶け出すのか、溶けきるのはどれくらいかなど、体の中に吸収される時間が異なります。酷いものになると、溶けずに便の中にそのまま出てくるジェネリックもあるんです。

実際に、ほかのクリニックで処方されたジェネリックを飲んでいる患者さんの薬を全部オリジナルに変えたら、薬の効きが全然違うから飲む量が半分になった、というケースも多々あります。成分が一緒だからといって、効き目が同じとは限りません。そのため当院では、どうしてもジェネリックがよいという場合でなければ処方していません。

院内処方にこだわる理由はありますか?
実は、開業した当時は院外処方にしたかったんです。この近辺は薬局を開く場所がなく、患者さんに薬局まで歩いてもらうのは大変だから薬局が近くにできるまで、と思って院内処方を続けていたらそのままになってしまいました。これまでに何件か「薬局を新しく出すので処方箋をきりませんか?」って言われましたが、すべて道路の向こう側だったため断ってきました。この通りに開いてくれなければ、患者さんを歩かせてしまいますしね。

院内

訪問診療などもありご多忙かと思いますが、休みの日は何をして過ごしますか?
プロ野球の試合を観に行きます以前はゴルフをしていましたが、今は暇がなくて行けません。最近は、たまにプロ野球の試合を観に行きます。私は広島カープのファンで、今年は神宮へ3回、東京ドームへ1回行きました。カープの応援は皆で歌を歌って一体感があるのがとてもいいですね(笑)。

あとは、健康のためにIngressをやっています。スマートフォンのアプリで「目標の場所まで歩いて行き、ミッションを達成してこい」っていうのがあるんです。この四谷界隈は歩きつくしたので、出かけたときには必ず起動しています。前は水泳もやっていましたが、国立競技場がなくなったと同時に、通っていたスイミングスクールもなくなってしまいました。ですから、健康維持のために何かしら運動をするように心がけています。

そのほかには、PCを自分で組み立てるなどの機械いじりも好きですね。先日組み立てたPCは、事務処理に使っています。自分で組み立てた方が、買うより安い・容量に余裕がある・立ち上がりが早い・変なフリーズはしないなど、使い勝手がとてもよいです(笑)。

最近は医学の進歩が早いと聞きますが、勉強会にも行かれているのですか?
循環器の勉強会に行くことが多い勉強会には結構行きます。中でも、やはり循環器の勉強会に行くことが多いです。今や医療の進歩が早いため、講習会や勉強会に1か月行かないと「何を言っているの?」となってしまいます。新しい検査が出たはいいものの、休みの日にしかできない検査や、病院を紹介しなければならない検査もあります。

残念ながら当院ではできない検査もあります。しかし、わからなければほかの病院を紹介できませんので、できない検査もきちんと学んでいます。紹介した病院から「こういう検査をしました」とお知らせが来たときに、知らなければ「何をしたんだ?」となってしまいます。また、紹介した患者さんは必ず戻ってきます。そこで、紹介した病院で言われたことがわからなかったという患者さんに対して、もう一度私が説明しなければなりません。少なくとも、検査結果とデータを判定するだけの知識を持っていなければどうにもなりません。

最後に読者へのメッセージをお願いします
できることなら、気長にしっかり腰を据えて治療に来てください。慢性疾患はその場でパッと判断できませんので、お互いじっくり腰を据えて対応する必要があります。風邪や動悸、頭痛は何とかなりますが、根底に長年蓄積されたものが原因となっているものは、その場で何とかなるものではありません。

あとは、通っているけど治らないからと、クリニックを転々としている患者さんがいらっしゃいます。そうすると、ほかの医院で処方された名前が違う別のメーカーの同じ薬を飲み、血中濃度が倍となり、おかしくなってしまうことが起こります。このようなこともありますので、自己判断せず、じっくり腰を据えて治療に来ていただきたいです。

院長プロフィール曲恵介院長<経歴>
1987年 東京医科大学卒業

1987年 東京医科大学外科大学院 入学

1991年 東京医科大学外科大学院 修了

1991年 東京医科大学八王子医療センター心臓血管外科

1991年 学位受領

1992年 目黒厚生中央病院 循環器科

1993年 東京医科大学外科第二講座 助手

1996年 村越外科・胃腸科・肛門科

1998年 まがり医院 開業

<資格等>
日本外科学会認定医
日本医師会認定産業医
新宿区医師会

まがり医院 アクセスマップ

住所 東京都新宿区荒木町6-34
電話番号 03-5362-5531
アクセス 丸ノ内線「四谷三丁目駅」4番出口より徒歩5分
診療科目 内科・外科・循環器内科・小児科
診療時間 9:00~13:00/15:00~19:00
休診日 金曜、土曜午後、日曜、祝祭日

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サンクリニック原宿 東郷 實元院長 (原宿) インタビュー

患者さんのあらゆる不安に応じたい「町医者としての姿勢に迫る」 サンクリニック原宿 東郷實元院長
明治神宮前駅から徒歩3分の好立地に医院を構える「サンクリニック原宿」は「早期発見」を大事にしているクリニックだ。患者さんの病状により必要な場合は基幹病院専門外来へ速やかに紹介する。

『ある本で呼んだ文章が心に残っています。「歩み寄る人にやすらぎを、去りゆく人には幸せを」という気持ちで診療を続けています。開業医として目指したい境地ですが、人生においてもなかなか難しいことです。』と語る東郷先生に、ドクターになったきっかけや思い出に残るエピソードなど、さまざまなお話を伺った。

東郷 實元院長インタビュー私の曽祖父は明治の始め、西洋人医師に西洋医学を学んだ医師でしたなぜドクターになられたのでしょうか?
私は小学校まで田舎の実家で育ちました。二階への階段の壁は本棚となっており古い手術器具(鉗子・鋏など)や解剖図鑑などの医学本がありました。また、玄関に入り右方に当時としては珍しい「コンクリート造りの大きなトイレ」があり、以前この場所に手術室があったことを知りました。

私の曽祖父は明治の始め、西洋人医師に西洋医学(臨床診療・手術など)を学び、家を継ぐために田舎の実家へ帰り開業しました。最新の医療技術(婦人科・外科手術)と漢方医療が評判な医院となりました。

また、曽祖父は途中で村長に就任しますが、医療現場では多くの患者さんが待っていたため、数ヶ月後に役職を辞し再び医業に専念しました。厳格な曽祖父は患者さんには丁寧な言葉を使い優しかったそうです。

折に触れて両親に曾孫を医師にしてくれと言っていました。高齢となるもその日も遅くまで診療し、深夜急病死しました。その10年後に私が誕生し、高校に入った頃には二度ほど母に医学部進学をすすめられていました。そのようなこともあり、高校二年になると「医者になる」と心に決めていました。

同じ本棚に父が戦前購入したシリーズものの「たくさんの写真入り英語雑誌」が何十冊と並んでいました。小さい頃より踊り場で、英語は分かりませんが写真が面白くて読み耽り眠り込み、気がついたら周りが暗くなっていました。その本に載っていた写真は、自然・産業・文化映画関連・米国内世界各地の大都市などでした。このような経験が米国への研究留学に影響したと思います。

アメリカではどのようなご経験をされたのですか?
1982年米国シアトルでの国際がん会議出席後、病理の恩師・先輩と別れ、一人知人に紹介されたワシントンD.C.隣のべセスダにある米国立がん研究所(National Cancer Institute:NCI)病院の病理部へ向かいました。

院内写真スーパーバイザーは「がんの浸潤・転移」研究室長であり上部組織の病理部の部長でもありました。最初の7ヶ月はゲスト・ワーカー(Guest Worker:無給)でしたが、研究に没頭し徹夜仕事もし、各国から来ている研究者や職員とのコミュニケーションに努めました。その後ビジティング・フェロー(Visiting Fellow:有給)として2年2ヶ月間勤めました。当時日本とインドからの研究者が多く、その真面目な研究態度と成果が評価されていたと思います。

昨今、日本から海外への研究・学生留学が減少していることは、残念なことです。海外生活の経験により広い視野から世界の中の日本を観察し、より深い洞察ができると思います。海外での研究生活は試練が多いですが、勇気を持って挑戦してもらいたいです。

嬉しい思い出としてNIH(National Institutes of Health:国立衛生研究所:NCIはその中の一研究所)の空手クラブから依頼されて、副会長ら10数名に合気道を教える機会に恵まれました。毎週土曜日の午後、約1年間指導をしていく間に、彼らとの親睦・信頼感が築かれました。コミュニケーションは対等のレベルで、相手(滞在する国・人)への敬意・誠意と情熱をもって、より深くなると信じています。

なぜプライマリ・ケアの領域に進んだのですか?
卒業後、臨床医学・基礎分野へと仕事を続け、その後一般病院で勤務しながら、「開業医として多くの患者さんを診察・治療するのみでなく、地域の一員として地域への貢献活動に参加する自分の姿」を思い浮かべるようになりました。地域に密着し、町内会の催しへも出席し、飲食を共に楽しむことは仲間としての間柄となり、また「われわれの町の医者」と呼ばれるのは、ありがたいことです。曽祖父の「開業医としての生き方」、「小さな田舎における地域社会への医療での貢献」などが脳裡に浮かんできます。

多くの患者さんを診察し、手術し、残念ながら多くの方々の最後を看取ってきました思い出に残るエピソードを教えてください
長年医療に携わるどの医師も患者さんについての心に残る多くのエピソードがあると思います。私も多くの患者さんを診察し、手術し、残念ながら多くの方々の最後を看取ってきました。

私が20代の頃、大学病院の外科外来で診察した女性の患者さんは直腸の進行がんでした。入院され私が主治医となり手術の第一助手となりましたが、その後再発され再入院されました。

残念ながらその患者さんの病状は進み最後を看取りました。二人のお子さんは幼く、とくに下のお子さんのことを案じられ、「下の子が小学校に入るまで生きたい」と訴えられた言葉が忘れられません。
早期がんであれば救命できます。内視鏡検査にて消化管ポリープ・早期がんの診断・治療に力を入れました。

以前、午後を休診にしてクリニックから患者さんを搬送したこともあるとか...
院内写真クリニックで外来診療中に、急変する可能性のある患者さんが受診することがあります。胸痛(狭心症・心筋梗塞など)、頭痛・めまい(脳梗塞・くも膜下出血など)その他で、すぐに診断し、専門外来・救急外来へ救急搬送します。

女性の会社員の方は、午前中に軽度の腹痛で受診し、腹部触診も行い処方しました。しかし、午後になり「どうしてもお腹の具合が改善しない」と再び来院され、腹部触診にて「午前中と所見が異なり緊急手術の可能性あり」と判断し、救急車に同乗し基幹病院へ搬送しました。緊急手術となり、無事回復し、退院後クリニックに来られました。

私は一般外科医として救急の現場で働いていました。すばやい対応の重要性をつくづく感じます。

どのような患者さんが多いのでしょうか?
近隣にお住まいの方・勤務の方、遠方から健診で・知人の紹介で来られる方、外国人の方など様々な患者さんが受診されます。転勤されても上京の際、受診される方もいます。ありがたいですね。

戦前・戦後から長く原宿に暮らしている、年齢的に私の先輩の方々に昔話を聞きます。木造建てしもた屋の町並みが写った写真集も見たりします。東京オリンピック以後大きなビルディングが急速に建てられましたが、その前まで原宿駅は乗り降りする人も少なく閑散としていたそうです。そういう先輩の方々、家族の方々がこの原宿の町を守ってきたのですね。長い歴史とともにこの町のすばらしさがあります。
私も原宿の町の一員として、町内会の新年会・納涼会・祭の御輿・年末の防犯パトロールなど参加しています。

医師としてやりがいを感じるのはどのようなときですか?
専門外来へ紹介した患者さんの元気な顔を拝見するときはうれしい専門外来へ紹介した患者さんが、検査・治療を済ませ外来に来られ、元気な顔を拝見するときはうれしいです。町を歩いていても、町内の方々と「笑顔で挨拶する」、「一言二言声をかける」ということが日々の喜びでもあります。

どんな病気でも進行すると治療は大変です。がんを早期発見することで助かる命もあります。当院のような第一線のクリニックの使命もそこにあります。患者さんとのコミュニケーションは重要で、同意を得てがん専門病院への紹介を行っています。当院のスタッフ全員の協力をもって、より良い医療を志しています。


長年続けてきた秘訣を教えてください
医療では患者さんと医療従事者とのコミュニケーションが大事であると思います。患者さんは来院するまで「重い病気だったら」と不安なものです。挨拶と笑顔で迎え、丁寧な言葉遣いを用いる。そして診療をとおして少しでも安心していただきたいと思います。
薬剤についてもより細かな配慮をして、救急外科処置など病院の救急外来が望ましいと判断したらただちに紹介します。

専門外来への予約は患者さんが納得していただいてから紹介状を書きます。また専門用語を多用せず分かりやすい言葉を使い説明します。医師は耳を目を向け「細心の気」を配ることが大事と思っています。人という「人格」に接し、病気を診る。難しい命題でもあります。

診察室

院長プロフィール東郷實元院長<経歴>
1973年3月  鹿児島大学医学部卒

1973年5月  医師国家試験合格

1973年6月  研修医(麻酔科・脳外科・一般外科・心臓外科)

1975年4月  東京慈恵会医科大学第一外科勤務

1976年12月 癌研病院外科 勤務

1978年4月  筑波大学基礎医学群病理にて研究

1982年9月  アメリカ国立癌研究所病理(NCI-NIH) にて研究

1982年3月  医学博士号取得

1986年    癌研病院外科・民間病院勤務
          外科・一般内科・整形外科リハビリテーションなど広範囲の医療に携わる

2000年5月  サンクリニック原宿開院

<専門医>
日本外科学会 外科専門医
日本消化器外科学会 消化器外科専門医

<その他>
渋谷武道クラブ主宰

サンクリニック原宿 アクセスマップ

住所 東京都渋谷区神宮前6-27-8 京セラ原宿ビルB1F
電話番号 03-5766-0257
アクセス JR「原宿駅」より徒歩6分
東京メトロ千代田線「明治神宮前駅」4番出口より徒歩3分
東京メトロ副都心線「明治神宮前駅」7番出口より徒歩2分
診療科目 内科・胃腸科・外科・肛門科・理学療法・AGA・ED
診療時間 9:00~12:30/14:30~17:00(火曜と木曜は17:30まで)
休診日 土曜、日曜、祝祭日

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2016年1月14日

信濃町診療所 矢吹 大輔院長 (信濃町) インタビュー

「スペイン語に対応できるドクター  国際派ドクターの信条」 信濃町診療所 矢吹大輔院長
信濃町駅の改札を出てすぐ目の前のビルにあるのは、お父様から引き継いだという信濃町診療所。スタッフの方が笑顔で迎えてくれる院内にはスペイン語の表記もたくさんあり、多くの外国人の支えとなっていることがわかる。矢吹先生はメキシコの医学部を卒業していることもあり、日本でも数少ない、スペイン語対応可能なドクターだ。

「時間をかけてでも患者さんと向き合う」という姿勢からは、診療に対する誠実さが伝わってくる。地域医療に根差したプライマリ・ケアを信条として多くの患者さんを支えている矢吹先生に、メキシコ留学のお話からプライマリ・ケアを重視するに至った経緯など、さまざまなお話を伺った。

矢吹 大輔院長インタビュー父が医者だったというのが大きな理由ドクターになられたきっかけを教えてください
父が医者だったというのが大きな理由ですね。もともと中目黒方面で開業していましたが、父の友人のつながりでこの信濃町に移転しました。その頃から父の診療所に出入りしていましたが、父からはっきりと「継いでほしい」と言われた記憶はありません。それでも物心つく頃には「自分も医者になるのかな」と思っていました。私は長男なので、今思えば自然な流れだったのかもしれません。

お父様もメキシコ留学の経験があるのでしょうか?
いいえ、父に留学の経験はありません。しかし父は一時期船医をしており、船に乗って世界各国を回っていたそうです。その血を継いでいるのが影響したかはわかりませんが、私も海外に抵抗がなかったのでメキシコ留学をしたのかもしれません。今では私の娘も、私同様メキシコに留学しています。父の代からそういった家系なんだと思います(笑)。

受付日本とメキシコの医療は異なりますか?
メキシコは、基本的にはアメリカの医療をベースとしています。教える内容もカリキュアラムもアメリカと同じ。実習もアメリカと同じで、1年生の頃から実習に行きます。学期ごとに実習先を振り分けられ、そこでいろいろな手伝いをします。向こうには軍の病院があり、そこに当たったら大変(笑)!交通事故や銃撃による負傷者など、ひっきりなしに患者さんが来ますから、本当に寝る暇もないぐらいです。

メキシコでは、卒業して1年間の研修期間を終えたあと、更に1年半ボランティアをするんです。ボランティアの期間はもちろん無給。どうやらそれも「日本人や外国人はお金を持っているでしょ」という考え方のようです。とはいえ、メキシコ人のボランティアドクターも、ガソリン代の足しになるかぐらいの手当だけだったみたいですけどね。幸い、私が行っていた頃は物価が日本の1/5くらいでしたから、仕送りだけでなんとか凌いでいました。

先生の専門分野を教えてください
内科・皮膚科・泌尿器科の3つを標榜して診療私の専門は泌尿器科です。ただ、父の代から内科・皮膚科・泌尿器科の3つを標榜して診療しており、その分野も診ることができるようしっかり勉強をしています。診療科目が複数ですから、いろいろな患者さんがいらっしゃいます。この辺りはオフィスビルがたくさんあり、比較的若い男性の患者さんが多いです。すぐ目の前に慶応の大学病院があるため、入院患者の付き添いをしていた家族の方が風邪を引いて当院に来ることもあります。

プライマリ・ケアを大切にする理由は何でしょうか?
私の出身大学の教育方針は「家庭医」を育てるというものでした。もちろん専門医として活躍するドクターもいますが、一般的な疾患を診ることのできるドクターを多く輩出しています。そういった教育を受けてきましたので、私はそれが普通だと思っていました。

日本へ戻ってきて父の診療を見ていたら「風邪を引いて来たけれど、最近肌に湿疹ができて困っているから診てほしい」というような患者さんも多くいらっしゃる。患者さんからすればありがたいことですよね?ついでに相談もできるんですから。そういった現実を目にしましたし、そういう教育を受けてきたので、今でもそれを信条としています。

院内風景

患者さんへの説明や接し方など気をつけていることはありますか?
患者さんの訴えを詳しく聞くことを大切にしています患者さんの訴えを詳しく聞くことを大切にしています。「いつから」なのか「どんな痛み」なのかなど、事細かに聞き出すことが大事だと思っています。聞き出さなければ、現状を把握して的確な対処ができないためです。

しかし、そういったことを重視すると、どうしても1人にかける時間が長くなり、患者さんの多い日には1時間以上待たせてしまうこともあります。かといって、ヒアリングや説明を切り上げてササッと終わらせてしまっては大学病院と変わりません。これでは患者さんにとって意味がないですからね。クリニックはそういったことに時間を割けるのが良い点だと思っています。ここだけは外すことなく、これからも続けていきたいです。

スペイン語にも対応しているとのことですが、中南米の方の患者さんも多いのでしょうか?
中南米の方の患者さんもいらっしゃいます
もちろんいらっしゃいます。都内にお住まいの方が多いですが、埼玉などからいらっしゃる場合もあります。多くの方が日本語を話すことができますが、やはり痛みや悩みの細かいニュアンスを日本語で伝えるのは難しいようで、そういったときにスペイン語で話せると安心するようです。

中南米の方同士のつながりは強く、そういったところからの口コミで当院を知る機会も多いようです。昔から来ている患者さんに「みんなに教えるから名刺をください」と言われ、一束渡すこともありました(笑)。スペイン語を話せるドクターは少ないと思います。日本に来て、しっかりとした安心できる医療を受けるためにも、スペイン語対応の医院があることを知ってほしいです。

感謝されることで喜びを感じる医師でよかったと思うときはありますか?
これはもう、患者さんの「すっかりよくなりました」という声に尽きます。私は単純ですから、その言葉だけで『明日も頑張ろう!』って(笑)。商売をしている人はみんな同じかもしれませんが、感謝されることで喜びを感じるでしょう?レストランなら「おいしかったよ」と言われたらうれしい。そのために日々頑張っているわけですからね。

今後の展望などをお聞かせください
基本的には、地元の患者さんのために役立つクリニックであり続けたいと思っています。あとは、この辺りはビジネス街なので、クリニックが夕方に閉まってしまうとなかなか来院できないですよね。当院は、火曜日のみ診療時間を延長して20時まで診療しています。なかなかクリニックに来ることが難しい方にこそ、仕事帰りにでも寄ってほしいと思っています。当院が地域医療に役立つために、学会や勉強会にも積極的に参加して患者さんに還元していきたいです。

院長プロフィール矢吹大輔院長<経歴>
メキシコ合衆国 グアダラハラ自治大学医学部卒

1988年 メキシコ合衆国医師免許取得

1988年 メキシコ合衆国ハリスコ州コロトラン市
      地域医療センター内科・産婦人科・泌尿器科

1997年 東邦大学医療センター大森病院
       第一外科 臨床研修

1999年 東邦大学医療センター大橋病院 泌尿器科入局

<資格>
日本人間ドック学会認定医
日本医師会認定産業医

<所属学会>
日本泌尿器科学会
日本性感染症学会認定医

信濃町診療所 アクセスマップ

住所 東京都新宿区信濃町34 トーシン信濃町駅前ビル3F
電話番号 03-3359-5147
アクセス JR総武線「信濃町駅」徒歩1分
診療科目 一般内科・泌尿器科・皮膚科・性病科・健康診断
診療時間 9:00~13:00/15:00~18:00(火曜は20時まで)
休診日 金曜、土曜、日曜午後、祝祭日

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2016年1月11日

道玄坂 加藤眼科 加藤 卓次院長 (渋谷) インタビュー

「国内外で活躍する眼科のスペシャリスト。最新治療にかける想いと可能性」道玄坂 加藤眼科 加藤 卓次院長

渋谷駅のスクランブル交差点から目と鼻の先にある加藤眼科。広々とした待合室には清潔感が漂い、スタッフの対応も非常にていねいな医院だ。院長の加藤先生は国内外で活躍する眼科医で、最新治療も積極的に取り入れているという。その中でも近視矯正の「オルソケラトロジー治療」は近年注目を集めている。

「患者さんがハッピーになることだけを考えている」という言葉からは、患者さんを最優先に考える姿勢が伺える。なぜ眼科医の道に進んだのか。その経緯から最新治療の可能性まで、たくさんのお話を伺った。

加藤 卓次院長インタビュー加藤 卓次院長眼科医になったキッカケを教えてください
私の家は親が医者ではなかったため「医院を継ぐために〇〇科でなければだめだ」ということはなく、何科でも選べました。進路を決める頃「この分野では絶対の自信がある"スペシャリスト"になろう」と思い始めました。

たとえば整形外科。手の専門家や足の専門家、脊椎専門、スポーツ整形など専門分野がいろいろあります。それに対して眼科のようなマイナーな科は、領域は狭いけれど眼のことに関して一人ですべてを診られるスペシャリストになれるのではないかと思ったんです。実際、眼科の道に進んでみたら、角膜の専門家などたくさんの専門分野があって、自分の考えが浅かったなと感じました(笑)。

「眼だけの専門の診療科」というのには少し抵抗がありました本心としては、医学部で6年間全身の勉強をしてきたのに「眼だけの専門の診療科」というのには少し抵抗がありました。今までに学んだ「全身に関する知識を活かしたい」という気持ちがあったのです。

今後、高齢化が進む中で年配の患者さんが増えてきます。生死とは別ですが、生活の質を上げるため、眼や耳など感覚器の治療需要は絶対に増えていくはずだ、という考えもありました。そういったさまざまなことを考え、最終的には眼科をライフワークにしようと思ってこの道に進みました。

先生は最先端の治療を積極的に導入されていますが、その1つであるオルソケラトロジーとはどのような治療法なのでしょうか?
オルソケラトロジーとはどのような治療法なのでしょうか?夜寝るときにハードのコンタクトレンズ(オルソケーレンズ)を入れて角膜の形を矯正(平らに)し、朝起きて外すと矯正された角膜の形が維持されている間は視力が回復するという治療法です。

近視というのは、屈折する力が強すぎて網膜より手前で像を結んでしまう症状ですので、角膜を平らにすると治ります。

基本的にはレーシックも同じで、角膜を、レーザーで削って平らにするかコンタクトレンズで平らにするかの差です。オルソケーレンズは毎日装着する必要があり、止めればもとの近視に戻ってしまいます。そのため人によっては「昼間つけるコンタクトと変わらない」「毎日の手入れが面倒」とおっしゃる方もいます。日中裸眼で過ごせる、夜は寝ている間につけられるという点をメリットに感じ、必要とする人が確実に存在する、ややニッチな治療法なのです。

まだ一般的に認知されていない治療法のオルソケラトロジーは、今後普及していくのでしょうか。先生の考える可能性も含めて教えてください。
先生の考える可能性も含めて教えてくださいアイディア自体は1960年代からありました。ここ10年くらいで改良が進み、第三世代のオルソケーレンズのデザインを改良するなど段々とよくなり、今では少しずつですが普及しています。また、子どもの近視の進行をやや遅くさせるということが、かなり確実な医学的データとして最近出てきました。米国や日本国内での臨床試験も終了し、厚生労働省も治療の有効性を承認しています。

日本では20歳以上で臨床試験を行ったため、ガイドラインではオルソケラトロジーの治療対象は20歳以上となっています。しかし当院では、患者さんに「外国では20未満の方にも使用しています」と伝え「20歳まで待つより、小学校高学年か中学校以上の近視が進行する時期にオルソケラトロジーを使うことにメリットがあります」という話はしています。まだまだ知名度は低いのですが、近視抑制のデータがもっと確実になってくれば、今より普及していく可能性があります。また、レーシック手術を受けるとなると一大決心が必要ですが、ちょっと特殊なコンタクトレンズで、しかも1週間ほとんど無料でトライアルできるとすれば、敷居が低いのではないかと思っています。

オルソケラトロジーには大きな可能性を感じますが、すべての症例で適応できるのでしょうか?
すべての症例で適応できるのでしょうか?中等度の近視までは治せますが、強度の近視は治せません。機器を用いて涙の量などを計測し、適応可能かどうかを検査します。

近視の進行を遅らせることは、実はオルソケラトロジー以外ではできないんです。医療の現場では「この薬が効く」という臨床治験を厳密にコントロールして行います。

たとえば新薬の効果を判定する臨床試験では、実薬を投与する200人のグループと、成分が入っていない薬を投与する200人のグループを用意します。処方しているドクターもどちらが実薬か知らないという状況で、その2つのグループのデータを第三者が解析します。その結果、1つのグループだけが統計的に優位かどうかを見て判断していきます。このように、絶対に不正が行われないようなシステムで比較しますので、きちんと保険で認可されている薬には信頼にたる医学的根拠が存在します。

ところがサプリメントは医薬品とは異なり健康食品に分類され、商業目的で過剰な評価が宣伝や広告で見受けられます。代表例として、ブルーベリーが視力回復に効くという間違った情報や医学的根拠のないコラーゲンの美肌効果などをあげることができます。現代のような恵まれた食生活をしている中で、特定の成分が健康によいということはほぼ無いと考えても間違いないでしょう。それならば、野菜を多く摂り、カラフルなものをたくさん食べ、新鮮な旬のものおいしくいただくなど、バランスのよい食事をしたほうがよほど良いと思います。

このクリニックを開業された理由と渋谷を選んだ理由を聞かせてください
開業する前は大学病院に勤めていました。大きな病院でしか味わえない仕事の充実がある一方で、大きな組織ならではの仕事上の制約もあり、また組織運営上のおびただしい雑用などに時間をとられていました。たとえば椅子1つ購入するにも申請しなければならないし、中間管理職的な立場だったので出席しなければいけない会議なども多く、診療だけに集中できなかったんです。そういう組織の中での煩わしさもあり、自分の裁量で機器を揃えて診療だけに集中したいと思い、開業を決めました。

この場所は、以前勤めていた日赤医療センターにも近く、いくつかの大学病院とも病診連携がしやすいこと、当時診ていた患者さんがこの近辺に多かった、ということも理由の1つです。私自身、郊外よりも都心がよかったっていうのもありますけど(笑)。

ドクターになってよかったと思うことはありますか?
ドクターになってよかったと思うことはありますか?基本的に私は、自分の目の前に現れた人がハッピーになることだけを考えていれば良いと思っています。そのために自分の経験・能力・知識を総動員し、目の前の人がどうすれば悩ましい症状から解放されるかを考え、行動します。数ある職種の中でも「これだけを考えていればよい」というのは、ものすごく恵まれていると思います。

たとえば、社会の中で自社の利益だけを追い求める会社は必ず淘汰されます。反対に、利用者の利益を追求する会社は、儲からないかもしれませんが長く続くものです。そういったバランスの中で商売をするのは、非常に難しいでしょう。その点、我々ドクターは、患者さんを治療して幸せにすることだけを考えればよいのです。治療をして患者さんを幸せにすることは、ドクターだからこそ得られる喜びだと思います。

読者にメッセージをお願いします
読者にメッセージをお願いします今やネットの時代となり、医学の情報が歪んだままあふれているため、正しい情報が伝わっていないような気がします。だからこそ、健康に関する情報や医学的な情報は、信頼できる専門家に相談することが大事です。サプリメントにしても「友達がこれを飲んだら、眼がスッキリして調子がよいみたいなの~」と、友達の情報で動いてしまっている人がとても多いです。

それを私が「違いますよ」と言っても「お友達が2人も3人も言っているのよ」とお友達の情報を優先してしまう方すらいます。ほかにもネットで情報を調べ、頭でっかちになって「大変な病気だ...」と思い込んでいる方がいます。間違った自己診断で取り越し苦労をしてしまう方が少なくありません。中には、こちらが、びっくりするぐらい正確な自己診断をされてくる方もいらっしゃいますが、例外的です。多くの方がネットの情報に振り回され、来院する前に間違った情報をインプットされてしまっているような印象を受けます。

こういう時代ですから、間違った情報はたくさんあり、ネット上に出ている情報は情けないレベルで間違っていることも多いため、そこは信頼できる専門家に相談することが大切です。

院長プロフィール<経歴>
加藤 卓次院長1991年 順天堂大学医学部卒業
1993年 日本赤十字社医療センター眼科
1995年 東京大学大学院研究員
1999年 米国ハーバード大学眼科 角膜・屈折矯正手術部門フェロー
2001年 順天堂大学医学部 眼科学講座 医局長・講師
2004年 道玄坂 加藤眼科開院

<資格>
医学博士
日本眼科学会認定眼科専門医

<受賞>
マサチューセッツ眼科耳鼻科病院 ボシュロムリサーチフェロー賞
上原財団リサーチフェローシップ賞
米国眼科学会 最優秀ビデオ賞

道玄坂 加藤眼科 基本情報

住所 東京都渋谷区道玄坂2-3-2 大外ビル5F
電話番号 03-6415-3190
診療科目 眼科
診療時間 10:30~12:30/14:00~19:00(日曜は18時受付終了)
休診日 年末年始・ビル休館日(年4回)
アクセス 渋谷駅 5-1番出口目の前

患者さんの声(口コミ・評判)評価:★★★★★(5段階中5)/60代/男性
緑内障治療で定期通院していましたが、緑内障治療だけでなく白内障治療も併せて治療することになり、紹介状を書いていただきました。しかし、紹介をいただいた病院が多忙のため年内での治療が困難なことが分かりました。急遽休日にも関わらず先生から連絡をいただき、別の病院の紹介をしていただき、手術を無事受けることができました。このことはだけではありませんが、患者に寄り添った診療をしていただける医院だと思います。今後とも宜しくお願い致します。

2016年1月 9日

ちあきクリニック 松永 千秋院長 (自由が丘) インタビュー

性同一性障害の専門家  個人を認める理想の社会とは ちあきクリニック 松永千秋院長
日本でも数少ない、性同一性障害を専門とする「ちあきクリニック」の松永院長は、28年以上にわたって性のあり方を追求している。「心と体を一致させることだけが治療ではない」という松永先生の言葉には重みが感じられ、とても深い意味があった。

一括りではなく、さまざまな個性のあり方を認める考え方やこの分野における課題点、そしてあまり積極的に研究されないこの分野を追求し続けるその原動力など、かなり踏み込んだお話を伺った。今回の取材をとおして語られた内容は、読者だけでなく医療従事者も読むべき内容だ。

松永 千秋院長インタビュー大学4年生のとき教授に相談し、『精神医学』という道を考えました早稲田大学で物理学を学んだあと医学の道に転進したとのことですが、その経緯を教えてください
当時は、物理学に対して過大な期待を抱いていました。「物理学を追求すれば人間の精神領域も明らかになる」「物理学がわかればすべてがわかる」とさえ思っており、そういったところに物理学の魅力を感じていたのです。私はもともと人間の精神に興味があり、それを解き明かしたいという思いから物理学の道に進みました。

しかし、実際に物理学を勉強してみると、生命の神秘や精神の解明には遠く及ばないことを痛感せざるを得ませんでした。大学4年生のとき教授に相談したところ「"分子生物学"をやるか"医学部"で勉強するのはどうか」と勧められ、そこで初めて『精神医学』という道を考えました。

『心理学』は"人間の体"の治療まではできませんが、『精神医学』では、治療を通じて、精神現象にこれ以上ない直接的なかかわりが持てます。それに、当時「精神疾患を薬で治せる」という話を聞き「物質的な解明も進んでいるのではないか」とも思いました。それらを考えて医学部に進むことを決め、高校生の家庭教師をしながら自分も勉強して入学しました。

医学部ではどのように過ごされたのでしょうか?また、ほかに興味を持たれた科はなかったのでしょうか?
脳神経外科にも興味を持ちましたが、そこでは脳を物質や器官として扱うため、精神に直接切り込めないと思って、当初の希望どおり精神科に進みました。

大学卒業後はすぐに大学院に入り、生物学的な研究をしたのち、2年ほどアメリカのNIHで奨学金をもらいながら留学していました。留学中はジョンズ・ホプキンス医科大学の教授とも懇意にしていただき、NIHとジョンズ・ホプキンス医科大学とを行ったり来たりしていました(笑)。帰国後は大学に戻り、それから10年くらい勤務医をして、開業しました。

処置室前

性同一性障害を専門的に扱うクリニックとして開業するには勇気が必要だったのではないでしょうか?
かなり勇気が必要でしたもちろん、かなり勇気が必要でした。もともと性同一性障害を専門にしたいという気持ちはあったのですが、勤務医では組織の中ということもあり、不自由さを感じていました。以前勤めていた病院では、5年ほど性同一性障害の患者さんに接し、やっと週に1回の専門外来をさせてもらえたんです。しかし週に1回ですと、診る患者さんの数にも限りがありますし、ホルモン注射などの保険外治療は行うことができませんでした。

何より患者さんは"ドクター"ではなく"病院"に来ている感覚があります。個人のクリニックであれば、患者さんは"ドクター"に会いに来ますよね?今では、ご家族の方といらっしゃる患者さんも多く、家族ぐるみの付き合いができるようになったように感じます。私は患者さんとの距離を縮めたいと思っていましたし、勤務医時代にはなかった接し方ができることに魅力を感じ、勇気を出して開業に踏み切りました。今では思い描いていたものに近い診療ができていますから、開業してよかったと思っています。

全国から性同一性障害の患者さんがいらっしゃるとのことですが...
そうですね。性同一性障害の患者さんは、北は青森、南は九州から来る方もいらっしゃいます。でも、それ以外のうつ病などの患者さんは、基本的に地域の方が多いです。性同一性障害の患者さんだけを診療しているわけではありませんから、誰でも気軽に来院してほしいと思っています。

主要都市に性同一性障害を標榜するクリニックは少ないように感じますが、何か障壁があるのでしょうか?
性同一性障害を専門としている先生は少ないです。関東には何名かいらっしゃいますが、それ以外では札幌医科大学や大阪医科大学、関西医科大学、岡山大学や長崎大学などまばらにいる程度です。専門家が少ない原因は、やはり難しい分野なのだと思います。日本で治療が認められたのも十数年前と、日も浅いですから。

治療が認められる以前は、性転換手術で有罪判決を受けるなど、治療自体がいかがわしいものという認識でした。積極的に踏み込んでいくには相当の勉強が必要ですし、患者さん一人ひとりに向き合う時間も必要となりますので、なかなか思うように治療が広まらないといった状況ですね。

精神療法やカウンセリングが大事だと思っています性同一性障害ではどのような治療をするのでしょうか?
性同一性障害の治療は『「体」を「心」に一致させること』だと一般的に考えられているかもしれませんが、私としては、精神療法やカウンセリングが大事だと思っています。患者さんは「心」と「体」が一致しないことに違和感を覚えながら生活してきたわけです。ただ単純に体を心に一致させるというのではなく、その人の性のあり方が人格に統合され、今まで生きてきた歴史とこれからの"生き方"がスムーズにつながっていくようにすることが重要だと思います。

もちろん、患者さん自身で、自分の性のあり方が社会の中で生きる人格としてのあり方に統合させていくことができれば、医療の手助けは必要ありませんし、そういった方もたくさんいらっしゃいます。性転換手術だけでなく、男性でありながら「女装家」として生きる方法、職業の中で女性らしさや男性らしさ、あるいはそれ以外であっても良いのですが、自分らしい性のあり方を出していく方法もあります。さまざまな"生き方"がありますから、「心」と「体」が一致していないという単純な枠で捉え、「体を心に近づければいい」というスタンスだけで患者さんに接することは、危険だと思います。

患者さんも、「そういった考えに当てはまらない自分は何なのだろう」とか、その説明にしっくりきていないのに「そういうものなんだ、そう生きなければいけないんだ」と自分に言い聞かせ、医師が診断しやすいように事実とは異なる過去の生活歴を報告することもあります。でも、それはその患者さんが悪いのではなく、医療側の考え方が狭すぎたのです。

待合室治療を受けるまでの、ずっと思い悩んできた期間もその患者さん自身。それを否定することは、精神衛生上も好ましくありません。「過去の自分も受け入れながら、未来の新たな生き方を創る」と言ってもよいかもしれません。

それぞれの患者さんが、自分に合った『自己像』を創っていく手助けをすることが、治療がめざすべき目的であり、性転換手術やホルモン注射をすることが目的なのではありません。そこを間違えてしまうと、「体は望んだとおりになったのに、なんだかしっくりこない」ということもあります。もちろん、当院でもホルモン注射などを行っていますが、あくまで注射や手術は"手段"であり、本来の"目的"は『自分らしい性のあり方を統合した、新しい生き方を見つける』こと。これを忘れないでほしいです。

もう1つ重要なことは「人格発達」という考え方枠にとらわれない考え方が重要なのですね
もちろんです。もう1つ重要なことは「人格発達」という考え方。「心」と「体」の不一致という考え方だけでは、一断面しか捉えられていません。たとえば「幼児期は何もなかったのに、なぜ思春期になってスカートを嫌がるのか」といった考え方です。人の人格はいくつになっても発達を続けますよね。思春期には思春期の、青年期には青年期の人格の発達があるため、それを踏まえて支援する必要があります。

幼児期は親の教育などに合わせようと人格形成が進みますが、思春期を迎えて自己意識が確立され始める頃、あるいは中年期になってから強く違和感を覚えることもあります。たとえば「若い頃から違和感があるけれど、結婚や出産を経験したら変わるかもしれない」と考えていた患者さんが、中年期になっても違和感を抱え続けるような場合です。中には、子どもが成人して手を離れたことをきっかけに"自分らしい生き方"を模索し直し、治療に踏み切る方もいらっしゃいます。

このように、もはや障害という言葉などでは一括りにできない、一人ひとりの性のあり方の多様性と、人格発達という時間軸を入れた考え方が必要となります。しかしながら、こうした考え方がなかなか浸透しないのが現状。患者さんには、医師だけでなく、家族や友人の助けも必要ですから、そういった方を含めて、この考え方を広めていきたいと思っています。

患者さんには周囲の協力が必要とのことですが、具体的にはどうすればよいのでしょうか?
家族やパートナーのサポートは非常に大事です。患者さんが当院に訪れ、私と接することができる時間は、日々過ごしている時間に比べればほんのわずかな時間でしかありません。大部分の時間は家族やパートナーが接しているため、その方々の支援は必須です。

ですから、私は家族の方とも十分にお話をします。企業研修で講演をしたり、学校に通っている方のために、時には学校に出向いたりしての講演活動も行っています。ほかにも、学校で校長先生を主体としたサポートチームを作ってもらい、そのサポートもしています。それだけ難しい問題で、周囲の理解と協力が必要なのです。

GID(性同一性障害)学会の第18回大会(2016年3月19~20日)の大会長は私が務めましたその考えが少しでも広まればと思って、学会活動もしています。GID(性同一性障害)学会の第18回大会(2016年3月19~20日)の大会長は私が務めました。この学会の特徴としては、会員のほとんどの方が性同一性障害の悩みを抱えた当事者。そのためドクターだけでなく、法律関係者や教育関係の方などさまざまな方が参加されました。

もともとは当事者たちと支援する医師や法律家などが、GID研究会として組織したもの。それが時代と共に学会として認められ、今に至ります。そのため、ほかの医療系の学会とは性質もだいぶ異なると思います。大会では哲学的な講演もありますので、誰でも気軽に参加し、少しでも理解を深めていただけるとうれしいです。

先生のもとを訪れる性同一性障害の患者さんはどのような方が多いのでしょうか?
性同一性障害で最も多いのは、やはり10~20代の患者さんです。親御さんや学校の先生が気付いて来院するケースもあります。あまりにも若い患者さんへの性ホルモン治療はできませんが、第二次性徴を遅らせる治療は可能です。第二次性徴を止めることで違和感を軽減し、精神的成長を見守りながら、自分と向き合う時間を確保するという手段もあります。

性同一性障害以外の患者さんはどうでしょうか?
院内風景もちろん不安症やうつ病、統合失調症など、地域の患者さんもたくさんいらっしゃいます。そういった治療も20年以上行ってきました。留学しているときは精神薬理学を研究していたので、薬物療法に関しても専門分野です。

精神療法に関しては、浜松医科大学にいたときには、不安症や神経症に対するわが国独自の治療法である森田療法を中心に勉強をしていましたから、それを基盤とした治療や、精神力動的精神療法も得意としています。全国から患者さんが来院してくれることは非常に喜ばしいですが、地域の患者さんを支えるドクターとしても機能したいと思っています。

アメリカは性同一性障害などについて進んでいるというイメージがあります
アメリカでも、「人格発達という時間軸」を取り入れた考え方や、ジェンダー・アイデンティティを「人格の一側面としての性のあり方」と捉える考え方、それを踏まえて、一人ひとりの、その人らしい性のあり方を、人格発達の中で統合することを支援していくという治療論に関する研究や議論は、あまりなされていません。私は、以前アトランタで開催されたGIDの国際学会でこういった発表をしたのですが、かなり新鮮に受け取られていたようです。

患者さんと接するときに気をつけていることはありますか?
受付聞く姿勢を大切にしています。アクティブな受容と言うのでしょうか。すべての患者さんと長時間お話できるわけではありません。その中で、心を開いてくれるためにはどうすればよいのかなど、私の過去の経験からいろいろと工夫をしているつもりです。

もちろん、症状の安定している患者さんでも「いつもと何か違うな」と思えば、じっくりと時間をとってお話を聞きます。時にはほかの患者さんを待たせてしまうこともありますが、来院した患者さんに、私が「待たせてしまってごめんなさい」と言うよりも先に、「先生、今日は大変そうだね。無理しないでね。」と声をかけてもらうこともしばしばあります(笑)。そういった患者さんも、「自分に何かあったときは話を聞いてもらえる」と感じることで、より安心できるのではないかと思っています。

人がなかなか踏み込まない性同一性障害の診療を続ける、先生の"原動力"を教えてください
受付やはり、患者さんから感謝されることですね。以前、大学病院にいたときに、週に1日、精神科の専門病院へ派遣されて勤務した時期がありました。そこは統合失調症の患者さんなどが多く、長年入院されている方もたくさんいました。中には、10代から入院して、既に30代の方も。長年治療をしても社会復帰が叶わない患者さんを診ていることに、私はとてつもない無力感に苛まれていました。そんなとき、ある30代の女性の患者さんが私にこう言いました。

「私は統合失調症でとてもつらい毎日です。病気は治らないかもしれないけれど、あなたに出会えたことはとても幸せだと思っています。もし私が統合失調症にならなかったら、先生には出会えなかったんですから。」

それを聞いて、私は心を打たれました。『自分の存在が患者さんにとって少しでもプラスになっているんだ』と感じたんです。それからは、少しでも患者さんのプラスとなる医師になろうと思いながら診療しており、当時の言葉が今でも私の原動力です。

症状が改善して「楽になりました」と聞くのも、症状が改善しなかったとしても「先生と会えてよかった」と言われるのもうれしいです。過去の経験を糧に、今後もそう言われるドクターをめざして頑張っていきたいです。

院長プロフィール松永千秋院長<経歴>
1991年 浜松医科大学大学院修了
1993年 米国国立保健研究所(NIH)留学
2000年 浜松医科大学精神科講師(病棟医長、外来医長)
2003年 4月  日野病院副院長就任
2012年10月 ちあきクリニック開院

<資格・学会活動等>
医学博士
精神保健指定医
日本精神神経学会専門医
日本精神神経学会指導医
GID学会(性同一性障害学会)理事
日本精神神経学会 性同一障害に関する委員会委員
日本精神神経学会 DSM-5の病名翻訳に関する委員
GID学会第18回研究大会 大会長

ちあきクリニック アクセスマップ

住所 東京都目黒区自由が丘2-8-30
電話番号 03-5726-8715
アクセス 東急東横線 自由が丘駅より徒歩7分
診療科目 心療内科・精神科
診療時間 9:30~12:00/14:00~18:00(金曜は18:00~21:00)
休診日 木曜、日曜、祝祭日

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中目黒メンタルクリニック 新 英士院長 (中目黒) インタビュー

「患者さんの「こころ」を支えるドクター 患者さんに寄り添うための工夫とは」 中目黒メンタルクリニック 新英士院長
東急東横線と日比谷線が乗り入れる中目黒駅から徒歩1分。「中目黒メンタルクリニック」には、勤務医時代からの患者さんも来院すると言う。

「精神科というのは敷居が高いイメージですが、気軽に来られる場所でありたい」そんな院長のお気持ちから、開業場所も"テナントが複数入ったビルの2階以上"で探したようだ。そして「初診の患者さんはその日のうちに診る」というポリシーのもと、日々多くの患者さんを支えている。二児の父でもあり、人間味あふれる新(あたらし)院長にさまざまなお話を伺った。

新 英士院長インタビュー中学生時代に何気なく読んだ本などからだんだんと興味を持ったドクターになられたキッカケと、精神科に進まれた理由を教えてください
「両親が医者だった」とかではなく、中学生時代に何気なく読んだ本などからだんだんと興味を持った、というところでしょうか。医師になろうというよりも「精神科」自体に興味があったんです。

心理カウンセラーなどの道もありましたが、薬を使える分、やはり医師の方ができることも多いかなと。カウンセラーと精神科の医師を比較した結果、精神科の医師になりたいと思いました。

開業するに至った理由と、開業して感じた勤務医時代との違いを教えてください
大学病院に4~5年おり、精神病院に5~6年ぐらい勤務しました。開業の理由としては、1人の方が自由度も高く、自分の思った診療ができると考えたんです。

実際に開業してみると、患者さんの層がまったく異なることを実感しました。精神病院は基本的に入院病棟ですから、重症の患者さんが多かったです。もちろん、クリニックにも入院が必要な重症患者さんもいらっしゃいます。しかし精神病院と比較すれば、クリニックに重症の患者さんがいらっしゃることは少ないです。

精神科の治療はどういうものなのでしょうか?
基本的には薬物療法がメインです。「診療は患者さんの話を40~50分聞いて...」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそれをクリニックで行うのはとても難しいんです。もちろん初回は40~50分お話を伺いますが、2回目以降はケース・バイ・ケースになります。そういった、話を聞いたりトラウマなどの過去を整理したりするためには、専門のカウンセリングルームを紹介し、カウンセリングと並行して治療をしていきます。もちろん当院でじっくりお話を聞く場合もありますが、クリニックでは、カウンセラーができないこと(薬の処方など)にスポットを当てています。

院内

どのような患者さんが多いのでしょうか?また、1日にどれぐらい患者さんがいらっしゃいますか?
受付いわゆる「うつ状態」を主訴に来院される方が多いです。他には「パニック障害」「強迫性障害」「社会不安障害」「統合失調症」「注意欠陥障害」「不眠症」等、様々な方がいらっしゃいます。男女比は同じくらいで20~50代の方が多いです。
1日に診る患者さんは50~60人くらいでしょうか。

信頼関係を大事にするために、患者さんと接するときに気をつけていることはありますか?
患者さんの希望に沿った治療をするようにしていますできる限り患者さんの希望に沿った治療をするようにしています。たとえば、私が「こういった治療方針でいこう」と思って患者さんに提案しても、一方的な提案では受け入れられないことがあります。

我々は、治療を進める中で「復職のタイミング」や「薬の選択、やめるタイミング」なども、患者さんと話し合って決めていく必要があります。医者の判断だけで「いつまでに復職しましょう」とか「この薬を飲んでください」とかをすべて決められたら嫌ですよね。

このように、治療方針を無理矢理に押し付けてしまっては、患者さんとの信頼関係を構築できません。患者さんの希望と私の提案のどこで折り合いをつけるか。このさじ加減が難しいところですが、それを見極めて治療を進めるのも、私たち精神科医の役目だと思っています。

精神科では、患者さんと長期的なお付き合いになるのでしょうか?
患者さんによってバラバラですが、基本的には症状が安定してから9~12か月位は継続加療をお勧めしています。この期間は、安定していても再発する可能性が高いからです。頻繁に来院する必要はありませんが、定期的に来院していただいています。

開業前にはいくつかの病院で勤務しており、そのときの患者さんがいらっしゃることもありますから、付き合いで言えば20年以上の患者さんもいます。そういった患者さんのために、以前勤務していた、いくつかの病院の中間地点にあたる中目黒で開業したという理由もあるんです。

精神科は敷居が高いイメージがありますが、何か工夫されていることはありますか?
そうですよね。一般的に「精神科」というだけで敷居の高さや怖さを感じると思います。ですから、精神科だけれど『心療内科』と標榜した方が、敷居が低く感じるのではないかと思って心療内科を掲げています。「誰でも気軽に来られる医院にしたい」と常に思っています。

クリニックを開業する際も、2階以上の場所を探していました。メンタルクリニックの扉をくぐるにはどうしても勇気が必要ですし、周りの目が気になってしまうものです。さまざまなテナントが入っていて2階以上であれば、ビルに入ることがわかっても、どこのテナントに行くかまではわかりにくいですよね。患者さんにそれが伝わっているかはわかりませんが、そういったところにも配慮してテナントを選んだのは、工夫したことかもしれませんね。

待合室

先生のポリシーを教えてください
当院では、初診の方をその日のうちに診療するようにしています。心療内科は都心にいくつもありますが、どのクリニックも非常に混んでいるそうです。ある患者さんから伺った話では、電話で初診の予約を取ろうとしたところ「1ヶ月待ち」という答えが返ってくることもあるようです。

以前いらした患者さんは「30軒近くの心療内科に電話をして、やっと診てくれる先生が見つかったので来ました」とおっしゃいました。患者さんからすれば「具合が悪いのだから、その日のうちに診てほしい」と思いますよね。そういった声にも応えたいので、初診の患者さんは特に、その日のうちに診療するよう心がけています。

休日は家族と過ごすことが多いです休日のリフレッシュ方法や趣味などをお聞かせください
休日は家族と過ごすことが多いです。子どもがまだ8歳と6歳なので、遊びに連れて行ったり相手をしたりなどして過ごしています。仕事を忘れてリフレッシュできますが、わんぱくな時期ですから、逆に疲れてしまうこともしばしばあります(笑)。

心療内科にはどういったときにかかればよいのでしょうか?
「食事ができない」「眠れない」など、生活に支障をきたす症状であれば、一度心療内科へ行ってみるのもよいと思います。あと、周りの方から勧められたら、それは受診を検討するタイミングです。自分で思っている症状と周囲の方から見た症状は、意外と周囲の方の意見が正しい場合もあるのです。

大切なのは『早期発見・早期治療』です。何でもそうですが、早い段階の方が解決しやすいですよね。早めに来院して何もなければ、それだけでも安心できます。心療内科の敷居は意外と低いもの。相談程度でも構いませんから、気軽に来てください。

院長プロフィール新英士院長<経歴>
1990年 昭和大学医学部卒業

1990年 昭和大学病院勤務

1994年 井の頭病院勤務

1996年 大内病院勤務

2000年 医療法人社団桂香会
      中目黒メンタルクリニック開院

中目黒メンタルクリニック アクセスマップ

住所 東京都目黒区上目黒3-2-2 フジビル8F
電話番号 03-5768-2688
アクセス 東急東横線、東京メトロ日比谷線 中目黒駅より徒歩1分
診療科目 心療内科・神経科・精神科
診療時間 10:00~12:00/13:00~19:30(水曜は19時まで、土曜は15時まで)
※水曜日は平沼医師による診療
休診日 火曜午前、金曜午前、日曜、祝祭日

患者さんの声(口コミ・評判):1件評価:★★★★★(5段階中5)/40代/女性
12年通っております。結婚をし遠くなりましたが、電車で片道1時間かけて通院しております。十分に患者の状況を把握してれ適切なご対応をして頂いております。新先生に掛かって心から信頼出来る先生ですので、他のお医者さまは考えられません。私の命を救ってくれた先生です。

山口歯科クリニック 山口 義徳院長 (恵比寿) インタビュー

「顕微鏡治療のスペシャリスト。最良の歯科治療を追求する姿勢に迫る」 山口歯科クリニック 山口 義徳院長
すべての治療に顕微鏡を用いており、1人の患者さんに1時間半以上の時間をかけてじっくり治療をするという山口先生。「自分の家族に施せるような治療をしたい」という信念からよい治療を追求し、自由診療の顕微鏡治療に行き着いたそうだ。

仙台や静岡など、遠方からも患者さんが集まるそうだが「本当はしっかりと顕微鏡治療ができるドクターが全国にいるような世の中にしたい」と山口先生は語る。市民へ向けた講演活動なども行っており、自院の発展よりも歯科治療全体の発展を目指す姿勢が強い『真っ直ぐ』な先生。歯科医師となった経緯から顕微鏡治療のメリットや今後の課題点など、ユーモア溢れる口調でお話しいただいた。

山口 義徳院長インタビュードクターになったキッカケドクターになったキッカケを教えてください
私の実家は歯科技工所でした。そういったこともあり、幼い頃から歯科を身近に感じていました。技工士だった父に「歯学部に進学する前に歯は全部治療しておけ。そうしないと治療の実習に使われるぞ」と言われ、治療したのを覚えています。

歯科医師になろうとしたもう1つのきっかけがあります。これ、漫画のようなホントの話ですが、私の乳歯が抜けそうになると、父が私の乳歯に糸を巻いて引っ張るんです。抜けずに血だらけになっていると、今度はペンチを持ってきてグリグリとされる。それでも抜けないと「う~ん、やっぱり歯医者に行って抜いてきて」なんて言うんです。そのときに「技工士ではなく、きちんと知識も技術もある"歯科医師"にならなきゃいけない!」って思いました。

でも本音は、高校時代まではレーサーになりたいという夢を持っていました。車が大好きで、浪人時代に大学受験を控えながらも車に乗っていて、気付いたら年間7万キロ走っていました。歯学部に合格してからは「仕事をしながら趣味で車に乗ろう」と決めて歯科の道に進みました。もし合格していなかったら、今頃レーサーになっていたかもしれません(笑)。

貴院の特徴は顕微鏡ですね?
特徴は顕微鏡当院ではすべての治療に顕微鏡を用いています。理由の1つは、肉眼やルーペでは光が届かず治療が難しい場所も治療ができること。次に、高倍率で患部を見ることができるため、歯の削りすぎや虫歯の取り残しなどを防ぐことができます。

また、治療映像をすべて録画しており、私が顕微鏡を通して見ている映像は、ヘッドマウントディスプレイで患者さんもタイムリーに見ることができます。治療終了後にその録画した映像を見ながら、今日はどのような治療をしたのか、お口の中がどのような状態なのかを説明できます。ただ、データ容量が膨大なので、ハードディスクが大量に必要となるのが最近の悩みのタネです(笑)。

歯科顕微鏡を使いこなすには訓練が必要なのではありませんか?
歯科顕微鏡を使いこなすには訓練が必要はい。顕微鏡治療は歯をミラーに映して行うことが多く、訓練が必要です。もちろん、私も初めから使いこなせたわけではありません。毎日のように顕微鏡に触れて訓練しましたが、それでも使いこなすまでに1年くらいはかかりました。顕微鏡治療には高度なテクニックが必要と言われますが「訓練すれば誰でも使えるようになるはず」だと思っています。

そもそも導入を決めたのも「自分の家族に施せるようなよい治療をしたい」という思いからでした。だからこそ、保険診療ではなく自由診療で治療していこうと決めたんです。保険診療が悪いとは思いませんが、自由診療ならもっとよい治療ができると考え今に至るという形です。


1人の患者さんに多くの時間を割いているとのことですが
1人あたり最低1時間半はとっていますそうですね。1人あたり最低1時間半はとっています。顕微鏡を使用した治療では、細部にまでこだわって治療を行います。たとえば、ピッタリと合致する被せ物を作るための歯型を採るにも一工夫します。

通常、歯肉が邪魔をしてしっかりとした歯型を採ることは難しいのですが、歯に紐を巻いて少ししてから紐を取り、わずかに開いた溝の歯型を採ることで、精密な歯型ができあがります。これを用いれば、ぴったりと合致する被せ物ができます。顕微鏡を使わずにこの処置を行っているドクターもいますが、実際には肉眼で見づらい部分も多々あるため、精度に不安が残ります。こうした細部にまでよい治療を施すためには、時間も必要ですし、顕微鏡が不可欠です。

顕微鏡治療は業界内でも有名ですが、導入しないドクターが多数です。何が原因だと思いますか?
顕微鏡治療は業界内でも有名だが、導入しない理由顕微鏡の導入にはそれなりの費用がかかりますし、技術の習得も必要です。先ほども述べたとおり、しっかりと顕微鏡治療を行おうとすると、1つの治療に非常に時間がかかります。

歯の根っこを保険診療で行うと、患者さんの金銭的負担は軽く済みますが、歯科医院にとって大きな収入とはなりません。つまり、保険診療を軸にすると、短時間で多くの患者さんを診なければ医院経営は成り立たず、顕微鏡治療はそれに逆行する形となります。逆に顕微鏡治療を軸にすると、自由診療に重点を置かざるを得ない形となってしまい、今度は患者さんが来なくなるというような問題が絡み合っています。

患者さんが顕微鏡治療の良さを理解すれば、それに見合った治療費に納得される方はたくさんいらっしゃいます。患者さんにその良さを伝え、顕微鏡治療をしている医院へ来院を促すと同時に、各クリニックへの顕微鏡導入と技術向上の指導などもしていきたいと思っています。私は患者さん向けに2か月に一度のペースで講演会を開催していますので、一度お聞きいただきたいですね。

患者さんは地域の方が多いのでしょうか?それとも遠方からの方が多いですか?
渋谷区からいらしている患者さんはほとんどいません当院に渋谷区からいらしている患者さんはほとんどいません。つい最近計算をしてみたら、渋谷区の人口20万人に対して、当院に来ているのは4人。つまり、約5万人に1人の割合でしか来院していないんです。

主に隣接区から来ている方が多いですが、中には仙台や静岡から来院される方もいらっしゃいます。これだけ遠方から来てくださることはうれしい限りですが、本来であれば各地域や都道府県に当院のような顕微鏡治療の医院があってほしいと思っています。

印象深い患者さんとのエピソードを聞かせてください
印象深い患者さんは何名かいらっしゃいます。ある方は治療後に「治療前は高額だなぁと思いましたけど、治療してみたら、正直こんな金額でいいんですか?」と言ってくださいました。「あ、じゃあもうちょっともらっていいですか(笑)?」って聞いたら「それはだめです(笑)」なんて方がいて、自分の治療に対して自信が持てました。

印象深い患者さんとのエピソードほかに、20代前半の患者さんが紹介で来院されました。その方のお口の中は決してよいとは言えない状態でした。初回の検査を終え、映像でお口の中を確認しながら説明し、概算書を作成しました。当然治療箇所が多いため、結構な金額に。当院は自由診療のため、保険診療に比べて値段は高額です。

その方は「私はサラリーマンで、正直この金額は払えません。でも、せっかく紹介で来たので、ここの歯だけ治療します。」と言って治療を受けました。後日「金額もかかりますし、今後の治療はどうされますか?」と聞いたところ「以前お見せいただいた金額で全部の治療を受けたいと思っています。でも一度には払えませんので、1年に1本など、長期間となるかもしれませんがお願いします。」と言ってくださり、今でも通院されています。

院長プロフィール山口 義徳院長<経歴>
1992年 日本大学松戸歯学部卒業
1997年 恵比寿に山口歯科クリニック開設
2010年 恵比寿で移転 保険外診療所としてOPEN

<所属学会・勉強会>
日本顕微鏡歯科学会 認定医
日本抗加齢医学会 認定医
日本口腔インプンラント学会 会員
日本歯内療法学会 会員
日本顎咬合学会 会員
顕微鏡歯科ネットワークジャパン コアメンバー

山口歯科クリニック 基本情報

住所 東京都渋谷区恵比寿南3-3-12 アージョⅠ 3F
電話番号 03-3792-2244
診療科目 根管治療・歯周病治療・インプラント・審美歯科・予防歯科・虫歯治療
診療時間 10:00~12:00/14:30~16:00
休診日 日曜、祝祭日、祝日がない週の木曜
アクセス JR恵比寿駅 西口より徒歩6分
東京メトロ 5番出口より徒歩3分

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2016年1月 8日

東京メモリアルクリニック・平山 佐藤 明男院長 (新宿) インタビュー

「薄毛治療のオピニオンリーダー 夢の治療毛髪再生医療をめざして」 東京メモリアルクリニック・平山 佐藤明男院長
「東京メモリアルクリニック・平山」の院長である佐藤明男先生は、10,000症例を超える薄毛治療の実績を持ち、毛髪再生医療を牽引するリーダーでもある。「小医は病を癒し、中医は人を癒し、大医は国を癒す。」という北里柴三郎の理想を追い求め、更に「夢の治療と言われた毛髪再生医療を実現したい」と語る佐藤先生のクリニックには、北海道から沖縄まで全国から患者さんが来院する。

薄毛治療のスペシャリストとして業界を牽引する佐藤先生から、毛髪治療に至る経緯から具体的な治療法などのお話を伺った。

佐藤 明男院長インタビューバイオエシックス(生命倫理)に関する新聞記事を読んだことがきっかけドクターを目指した経緯と、毛髪治療に行き着いた経緯を教えてください
高校生の頃にバイオエシックス(生命倫理)に関する新聞記事を読んだことがきっかけですね。当時は、赤ひげ先生のように医師が患者に奉仕するという原点から、段々とビジネスとして確立されてきた時代でもありました。そうした時代背景や新聞記事がきっかけとなり「医療というものを総括的に考えてみたい」と思い始めました。

医学部卒業後は形成外科に進みました。というのも、医学部に進んで生命倫理に関する研究をしようと思っていたとき、恩師から「一定期間でも臨床を経験した方が良い研究者になれると思うよ」とアドバイスをいただき、形成外科の臨床を選びました。

入ってみたら意外と面白かったのを覚えていますね。先天性奇形の治療を専門に2年ほど勤務し、そのあと大学に戻り、博士号の研究として培養皮膚の基礎研究をしました。ちょうど博士号の認定を受けたあとに留学の話があり、オックスフォード大学に留学。そのとき毛髪を専門に研究している先生に出会い、帰国後も毛髪研究を続けているといった経緯です。

毛髪治療はいつ頃から始めたのでしょうか?
1999年から毛髪再生医療の研究を始めました1999年から毛髪再生医療の研究を始めました。これは、試験管の中で毛包関連細胞を培養し再構築し、それを移植するといういわゆる『夢の治療』です。当時は広島大学との共同研究としてスタートしましたが、現在では北里大学、理化学研究所、当院での共同研究となっています。

毛髪の総合治療として、薬による内科的な治療から植毛などの外科的処置、最終的には再生医療までしていきたいと思っています。私が生きている間に、髪の毛の再生医療を実現できるよう頑張っているところです。

症例数がかなり多いそうですね?
データをまとめた豊富なデータベースを持っている症例数というより、患者さんのデータをまとめた豊富なデータベースを持っているんです。

過去に多くの患者さんを治療してきた先生たちはたくさんいますが、データベースとして管理している方はいませんでした。

現在、患者さん約5,000人のデータを保管しています。それを、年齢や性別はもちろん、症状・遺伝的要因・ストレス状況などを分類して研究しています。

具体的な治療方法を教えてください
基本的には、費用対効果のよい治療法を選択します。そのため、最初のステップは投薬を選ぶことが多いです。投薬で治る症状にも関わらず、外科的処置をするのはよくないですよね? 投薬で有効なものは、今のところプロペシア錠だと言われています。これは、全国どの医療機関でも同じものを処方することが可能ですが、それでも全国から患者さんが当院に集まってくれるのはうれしいことです。

当院に患者さんが集まるのは、全国的に専門家が少ないのが原因ではないかと考えています。専門家であれば、経験から症状の進行具合を予測し、対処することができます。そうでないドクターは「患者の希望どおり処方するだけ」ということもあります。更には、ほかのサプリメントを一緒に買わせるところもあるそうで、そういった話を聞くと悲しくなりますね。

基本的には、費用対効果のよい治療法を選択します

プロペシア以外の有効な治療方法や予防方法はないのでしょうか?
今のところ、医学的根拠のある方法はありません。シャンプーなどの広告も目にしますが、シャンプーに育毛効果はありません。また「血行をよくすると毛髪によい」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、私はよいわけではないと思います。

薄毛の原因は男性ホルモン。その男性ホルモンが頭皮でDHTという物質に変換されることで髪を細くしていきます。ということは、血行をよくすればするほど男性ホルモンが頭皮を巡るため、薄毛を促進させてしまいます。それに、頭皮はもともと血行がよいので、更に血行をよくする必要はありません。

外科的処置とはどういったものなのでしょうか?
主に植毛です主に植毛という手段です。まず、ご自身の後頭部辺りから頭皮を切除します。そして、その切除した頭皮に生えている毛髪の毛根を1つずつ切り分けていきます。

これがとても根気のいる作業で、テクニックも必要なんです。熟練した人でも1時間で500~600本くらいしか切り分けられません。その切り分けた毛根を、増毛したい箇所に植毛していきます。

ほかのクリニックでも植毛を行っているところはありますが、高い技術力を持つ先生は日本でほんの数名のように思います。技術力のある専門家が少ないという背景には、医学部では未だに男性型脱毛症を積極的に教えていないという現状があります。最近は皮膚科の教科書に少し出てくる程度で、国家試験にも出ません。その結果、教える先生もおらず、学ぶ生徒もいないため、専門家が育たないのです。

医院を平山先生から継承されたそうですが、平山先生も毛髪治療をしていたのでしょうか?
当初はアルバイト勤務でしたもともと女子医大の形成外科教授だった平山先生が設立された医院を私が継承しました。当初、人手不足のためにアルバイトとしてこの医院に勤務していたのですが、気がつけば院長となっていました(笑)。

平山先生も毛髪治療を行っていましたが、平山先生は火傷の専門で日本初の熱傷センターを創設するなど、熱傷治療の権威。どちらかといえば、そちらに重点をおいていたように感じます。私も熱傷治療に提供する培養皮膚などの研究をしていたこともあり、平山先生と馬が合ったのかもしれません。

相手の言葉を聞くことに気をつけています患者さんと接するときに気をつけていることを教えてください
相手の言葉を聞くことですね。どういうことを意図しているかをしっかり汲み取ることが大事。ただ薬を処方するのではなく、しっかりと対話をすることで治療に少しでも希望を持ってもらう。患者さんの眉間にシワが寄ったままで帰ってほしくないと思っています。

先生のポリシーを教えてください
私のポリシーは、安くてよい治療を提供する「安かろう・よかろう」ですね。そのため、当院ではあまり広告などは出していません。それでもここまでやってこられたのは「口コミ」だと思います。

私のテレビ出演を見て来院する方もいらっしゃいます。以前ある番組に出演したときは1,000人近くの患者さんが来院し、すべての新規の患者さんを診るのに何か月もかかりました。もちろん既存の患者さんもいらっしゃるため、予約が取りづらくなり、ご迷惑をかけてしまったと反省しています。

印象深い患者さんとのエピソードはありますか?
術後半年後からお見合いを始め、見事40歳の頃にご結婚された方もいます「失われていく恐怖」を感じている患者さんが多いように感じます。若い頃から薄毛に悩む方は「この先どうなってしまうのだろう」という恐怖を感じ続けます。

プロペシアは症状の進行を止めたり改善したりでき、その恐怖から開放されます。多くの方は、恐怖から開放されるだけで人生がだいぶ変わります。

ある男性の患者さんで、高校の教師をされている方がいました。その方は当時39歳。親から「お願いだから40歳までに結婚してくれ」と言われ「結婚できないのは薄毛のせいだと思うんです。時間もありませんがどうにかしてください。」と来院されました。時間もなかったため、プロペシアの処方と植毛をすることに。術後半年後からお見合いを始め、見事40歳の頃にご結婚されたそうです。

「男性は大変だよなぁ」としみじみ感じますほかに、自分のためではないケースもあります。60代の男性で、娘の結婚式で一緒にバージンロードを歩くのに「ハゲとは歩きたくない」と言われてしまったそうです。「カツラは変身しすぎて笑いが起きてしまうからそれもダメ」と。そこで、プロペシアで自然に増毛をし、結婚式にはちょうどよい具合に髪の毛も生え、娘さんに喜んでもらえたそうです。

あとは、30代の男性が小学生の娘に「ほかのパパはフサフサなのに、パパはハゲだから学校に来てほしくない」と言われたことがきっかけで治療を始めた方もいます。こういった話を聞くと「男性は大変だよなぁ」としみじみ感じますね(笑)。

休日のリフレッシュ方法はありますか?
趣味が料理で、休みの日はたいてい料理をして過ごします。昔はダイビングなどもやりましたが、もう体がついていかなくなりましてね(笑)。朝から晩まで「今日は何を作ろうか」と考えながら買い物に行き、料理を作りながらワインを飲み、ほろ酔い気分に浸りながらマッタリとした日を過ごすと「休日を満喫したなぁ」と感じます。

多くの実績を持つ先生が思い描く、理想の医師像をお聞かせください
私は北里大学出身ですから、創設者の北里柴三郎先生のような医師になりたいです。彼は研究所を作るなど、世の中に大きく貢献しました。また「小医は病を癒し、中医は人を癒し、大医は国を癒す。」と述べたそうです。これは『病気を癒すことは医師免許を持っていれば誰でもできる。そこからステップアップするなら、病気だけでなく、その人の心も含めた人生やその周りをも癒やせるようにならなければいけない。そして最終的には、一個人ではなく国民全員を癒せるような医師になりなさい。』という教えです。

私もこの教えを胸に日々診療にあたっており、研究している毛髪再生医療が薄毛に悩む方の希望になればと思っています。口で言うことは簡単ですが、実現するにはなかなか難しいものです。でも、私の目の黒い間に何とか実現させようと思っていますから、あきらめずに頑張ります。

院長プロフィール佐藤明男院長<経歴>
1989年 北里大学医学部卒業と同時に形成外科研修医

1995年 日本形成外科学会認定医取得

1997年 医学博士号取得(専門は培養皮膚)

1998年 厚生省高度先進医療推進事業にて国費留学
      オックスフォード大学医学部客員研究員

2001年 東京メモリアルクリニック・平山院長

<主な院外業務>
北里大学医学部寄附講座再生医療形成外科学 教授
横浜市立大学医学部形成外科学 非常勤講師

<関連学会>
日本形成外科学会  認定医
日本レーザー医学会 専門医
日本臨床毛髪学会  常任理事

東京メモリアルクリニック・平山 アクセスマップ

住所 東京都渋谷区代々木2-16-7 山葉ビル2F
電話番号 03-5351-0309
アクセス JR新宿駅南口より徒歩7分
診療科目 形成・美容一般、レーザー、頭髪治療
診療時間 10:00~13:00/14:00~18:00(火曜は17時まで、土曜は16時まで)
休診日 日曜、祝祭日

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2016年1月 7日

笠茂歯科医院 笠茂 享久院長 (代々木) インタビュー

「全身の不調を改善する噛み合わせ治療、豊富な経験に裏打ちされた治療法とは」 笠茂歯科医院 笠茂 享久院長
大通りから少し住宅街へ入った場所に位置する笠茂歯科医院は、平成元年の開業以来、地域の患者さんを支えてきたホームドクターだ。院内には最新の設備を揃えており、地域の患者さんだけでなく、遠方からもたくさんの患者さんが来院するという。

「止められないと、いくらでも話してしまうんです(笑)」そんなお話好きな笠茂先生に、噛み合わせや「医療はサービス」と語る理由から人生訓まで幅広いお話を伺った。

笠茂 享久院長インタビュー専門は一般歯科先生の専門を教えてください
主には一般歯科ですが、私が主宰している講習会のテーマは"重力と咬合"なので専門は『噛み合わせ』となります。ただ、あくまで一般歯科ですから、虫歯などの保険治療の方もいらっしゃいます。

なかには「どこの歯科医院に行っても治らないから来た」という患者さんもいます。先日、噛み合わせの不調の相談の最中に失神してしまい、ユニットから落ちてしまった方もいました。お口の中はとても敏感で、合わない被せ物などを入れて噛み合わせが悪くなると、体に大きな影響を及ぼすことがあります。

もともとは歯科医師が行った治療なのに「なぜこうなったのか」というロジックを導き出せず、原因がわからず、さらに間違った方向に治療をしてしまう。その繰り返しでどんどん異常をきたしてしまうのです。私は今までの治療経験からさまざまなパターンを考え、難しい症例も治療してきました。それがわかるのか、最終的に当院を頼ってくる方も多くいらっしゃいます。

なぜ噛み合わせを専門にされたのでしょうか?
大学院で組織、発生学を学んでいくうちに「歯科治療のポイントは噛み合わせだろう」と思い始めました。大学院を卒業して勤務医となり、さまざまなセミナーに行きました。その中でも生理咬合というセミナーで「噛み合わせとはこういうことだったのか」と目からうろこが落ちました。

しかし、先生の言うとおりに治療してもまったくうまくできず紆余曲折している中で、ある整体の先生と出会いました。その先生は、全身咬合学会で唯一の歯科医師以外の常任理事。歯科や全身のことにとても詳しい方でした。その先生や多くの噛み合せの勉強をしている先生たちにさまざまなことを教えていただき、全身と咬合の関係を学びました。今行っているメインの治療は筋肉を触って噛み合わせを探りながらの治療なのですが、こういった治療はそういった先生たちとの関わりの中で学んできました。

院内写真院内風景

歯磨き指導に力を入れていると伺いました
診察室当院では、初診の際に必ず歯磨きチェックをします。まず、患者さんの口の中から取ったプラーク(歯垢)に存在する細菌を、顕微鏡を使って見せます。こうすることで、患者さんに歯磨きの大切さを理解していただければいいなと考えています。

歯磨きの大切さはそれだけではありません。実は、歯磨きをすることによって顔の形が変わるのです。人間の食事は基本的に柔らかいものが多く、あまり噛まなくても嚥下できます。そのため、使っていない顔の筋肉がだんだん硬直し、顔のバランスが悪くなってきます。それが、歯磨きでていねいに刺激するだけで筋肉の硬直が和らぎ、顔のバランスがよくなります。磨き方が正しければ効果が出てきますので、特別な歯ブラシを使う必要はありません。当院で使っているのは100円の歯ブラシですが、患者さんから「とても使いやすい」と好評で、何十本も買っていく方もいらっしゃいます(笑)。

どの患者さんも歯磨きで顔の印象が変わるのですか?
ほとんどの方が変わります。あまり変化がみられない方は、足に問題がある場合もあります。

歯磨きで顔の印象が変わります我々は重力の中に存在していますから、大地に接している部分が一番重要です。そのため、大地に接しているところに異常があれば、上部でバランスを取る必要があります。そうなると、頭の位置を変えて歯でストップさせ、バランスを取るしかありません。そのための食いしばりなどによって歯や顎に異常が出て「痛い」となります。

足の治療方法は、ずばりマッサージです。足の中指の根元を重点的に揉むことにより、全身のゆがみが取れて不快症状が消えます。継続して行うことが大切ですが、1回で瞬時に変えることもできます。瞬時に変えるときは私がマッサージしますが、皆さん、痛くて暴れます(笑)。

お口の中に治療歴がない方や保険の治療で噛み合わせが悪くなった方は、足の中指の根元をマッサージすることでよくなります。逆に、自費の治療で噛み合わせを変えられてしまった方の治療はマッサージでは難しく、治療に日数もかかってしまいます。だから私は天然の歯を極力いじらないようにしており、常に「何かほかに解決法はないのか」と考えています。

最後に先生を頼る患者さんが多くいらっしゃるそうですが、先生が治療において大切にしていることは何でしょうか?
患者さんの訴えを聞く「問診」を大切にしています医療は診断以外にありません。診断を出すために診査や問診がありますが、その中で一番重要なのは患者さんの訴えを聞く「問診」です。何が原因で悪くなってしまったのかということは、その方のお話の中から探っていくしかありません。

特に噛み合わせの問題となると、最初の診断を間違えてしまうことで治療が難しくなり、長引いてしまいます。「異常が起きたのはいつから?」などと聞くことがとても大事なのです。

このようにしっかりと問診を行った上での診断がされている患者さんとされていない患者さんとでは、治療効果に天と地の差があります。ですから私は、患者さんのお話をしっかり聞き、きちんと原因を追求し、説明することを大切にしています。

最新機器がたくさんありますね
いつの間にかほとんど揃いました平成元年に開業し、当初から必要な機器を買っていたら、いつの間にかほとんど揃いました。ここは線路が近くて揺れるため、マイクロスコープだけは置いていません。必要な患者さんには、ほかの医院を紹介しています。

もちろん、院内感染症対策も徹底しています。治療に使う水は、唯一インフルエンザに効くと言われている「次塩素酸水」。お口をゆすぐ水としても使用しています。滅菌器もヨーロッパの最新機器を使い、治療に使う器具類はすべて滅菌します。さらに、歯を削る際にばい菌が飛び散らないように、それを吸い取る機器も導入しています。当院は、院内設備や院内環境にとても気を使っていますから、これからも必要だと思う機器などがあれば増えていくと思います(笑)。

先生が考える歯科治療とは何でしょうか?
歯科治療は医療サービスだと思います歯科治療は医療サービスだと思います。患者さんの要求に対して、その要求を改善するための技術を提供し、患者さんが納得すれば利益を得られます。患者さんの要求は「自分の健康を何とかしてほしい」ということ。その原因を取り除いてあげれば、そのほかのことは必要ないと思います。

患者さんは字の如く『心』に『串』が刺さっている状態ですから、その串をピッと取ることが大事なのだと思います。

また「ホワイトニングや審美歯科は歯科治療ではない」と言っている人もいますが、その患者さんが気兼ねなく口を開け、歯を見せてたくさん笑えるようになれば、それも立派な治療だと思います。私はこれからもサービス業として、多くの方のお悩みを解決できる医師でありたいと思いますね。

読者にメッセージをお願いします
よい治療を受けるためには、医者選びが重要よい治療を受けるためには、医者選びが重要だと思います。いかによい先生に出会えるかが問題です。人の出会いがうまくいくかは、自分が真っ当に生きているかどうか。たとえば、歩きスマホはしない、人に迷惑をかけない、ということですね。

また私は「ラッキーと思ったときはアンラッキーと思え」と言っています。自分の心に恥じて行動すると、将来絶対に自分に返ってきます。人に迷惑をかけず、人に尽くす。医者との相性はありますが、よい先生に出会えるかは日頃の行いだと思います。ですからみなさん、よい縁を得られるように善行をしましょう(笑)!

院長プロフィール笠茂享久院長<経歴>
1956年 北海道生まれ

1981年 日本大学歯学部 卒業

1985年 日本大学歯学部大学院卒業 博士号取得

1989年 笠茂歯科医院 開院

1998年 生体構造調律研究所 開設

<著書>
歯医者さんが書いた「歯とカラダの本」 オークラ出版
「歯はいのち!」 文藝春秋
「歯はいのち!」の文庫版 文春文庫
「アポロニア21」月刊歯科雑誌で
 咬合力学をテーマに42回(3年6ヶ月)連載

笠茂歯科医院 基本情報

住所 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-5-3
電話番号 03-3355-3987
アクセス JR中央線 千駄ヶ谷駅・代々木駅より徒歩7分
地下鉄副都心線 北参道駅より徒歩5分
診療科目 虫歯治療・歯周病治療・予防歯科・審美歯科・顎関節症・噛み合わせ・入れ歯
診療時間 10:00~13:00/14:30~19:00
休診日 土曜、日曜、祝祭日

患者さんの声(口コミ・評判):4件評価:★★★★☆(5段階中4)/女性
口が開かず、大好きなハンバーガーを食べられなくなったのでお世話になりました。ブラッシング指導と口腔内のマッサージ、左足の中指根元両脇のマッサージのみの治療でしたが、治療後にはウソのように口が大きく開くようになりました。これからハンバーガーを食べるのが楽しみです。ありがとうございました。

評価:★★★★★(5段階中5)/女性
「足の中指もみ」などのマッサージを続けるうちに、体がみるみる健康になっていきました。長年の悪い癖だった猫背が治り、顔の左右のバランスも整い、ほうれい線も浅くなっていきました。足指をもむようになってから私の体は、現状維持どころか若返ってきています。こんなにすばらしい方法を教えてくれた笠茂先生には感謝の思いでいっぱいです。

評価:★★★★☆(5段階中4)/女性
足の中指もみでびっくりするほど小顔になりました!首や腰の痛みも改善し、慢性鼻炎まで良くなりました。


評価:★★★★☆(5段階中4)/女性
30年来の肩こりから開放されました。体のゆがみも取れ、足の中指もみの効果を実感しました。足のつけ根が硬くなっているときは、調子が悪い証拠というふうに体調を判断できるようになったこともよかったと思っています。

丸山矯正歯科 丸山 浩二院長 (恵比寿) インタビュー

「恵比寿で最も歴史のある矯正歯科となった理由を探る」 丸山矯正歯科 丸山 浩二院長
恵比寿駅から徒歩8分ほどの丸山矯正歯科。2015年で開業23年目を迎える。今では恵比寿で最も歴史のある矯正歯科だが、院内に入ればきれいで落ち着いた内装に、受付の方は笑顔で迎え入れてくれる親しみやすさを感じる医院。

「スタッフがいなければボクは何もできないですから」と言葉を噛み締めながら謙遜する丸山先生は、やさしい笑顔が印象的。そんな丸山先生に、恵比寿で最も歴史のある矯正歯科となった秘訣をお話ししていただいた。

丸山 浩二院長インタビュー患者さんにはわかる言葉でていねいに説明をしていますライバルも多い恵比寿という地で長年続けてこられた秘訣がある中で、患者さんに対して特に気を付けていることを教えてください
「こんなのは当たり前でしょ」という感覚はいけないということ。これは患者さんから学びました。

ある患者さんで、上の歯に装置をつけていて今度は下の歯にも装置をつけることになりました。そこで私が「今度は下の歯にもつけますね」と言ったところ、その方は「え?何をつけるんですか?」と言われたのです。そのときにハッとしました。

今までは「つけると言ったら"装置"に決まっているだろう」そう思っていましたが、患者さんにとってはわからないことだらけ。歯科医師の自分にとっては当たり前のことでも、患者さんにはそうではないことを実感しました。そのため、患者さんにはわかる言葉でていねいに説明をしています。

具体的にはどのような説明をするのですか?
矯正装置をつけると、かなりのストレスとなります矯正装置をつけると、お口の中の環境が大きく変化します。たとえば、試験直前に装置をつけるとかなりのストレスとなります。これも踏まえて、夏休み中に装置をつけ、新学期が始まった頃にはある程度慣れた状態で通学を開始できる。そのようなことまでしっかり説明した上で治療を進めていきます。

また、何か新しいことを始めるときは、患者さんに選んでもらわなければなりません。その選択肢を増やすために、十分な説明は欠かすことができません。常にそう考えていますが、まだまだ説明が足りなかったと反省することもあります。

医療では信頼関係が重要視されますが、丸山先生はどのような点に配慮していますか?
治療以外の話もするようにしていますそうですね。矯正治療は患者さんと長くお付き合いするため、通うのが億劫になってはいけないと思っています。そのために、治療以外の話もするようにしています。そのおかげなのか、信頼関係が構築できてくると「先生、僕、このあと合コンなんですよ」なんて患者さんもいらっしゃいます(笑)。

ほかに、子どもの歯型採り(印象)もすべて私自身が行います。特に子どもは「苦しい」「痛い」といった体験をすると「歯医者=行きたくない」と思ってしまいます。そのような経験をさせないためにも、細心の注意を払って私自身が責任を持って行いますし、治療以外の話も積極的にするようにします。スポーツや新幹線の話などにも精通しなければならず、情報収集は欠かせません(笑)。

「痛い」「苦しい」といった経験をさせないために必要な技術の勉強方法について教えてください
よく勉強会に参加しています。歯科医師として、どのような症例にも真摯に向き合い「この症例は治らなくても仕方ないと」いう考えはあってはならない。そのために、新しい技術を日々柔軟に取り入れることも必要だと思っています。

開業して20年以上となると、地域の患者さんが多いのでしょうか?
埼玉の熊谷や大宮、福島から来る患者さんもいます恵比寿から来る患者さんは比較的少ないです。場所柄かもしれませんが、電車で通院される方が多いですね。埼玉の熊谷や大宮、少し前は福島から来る患者さんもいらっしゃいました。

見方を変え、月に1回矯正治療を理由に東京観光ができると思えば、恵比寿という土地はよい付加価値なのかもしれません。それにしても、遠方から通っていただけることは非常にうれしいことです。

長年続く先生のもとでは、スタッフさんとの関係で何か気を付けていることはありますか?
私は、本当にスタッフに恵まれていると思っています。スタッフがいなければ、私は何もできないですから。週末の診療では、お昼ご飯をスタッフ全員にご馳走するなど、気を使っているつもりです。今後もこういった関係を続けていきたいと思っています。

記者まとめ:23年以上この地で治療を続けてきた秘訣23年以上この地で治療を続けてきた秘訣今回の取材をとおして、恵比寿という歯科医院が多い地で23年以上もの間、矯正歯科として治療を続けてきた秘訣は、丸山先生の人柄に加え、日々進歩のために勉強を怠らない真摯な姿勢だということを強く感じた。

「歯科医師として、どんな症例にも真摯に向き合い、この症例は治らなくても仕方ないという考えはあってはならない」その言葉に胸を打たれた。

「ほかに行ってもだめだったけれど、丸山先生のところで治ったよ。そう言われたいじゃないですか。」やさしい笑顔でそうおっしゃる先生。勉強会に積極的に参加され、日々進化する治療法も柔軟に取り入れる姿勢。これこそが歯科医師のあるべき姿だと強く感じた先生だった。

院長プロフィール丸山 浩二院長<経歴>
1960年 東京に生まれる

1985年 日本歯科大学卒業
      日本歯科大学矯正学教室助手となり、 矯正専門に臨床を学ぶ

1993年 日本歯科大学矯正学教室退職
      恵比寿に恵比寿丸山矯正歯科開設

<所属学会>
日本矯正歯科学会(適格)
東京矯正歯科学会
甲北信越矯正歯科学会
日本歯科医師会
東京都歯科医師会
渋谷区歯科医師会

丸山矯正歯科 基本情報

住所 東京都渋谷区恵比寿4-23-8 甲賀ビル201
電話番号 03-5448-1418
0120-441-418
アクセス JR山手線、JR埼京線:恵比寿駅 東口
東京メトロ日比谷線:恵比寿駅 1番出口
JR山手線:目黒駅 西口
東京メトロ南北線、都営地下鉄三田線、東急目黒線:目黒駅 中央口
診療科目 矯正歯科
診療時間 10:00~12:30/14:00~19:00
休診日 月曜、日曜、祝祭日

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医療法人社団崇敬会 辻デンタルクリニック 辻 敦之院長 (渋谷) インタビュー

「選択肢を増やすのも歯科医師の仕事 患者さんの「納得した治療」ができる秘訣とは」 辻デンタルクリニック 辻敦之院長
道玄坂を登り切った場所に位置する医院を構える『辻デンタルクリニック』。
「治療だけでなく、患者さんの選択肢を増やすことも歯科医師の大きな仕事です。」そう語る院長の辻先生は、患者さんを第一に考える優しい笑顔が印象的なドクターだ。

地域に密着し今年で開業8年目を迎えるという院内は清潔感に溢れ、笑顔のスタッフが出迎えてくれるので誰でも安心して通うことができる。

地域の患者さんを支えるクリニックとして、『どのようなスタンスで診療しているのか。』『ノンメタル治療とはどういったものなのか。』などたくさんのお話をお聞きした。

辻 敦之院長インタビュー歯科医師になったキッカケ歯科医師になったキッカケを教えてください。
もともと私の家系は、親戚も含め、医師・歯科医師・薬剤師など医療系の一家でした。特に後を継いでくれということはありませんでしたが、物心つく頃には「自分も医療系に進むんだろうな」と思っていました。

なぜこの地で開業しようと思ったのですか?
開業前は池袋の歯科医院に勤めていて、その頃から「開業するなら23区内に」と思っていました。さらに言えば、23区内でも特に有名な地で開業したかったんです。と言うのも、私は大阪出身ですので「大阪の知り合いにもわかる場所がよかった」という気持ちがあったからです。開業地を探しているときにこの場所が出てきて、渋谷ならよいだろうと思って開業を決めました。

開業されて何年目でしょうか。ここまで支持されてきた秘訣を教えてください。
開業してから今年で8年目開業してから今年で8年目です。秘訣と言っても、あまり自信がないので特にそういったものはない気がします(笑)。「明日には患者さんが来なくなるかもしれない」と思っているぐらいですから。

強いて言うなら『患者さんの話をよく聞く』ようにしています。それに、とことん説明します。必要があれば、説明を聞くためだけに来院することがあってもよいと考えています。たとえ「インプラントがいい!」という患者さんでも、保険診療の説明をしますし、インプラント以外の自費診療の説明もします。患者さんには、たくさんの選択肢の中から納得したものを選んでほしいんです。

そのため、セカンドオピニオンもするべきだと思います。当院の意見だけでなく、ほかの医院でも意見を聞いた上で、患者さんが納得できる場所で治療をしてほしいからです。その上で、当院に治療を任せてもらえるなら、そのときはもちろん全力で治療します、というスタンスで診療しています。

そうなると1人の患者さんにかなりの時間をかけることになりませんか?
説明は必要だと思っていますそういう場合もあります。その結果、ほかの患者さんを待たせてしまうこともありますが、それでも説明は必要だと思っています。「ほかの患者さんがいるので」と説明を切り上げてしまっては「待たないというメリット」はあっても「納得した治療のメリット」は得られないと思っています。

患者さんには納得した治療を受けてほしいので、患者さんの話をしっかり聞いたうえで、必要なことは時間を使ってでも説明するようにしています。

先生が行っているノンメタル治療とはどういったものなのでしょうか?
院内今までの保険診療では、基本的に金属を使用して治療します。ここで使用する金属は「合金」と呼ばれるもので、さまざまな物質が含まれています。10円玉などの硬貨を思い浮かべるとわかりやすいかと思いますが、金属は鋳造されたときからイオン化によってサビ始めます。

保険診療の被せ物などは土台にそういった金属を使用しているため、極端な話で言えば、10円玉をずっと舐め続けているようなものです。しかもいろいろなものを食べるため、お口の中は酸性になったりアルカリ性になったり、金属にとってはかなり過酷な環境と言わざるを得ません。長年そういった環境にさらされた金属はサビて溶け出し、健康に害を及ぼす場合があります。私自身、自分が治療するなら金属は入れたくないと思って、ノンメタル治療を行っています。

そういったことも患者さんに説明されるんですね。
保険診療を希望する患者さんにもメリット・デメリットを理解した上で選択してほしいはい。保険診療を希望する患者さんにもメリット・デメリットを理解した上で選択してほしいので、この説明はします。誤解のないように言うと、自費診療にもデメリットはありますし、保険診療が悪いというわけではありません。審美性や機能を追求するのであればもちろん自費診療ですが、コスト面がデメリットと言えます。一方で「噛めるようになる」という機能面の回復とコスト面で考えれば、保険診療が最高のものと言えるでしょう。

これは師匠からの受け売りなんですが「患者さんが保険診療にするか自費診療にするかをこちら(医師)が決めてはいけない」ということを胸に診療しています。これは、値段にフォーカスするから「あの患者さんは自費になりそうもない」と思ってしまうことであって、本来の自費診療は値段以外のメリットがあるからこそ成立しているのです。それを患者さんにしっかり提示した上で、患者さんに選択してもらうのが正しい形だと思います。

「どうしてもこの症例にはこの治療や素材がよい」という場合には多少自費の素材を勧める場合もありますが、説明した上で患者さんが保険を希望するときには、患者さんの意見を尊重し、可能な限り保険で治療をしています。

ノンメタル治療をやろうと思ったキッカケは?
もともとは勤務医時代の師匠の教えもともとは勤務医時代の師匠の教えです。ノンメタル治療を知って勉強するようになり、学会の発足から関わっていました。今では評議員という立場です。発起人でもなく、たまたま初期メンバーだったというだけですが(笑)。勤務医時代は師匠に言われるがまま勉強していましたが、学会などでほかの医師と関わったり研究を聞いたりしていくと「教えは間違っていないんだな」と改めて感じ、今でもノンメタル治療を掲げて診療しています。

先生の診療ポリシーを教えてください。
歯科医師に治療技術があるのは当たり前です。「神の手」しかできない治療はさておき、ほかの人でもできる治療、やった方が確実によくなることがわかっている治療、それは確実にできなければなりません。「やらない」と「できない」では大きな差があります。そういった避けられない治療のためには医院を1日閉めてでも研修をやるべきだと思っています。また、技術はもちろんですが、患者さんの話をしっかり聞き、選択肢を増やすための知識を患者さんにしっかりと伝えるのも歯科医師の大きな仕事だと思っています。

選択肢を増やすための知識を患者さんにしっかりと伝える

私の知り合いの先生でめちゃくちゃ患者さんが来ている先生を知っています。「自分とは何が違うのか」と考えてみると、その先生は患者さんの話を本当によく聞いているんです。もう私なんかは「全然短いね」と言われてしまうくらいです。私も、どんな人であれ、どんな状況であれ、きちんと話を聞いて説明することが大事だと思っています。

歯科医師としてのやりがいを感じるのはどんなときですか?
引越しをしても通院してくれる方がいます駆け出し時代にはできなかった治療ができるようになった頃、歯がボロボロで「最近の食事はプリンと豆腐とババロアの3種類のローテーションなんです」という、食事もまともにできなかった患者さんを治療したことがありました。数年経ってその患者さんがまた来院してくれたときはうれしかったですね。ほかにも、開業当初からの患者さんで、引越しをしても通院してくれる方がおり、そのときも歯科医師としての喜びを感じました。

しかも、歯科医師は治療をしてお金をもらう側なのに、患者さんから「ありがとう」と感謝されます。普通はお金をもらう側が「ありがとう」と感謝しますよね。人様に喜んでもらえるようなことをして生活できる。そんなところにも歯科医師としてのやりがいを感じます。

患者さんは地域の方が多いのでしょうか。それとも遠方からの方が多いですか?
アメリカに住んでいる日本人の方で、通院してくれている患者さんもいらっしゃいます。その患者さんもリップサービスで「先生に会いに帰ってきているんやで(笑)」なんて言ってくれます。リップサービスとわかっていてもうれしくなりますね。
基本的にはこの近隣の方がいらっしゃいます。渋谷よりも、特に神泉寄りは住宅街ですので、そちらから来る方が多いです。

先生の今後の展望をお教えください。
今後も地域医療に貢献していきたい私は地域医療が楽しいと感じますので、そこをずっと担っていきたいと思っています。そのためにも「患者さんの話をきちんと聞く」というスタンスは続けていきたいです。

誰しも「聞いているようで、聞いていない」となりがちです。私自身もそうですが、スタッフにも徹底し、今後も地域医療に貢献していきたいと考えています。

院長プロフィール辻敦之院長<経歴>
2004年3月 奥羽大学歯学部 卒業

2004年4月 奥羽大学歯学部 補綴学第二講座 入局

2005年4月 島本歯科診療室 勤務

2008年5月 辻デンタルクリニック 開院

<所属学会>
日本顎咬合学会 認定医
日本補綴歯科学会 会員
メタルフリー歯科臨床学会 認定医及び評議員

辻デンタルクリニック アクセスマップ

住所 東京都渋谷区円山町5-5 Navi渋谷V-1F
電話番号 03-6272-3946(サンキューシロイハ)
診療科目 一般歯科・歯周病科・口腔外科・インプラント科・審美歯科・予防歯科
診療時間 10:00~13:00/14:30~21:00(土曜は19時まで)
休診日 日曜日・祝日
アクセス 神泉駅より徒歩3分
東京メトロ 2番出口より徒歩5分

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代々木上原駅前矯正歯科 國母 英一院長 (代々木上原) インタビュー

「一人だからこそできる治療 地域のアットホームな医院に迫る」 代々木上原駅前矯正歯科 國母 英一院長
代々木上原駅前矯正歯科は、小田急小田原線と東京メトロ千代田線が乗り入れる、利便性豊かな代々木上原駅の目の前に位置している。ユニットは1台のみで、ほかの患者さんとバッティングすることのないよう配慮された医院だ。取材日にはクリスマスツリーが飾られていた。院長自ら季節に合わせて装飾を変えているそうで、アットホームな医院として親しまれている。

朝早くから診療をしており、出勤前に寄ることもできる。多くの患者さんが来院できるよう診療時間を長くしているという國母先生は、患者さんを第一に考えた姿勢が随所に伺える。そんな國母先生に、思い出深いエピソードや噛み合わせに関する興味深いお話を伺った。

國母 英一院長 インタビューきっかけは、大学の卒業テストの時期なぜ矯正歯科医になろうと思ったのですか?
きっかけは、大学の卒業テストの時期でした。卒業テストに向けて補綴や口腔外科など色々な科を経験し、課題を提出するんです。たまたま私が担当した患者さんは「すきっ歯」の患者さんで、テストの課題としてその補綴物を作ることとなりました。

すきっ歯でしたから、隙間を埋めて見た目もよくなるよう製作して補綴物を提出しました。その結果、驚くことに、担当の指導医にその埋めた部分をバッサリと切り落とされて「これでいいんだ」と言われたんです。

そのときに「じゃあ、もとの歯を動かせばいいんじゃないか」と考えました。それならば歯並びを治す勉強をしてみようかと思い、矯正を選びました。今は『矯正をすることによって、患者さんがよりよい人生を歩んでいってほしい』と思って治療にあたっています。

院内お一人で診療されているとのことですが、1日の患者さんは何人ぐらいですか?
そんなに多くの方を診ることはできませんね。過去には、朝から晩まで頑張って20人くらい診たこともありました。人数を多く診たのは、ワイヤーのチェックや取り外し装置のチェックなど、治療が軌道に乗っている患者さんが多いときです。逆に、新たに矯正装置を装着するなど時間がかかる方ですと、人数を多く診ることは難しいです。

当院の診療時間が長いのは、多くの患者さんにいらしてほしいから。朝は7時から診療しているため、出勤前に立ち寄る方も多いです。あとは、学校終わりの夕方の時間が多いですね。どうしても混み合う時間帯がありますが、ユニットは1台しかありません。患者さんを分散させるためにも、診療時間を長くしてニーズに合わせるよう頑張っています。

学校終わりの患者さんも多いとなると、近隣の方が多いのでしょうか?
近隣というよりも、駅が近いですから、自宅から離れても通ってくださる方が結構います。子どもの患者さんが多く、1人で電車を乗り継いで来る子もいます。自宅から距離があっても、塾へ行くのと同じ感覚で来院する子が多いのだと思います。

あとは、乗り換えのついでにいらっしゃる方もいます。代々木上原駅は乗り入れがあり、アクセスしやすいようで助かっています。駅の目の前ですから、多少の雨なら傘なしでも濡れずに来れますよ(笑)。

親子二代で通ってくださる患者さんがいます印象深い患者さんとのエピソードはありますか?
ここで開院して10年経ちますが、親子二代で通ってくださる患者さんがいます。神奈川の遠くから来る患者さんなのですが、そのお母さんは若年性の歯周病で、治療で苦労をされた方でした。そのため、子どもには同じ思いをさせたくないとお子さんを連れてきました。

話を聞いてみたら、以前そのお母さんに「子どもが生まれたら何歳から矯正すればいいですか?」と聞かれて、私が「3歳になったら連れてきて」と言ったから連れて来た、と言うんです。

正直、私は3歳と言ったのはあまり覚えていませんでした。それを覚えていて、本当に連れてきてくれたことに感動しました。それだけしっかりしたお母さんが患者さんでよかったと思います。

3歳というのはどういった理由があるのでしょうか?
不正咬合は、乳歯列が完成した段階である程度わかってきます。唇の強さや舌の癖、呼吸、唾液の飲み込み方などから歯並びが悪くなってきます。歯並びだけでなく、癖の問題があるかどうかも3歳くらいになるとある程度わかるようになります。

また、乳歯列の時期からしっかり通院することで、虫歯などのチェックや予防処置もしながら歯列を守っていくことができます。これも矯正の役目であると思っています。矯正とは、歯だけでなく、一口腔単位で考えるもの。『なってほしい形』に誘導していくのは簡単ですが、虫歯や歯周病など『なってほしくない』要素を取り除いていくことも重要だと思います。

成人矯正と小児矯正、どちらが難しいのでしょうか?
どちらが難しいということはありません。私の師匠は「早期に治療を始めれば顔はあなたの考えに適合してくれる、治療が遅れるとあなたの考えを体に合わせよ」とおっしゃっています。

受付子どもは成長を利用できるというメリットがありますが、大人の場合は成長が終わっているため、その顔に合った歯並びを作らなくてはなりません。成長があれば顔を治すことができますが、その段階でよい方向に誘導していくことと悪くならないようにするという両方が必要です。

矯正治療において機能不全の問題は非常に大きく、後戻りは避けては通れない道です。後戻りをしてしまう一番の問題は、呼吸と嚥下。ここが安定しなければ、せっかく矯正治療をしても後戻りしてしまいます。

そのため私は、一番大事な呼吸と嚥下も指導しています。嚥下の問題が特に大きいウェイトを占めている症例に関しては「今日は舌の訓練の日」と、舌の訓練だけで来てもらうこともあります。そうすることによって『この訓練は矯正治療においてとても大切』ということをわかっていただきたいんです。

機能不全とは具体的にどういったことですか?
機能不全の代表的なものは口呼吸です機能不全の代表的なものは口呼吸です。口で息をすると姿勢が変わります。たとえば鼻詰まりのとき、背筋を伸ばすと息苦しさを感じるため、猫背になることで呼吸を楽にします。そうするとオトガイ筋が引っ張られて顔は面長となり、顎は発育せずにどんどん下に向かって成長していき、出っ歯となってしまいます。さらに、姿勢が崩れることによって舌が歯と歯の隙間に入る癖ができて習癖となってしまいます。

姿勢・習癖・筋肉・嚥下、これはサイクルで、1つでも狂うとすべて狂ってしまいます。そのため、単純なアレルギー性鼻炎なども歯並びに影響を及ぼします。歯だけでなく、歯科医師としてそういったことも診ていくのが仕事だと思います。

開業された理由を教えてください
長いこと下北沢に住んでおり、下北沢近辺で開業したいな、と頭にありました。たまたま代々木上原の物件が空いたとの連絡があり、見た所がここでした。もともと「開業するときは、1つの予約枠に患者さんは1人だけ」という治療がしたかったので、ユニットを何台も置くつもりはありませんでした。

ここはそんなに広くはありませんが、ユニット1台で自分の理想とする治療ができるのではないかと思って決めました。

診察室医療機器

どういう歯科医院がよいのか、歯科医院を選ぶポイントを教えてください
やはり診断でしょうね。診断がしっかりしているかどうかだと思います。たとえば口腔内写真にしても、横を取っている人は多いですが正面を取っている人は少ないです。

私は、患者さん一人ひとりに対して治療目標を作っています。その方が治療後にどういう顔になるのかを計算し、そのためにどのくらい歯を動かすのかまで計算して出しています。ただ、数値のままだと患者さんがわかりにくいため、計算して出したものを最終的に絵にして表現しています。

さらに当院では、患者さんに今の治療がどういう状況かを書いたものを紙でお渡ししています。目で見てわかれば、患者さんの励みになるのではないかと思っているからです。正直なところ結構手間がかかりますが、その治療目標を見れば「少し治療が遅れているな」「このケースだとここが注意事項だ」ということがすぐにわかるため、これからもずっと続けていきたいですね。

院長プロフィール國母英一院長<経歴>
1988年 神奈川歯科大学卒業
1988年 東京歯科大学矯正科勤務
1993年 都内矯正歯科医院勤務
2006年 代々木上原駅前矯正歯科開院

<所属・資格>
渋谷区歯科医師会会員
医療管理委員
日本矯正学会会員
東京矯正学会会員
Biopogressive Study Club 学術担当理事
Gujino コース フィロソフィーコース インストラクター

代々木上原駅前矯正歯科 基本情報

住所 東京都渋谷区西原3-11-6 杉本ビル2F
アクセス 東京メトロ千代田線、小田急線 代々木上原駅 徒歩0分
電話番号 03-5452-1184
診療科目 目立たない装置(透明な装置、裏側矯正、舌側矯正、マウスピース矯正)
予防矯正・成人矯正・小児矯正・インプラント矯正
診療時間 7:00~20:00(日曜祝祭日は16時まで)
休診日 月曜日

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2016年1月 5日

インターネットの普及

インターネットの普及インターネットの普及により、昨今、病院やクリニックを探す際、インターネットで検索する人がかなり増えてきました。もちろん「近所だから」「子どもの頃からかかっている」「家族のかかりつけ」といったところへ通う方が多いと思われます。しかし日頃とは異なる症状が発現したときには、やはり「どこの病院へ行くべきか」を考えます。そのときに手早く探せるのがインターネットです。

あなたは、診療科目、立地(行きやすさ)、診療時間などの情報だけで病院を決めますか?

少ない情報で訪れた場合、下記のような不満の声も挙がるでしょう。
・担当の先生がいなかった
・待たされた
・一方的に先生が話すだけで聞きたいことが聞けなかった
・先生は目も合わせてくれなかった
・説明が十分でなく、不安が解消されなかった

ドクターゲートとは

ドクターゲートとはドクターゲートは、前述した経験を持つ当社編集長が「どうすれば病院・クリニックと患者をうまくマッチングさせられるのか」と考えたことがきっかけで生まれました。まさに、病院・クリニックと患者さんの架け橋です。ドクターの実績、ドクターの魅力、ドクターの本音を正確に患者さんに伝える媒体でありたいという願いを込めています。

もちろん、看板を掲げていればどんな病院・クリニックでもよいということではありません。患者さんに「本当の名医」を見つけていただくため、取材後に社内で厳正な審査を行い、厳選した病院・クリニックだけを掲載しています。

『すべては患者さんのために正確な情報を発信する』

これがドクターゲートの理念です。

地域密着型

地域密着型ドクターゲートは地域密着型のポータルサイトです。それは、各地域において本当の実績や信念のある、信頼のおけるドクターをご紹介したいという一心から。飛行機や新幹線を乗り継いで遠いところまで足を運ばなくとも、その地域で「本当の名医」を見つけていただきたいのです。

先にインターネットの普及について述べましたが、病院の基本情報(所在地、診療時間、診療科目、電話番号)を掲載しているサイトは多々あります。そのほとんどが全国対応です。「全国くまなく探す」という目的であればこのようなサイトで構いません。しかし、その病院が地域密着かどうかというと、そのようなサイトで名医を見つけることは難しいかもしれません。

ドクターゲートは、掲載審査を経て厳選された病院・クリニックのみを掲載しており、ドクター自身に取材をしているため、その情報は信頼がおけるものです。また、ドクターの地域に対する愛着心などもお読みいただくことができ、その地域での貢献度は計りしれません。ぜひご自身の地域で、名医を見つけてください。

副編集長からの一言

ドクターゲート副編集長 山本浩一郎名医とは何だろう。「名医」を辞書で調べると「すぐれた医者。有名な医者。」と書いてある。これは、誰が、何をもって判断するのか。簡単そうで難しい問いだ。産まれたばかりの赤ちゃんから、子ども、学生、大人、高齢者、誰もがお世話になるのが病院・クリニック。世の中ですべての年代の人が同じように通うところは、不思議とここだけだろう。

体調に変化が現れたとき、どういう基準で病院・クリニックを探すのだろう。インターネットで検索をすれば、大概の情報は手に入る。しかしそれだけの情報で選んだ病院・クリニックに、自分の健康、ひいては大切な命までも託してよいものだろうか。

健康長寿の日本とはいえ、病気で悩んでいる方も多くおられるはず。そんな方々の一助となるべく、今回ドクターゲートの企画を進め、ポータルサイトを立ち上げた。先に述べた「名医」を探す手助けとなることを祈るばかりである。

ドクターゲート副編集長 山本 浩一郎

2016年1月 4日

ドクターゲートの取材とは?

ドクターゲートの取材とは?真の名医を探し出すという志を持っているドクターゲートでは口下手でありながら技術は最高レベルという先生方の『想い』をも引き出します。

そしてその引き出した『想い』を分かりやすく、病院・クリニックを探している患者さん達に伝えていく、それがドクターゲート編集部の取材です。

たとえば治療理念。病院やクリニックには掲げられていますが、簡潔な表現であるため、患者目線では「なるほど」と思うだけかもしれません。

なぜその理念なのか。「こういう背景がある」「こういう出来事があって気づいたから」など、深いお話をお聞かせください。また「なぜその地で開業したのか」「新たな試み」「今の医療について物申す」など、ぜひ屈託のないお話を伺いたいと思います。

先生の想いを引き出すために、編集部からは患者目線の質問もいたします。第三者からの評価、第三者から見た情報は、自身による発信よりも情報の信憑性が高いという調査結果があるためです。「これこそ知りたかった内容!」とサイトを見た方が思われるような情報を、取材を通じて掲載していきます。

これらが、患者さんの病院・クリニック探しの情報となるのです。

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ドクターゲート掲載のメリット

ドクターゲートは著名な先生だけでなく、地元密着で真の名医の先生方を中心に掲載されております。取材した後、掲載されない割合は実に70%、厳しい掲載基準を設け、それをコツコツと続けた結果、いつかは「ドクターゲートに掲載されている先生なんだ!」を患者さまから言われることを目指しております。

その厳しい掲載基準が、ドクターゲートに掲載されるドクターのブランディングが向上につながっていくと考えております。

「ブランディング」には次のような意味があります。(出典:Wikipedia)
ブランディング(英: branding)とは、顧客の視点から発想し、ブランドに対する共感や信頼など顧客にとっての価値を高めていく企業と組織のマーケティング戦略のひとつ。 ブランドとして認知されていないものをブランドへと育て上げる、あるいはブランド構成要素を強化し活性・維持管理していくこと。またその手法。

このように、ブランディングは病院・クリニック・ドクターの存在意義を定義する部分であり、そこから価値を向上させていきます。病院・クリニック・ドクターの価値が向上すると、患者さんとの強い信頼関係を築くことが可能となります。その結果、病院・クリニックおよびドクター自身の価値を高めることにつながるのです。

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取材をご希望の方へ

取材をご希望の方へドクターゲートではドクターゲート編集部が独自に収拾した情報や掲載医院からのご紹介を元に地域で貢献されている名医だけに絞って連絡をさせていただいております。

ただしドクターゲートには掲載基準があり、連絡を差し上げても、取材をした結果、掲載基準にあわずお断りをするケースが約70%もございます。

約70%が掲載されませんと弊社独自の情報やご紹介医院だけでは限界があり、自薦・他薦を問わず掲載希望の医療従事者様からの情報をお待ちしております。

問合せフォームよりご連絡をお願いいたします。編集部より折り返しご連絡いたします。なお、掲載は医療関係のみとさせていただいております。

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2016年1月 2日

株式会社ミラクルコンサルティング|会社概要

社名株式会社ミラクルコンサルティング
連絡先 〒150-0002
東京都渋谷区渋谷2丁目10番15号
エキスパートオフィス渋谷101号
電話:03-6419-7255
FAX:050-3737-7071
設立 2011年8月31日
代表取締役 森田 義子
営業時間 10:00~18:00
定休日 土日祝祭日
業務内容 ドクターゲート運用
インターネットのコンサルティング業務
ホームページの企画、制作
パッケージソフト(CMS OEM)の企画、販売
主要取引銀行 三井住友銀行 渋谷駅前支店

2016年1月 1日

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