くにたち小児・矯正歯科 前田 耕作院長 (国立) インタビュー

全国でも数少ない「小児歯科専門医」が語る 患者さんの幸せと小児歯科の必要性 くにたち小児・矯正歯科 前田 耕作院長
メインストリートから少し入った閑静な住宅街を進むと、可愛らしい佇まいの「くにたち小児・矯正歯科」が見えてくる。「我々の仕事は、患者さんに幸せになっていただくこと。虫歯を治すことや歯並びをキレイにすることはその「手段」にすぎません。」そう語る院長の前田先生は、全国でも数少ない小児歯科専門医だ。

小児歯科専門医の不足が叫ばれている現代で、前田先生のような専門医が近くにいることは非常に心強いであろう。終始穏やかな語り口調で、時折見せるやさしい笑顔が印象的な先生だ。親御さんは安心してお子さんの治療を任せることができる。

一般歯科で子どもを診てくれる医院は多いが、小児歯科の専門医とは何が違うのか。小児歯科専門医が少ない理由や診療理念、患者さんの幸せを追求する姿勢など、さまざまなお話を伺った。

前田 耕作院長インタビュー歯科医師を志したきっかけ歯科医師を志したきっかけを教えてください
両親は医師でも歯科医師でもありませんでしたが、昔から医療に携わる仕事がしたいと思っていました。そうした考えもあり、高校2年生に上がる際に理系クラスを選択しました。歯科医師を志したのは16歳の時になりますが、医師と歯科医師の選択を考えたとき、小さな頃からプラモデルを組み立てるなど、細かな作業が好きだったので、漠然と歯科医師の方が自分には向いているのではないかと思い、歯科医師を選びました。

なぜ小児歯科専門医になられたのでしょうか?
世の中に小児歯科専門医が極端に少ないからです。必要とする方は多いのに、その担い手がいない状況です。私が歯学部卒業後の進路を決める際、同級生134人のうち、小児歯科の道に進んだのは私ともう1人の2名だけ。それほど成り手のいない分野です。

歯科では一般歯科のドクターが大部分を占め、次いで矯正歯科、そして極端に少ないのが小児歯科という形です。

小児歯科のドクターが少ない原因として、小児歯科は高度な専門知識を必要とするうえ、お子さんは成人のようにじっと動かず、黙って口を開けてくれない。怖がって泣いたり、動いたりすることは日常茶飯事ですし、おまけに口が小さいので治療も大変です。それに、小児の治療は保険点数が低いため医院の経営が難しいと言われています。

歯科医院数はコンビニの約1.8倍あり、歯科医師過剰と言われている中、小児歯科だけは圧倒的に不足しているというのが現状です。それならば、私がそれを担うことで世の中の役に立つのではないかと思い、小児歯科の専門医を志しました。

最も大きな違いは、乳歯と永久歯では治療方法が大きく異なる子どもと大人で治療はどのように異なるのでしょうか?
最も大きな違いは、乳歯と永久歯では治療方法が大きく異なるという点です。小児歯科は乳歯の治療方法を熟知していなければ治療ができません。子どもへの接し方も重要ですし、小さな口の中で治療するため、その訓練も必要です。

治療に必要な器材も乳歯と永久歯では異なる部分があるため、一般歯科で小児歯科用、あるいは乳歯用の治療用器具や材料が全て揃っているところはほとんどないと思います。

内科と小児科が分かれているように、一般歯科と小児歯科は別々の分野です。小児はおとなの小型版ではありません。そのため、専門の知識と経験が必要となるのです。

子どもの目線を意識された院内の特徴とこの地に開業した理由を教えてください
もともと国立に住んでいましたので、「開業するならこの地で」と思っていました。いざ開業を考え始め、国立市の小児歯科について調べてみると、当時は国立市に小児歯科専門の歯科医院が一軒もありませんでした。どの市町村にも一軒くらいは小児歯科専門の医院がありますが、一軒もないならば小児歯科を必要としている患者さんのニーズに応えようと思い、この場所に開業を決めました。

内装は「清潔感」と「くつろぎ・親しみ」を両立させることがコンセプトです。くつろぎだけを求めるとカフェのようになってしまい、医療機関にはふさわしくないと思います。きちんとしたイメージと清潔感の中でくつろぐことのできる医院にしたいと思っていました。また、小児歯科と矯正歯科が専門なので子どもが緊張しない内装も意識して、部分的に可愛らしい雰囲気にしたりしています。

受付洗面台

子どもの予防歯科に必要なことを教えてください
子どもの予防で重要なことは生活習慣予防の仕方も子どもとおとなでは少し異なります。子どもの予防で重要なことは生活習慣。それも「お菓子の与え方」「フッ素」「歯磨きの仕方」「定期検診」、この4つが重要です。

「お菓子の与え方」は頻度とお菓子の種類のことです。あくまでお菓子を与えるのは親御さん。3歳くらいまでの子どもにアメやチョコレートなどのお菓子を毎日のように与えていれば、どれだけ頑張って歯磨きをしても虫歯になってしまいます。

口腔内に虫歯菌が定着するのは1歳半~3歳です。この期間にそういった食生活をしていると、その後も虫歯になりやすくなってしまいます。しかし、この期間に虫歯菌が定着しないように過ごせば将来的にも虫歯になりにくくなるため、親御さんには十分注意していただきたいです。

また、小児の虫歯予防で大変重要なのが、「フッ素」です。フッ素の使い方において、日本は欧米より20年以上遅れていると言われています。

受付カウンター

世界のスタンダードは、最も低コストで最も効果のある水道水のフッ素調整です。フッ素はもともと全ての天然水に含まれています。約100年前、フッ素濃度が高い井戸水を使っている地域では、歯が乳白色や茶褐色に変色している人が多いと同時に、彼らにはほとんど虫歯がないことが明らかになりました。その後の調査で、歯の変色を起こさず、なおかつ虫歯の発生が最小限になる飲料水中のフッ素濃度が判明し、今ではこれを世界の約60か国が水道水に応用しています。残念ながら、現在の日本ではどこの自治体も行っていません。その代わり、それに近い虫歯予防効果があると言われている「フッ素のブクブクうがい」を幼稚園や小学校で行う自治体が年々増えています。これにより、日本全国の過半数の子どもたち、100万人以上がフッ素のブクブクうがいを行っています。新潟県は早くからこのうがいに力を入れ、15年連続で子どもの虫歯が日本一少ない県になっています。ちなみに最も実施率が少ないのが東京都です。ですから、東京の人は日本中の子どもたちがフッ素のブクブクうがいで虫歯予防をしていることすら知りません。
当院でもこのうがいをお子さんにたちに勧めています。

矯正治療を始めたきっかけを教えてください
私は、開業するまでに大学病院で小児歯科を5年間研修し、その後、成人矯正の分野で4年間研修を受けました。小児歯科の先生が小児矯正を行う場合もありますが、それだけでは永久歯に生えそろったときの矯正までカバーできません。一人の歯科医が子どもから中高生まで、虫歯と歯並びをトータルで治療するためには、必ず小児歯科と矯正歯科の両方をマスターする必要があります。そのため、小児歯科と矯正歯科の両方を学びました。当院は0歳~中高生までの虫歯と歯並びに特化した医院です。

待合室風景貴院で工夫している点はありますか?
当院では診療室の入口から待合室に向かって、患者さんを「〇〇さーん」と呼ぶことをできるだけしないようにしています。はじめにお子さんとお母さんの写真を撮影させて頂き、カルテにファイリングしています。顔と名前を覚え、患者さんの目の前まで行って「お待たせいたしました。ご案内いたします。」とお迎えするようにしています。

美容院で離れたところから、「お次の〇〇さーん」なんて呼ばれることはありませんよね?こんな呼び方をしたらお客さんに失礼です。医療施設でも当然そうあるべきだと思っています。

当院の理念、行動指針のひとつに、『患者さんに感動を与える』というものがあります。相手の期待を上回る気配りをしたとき、はじめて感動が生まれます。例えば母の日には、その日の治療を終えたお子さんにメッセージカードを渡して、こっそりお母さんへのメッセージを書いてもらい、写真も添えてお子さんからお母さんに渡してもらうことを行っています。そうすると、「歯医者さんでこんなことまでしてくれるんですか!」と言ってお母さんはとても喜んでくれます。お母さんが喜ぶとスタッフもすごく嬉しい。みんなが幸せになれるんです。こうした「おもてなし精神」を大切にしているからこそ、とてもよい雰囲気で仕事ができていると感じます。

スタッフに幸せな人生を歩んでもらうための取り組みがあるとお聞きしました
院内風景当院では1日の終わりに終礼を行っています。通常は反省点などを報告するのでしょうが、失敗したことはみんなの前で発表しなくても本人が一番わかっています。それに、1日の終わりに反省点ばかりあげていたら、やる気がなくなっていまします。

そのため終礼のときには「今日1日、その人にとってよかったことを挙げる」のです。「前回まで治療を怖がって泣いていた子どもが、今日は頑張って笑顔で帰ってくれたのが嬉しかったです。」といった具合です。スタッフ同士が褒め合うことも多いです。

こうしたことを毎日続けると、スタッフがいきいきと働いてくれますし、仕事だけでなくプライベートでも「よいこと探し」が習慣となり、人生が豊かになると思うんです。そうした習慣が根付くと、今度はスタッフたちが自発的に物事を進めるようになってきます。最近では「この2種類のガムの違いがわかりにくかったので、ポップを作ってみました!」など。市販のものと比べ歯科専用のガムには、虫歯予防の有効成分が2倍も含まれているのですが、患者さんにはそれが伝わりにくいということで、スタッフが自発的に行動してくれました。「院長、お子さんのためにこういった商品を仕入れたいのですがいかがでしょう?」なんてこともあります。本当にスタッフには助けられています(笑)。

歯科医療にかける想いと今後の展望歯科医療にかける想いと今後の展望をお聞かせください
当院の理念や行動指針をスタッフルームの壁に掲げていて、毎朝それを読み上げています。医院の目標は「仕事を通して自分の人間性を向上させ、幸せな人生を送る」というものです。それにはどうすればよいかを考え、行動する。まず自分たちが幸せにならないと、患者さんの幸せのお手伝いはできないと思っています。

スタッフの成長を第一に考えると、院長の一番の仕事はスタッフが働きやすい環境を作ることです。スタッフが日々やりがいを感じて仕事をする。そして、幸せな人生を歩んでもらうことが私個人の最大の目標です。我々の仕事は、「患者さんに幸せになっていただくこと」であって、虫歯を治すことや歯並びをキレイにすることは「手段」にすぎません。

開院して3年がたったころ、患者さんにアンケートを行いました。要望や感想など何でもよいので思いつくものを書いてほしい、と項目は設けずに行ったのです。約100名に実施し、その95%以上の方から「こんなによい歯科医院は初めてです」などと、我々がびっくりするぐらいのお褒めの言葉を頂いて本当にうれしかったです。何よりスタッフの励みになりました。我々がやってきたことは間違いではなかった、と思いましたね。ただ、一部の方からは、駐車場がなくて困るというご要望もいただいたので、そこは今後の課題点になりそうです(笑)。

院長プロフィール前田 耕作院長<経歴>
1996年 東京歯科大学 卒業
      同大学 小児歯科学講座 入局
2001年 タカハシ矯正歯科 勤務
2005年 一般歯科医院 勤務
      小児歯科専門医院 勤務
2012年10月くにたち小児・矯正歯科 開院

<所属学会>
日本小児歯科学会認定 小児歯科専門医
日本矯正歯科学会 会員
東京矯正学会 会員

<主な講演・発表>
「中国人小児の乳歯列期の歯列・咬合不正が齲蝕発生に及ぼす影響:正常咬合群と過蓋咬合群との比較」
小児歯科学雑誌 2001年

「The incidence of dental caries of deciduros dentition in relationship to normal occlusion and deep overbite」
2nd Conference of Pediatric Dentistry Association of Asia,Shanghai,China
第2回アジア小児歯科学会(上海) 2000年

くにたち小児・矯正歯科 基本情報

住所 〒186-0004 東京都国立市中2丁目19-93
電話番号 042-505-7372
アクセス 中央線 国立駅から徒歩13分
南部線 谷保駅から徒歩15分
診療科目 小児歯科・矯正歯科
診療時間 月~金 10:00~12:30/14:00~19:00(金曜は午後診療のみ)
土 9:30~12:30/14:00~18:00
休診日 木曜、日曜、祝日

患者さんの声(口コミ・評判):2件評価:★★★★★(5段階中5)/女性
ステキなデンタルクリニックで、毎回来るのがたのしみです!
先生は、とてもわかりやすく説明して下さり、子どもの治療にも丁寧に接して下さり、本当に感激しております!
スタッフさんもみなさんほんとにやさしく明るく、息子もこわがらず、私もたのしい気持ちで通えて、うれしいです。息子(4才)が、歯への意識改革があり、寝る前に「はみがき!糸(フロス)!ブクブク(フッ素のうがい)!」と自分から言ってくるのは本当に本当におどろきでした。これからもおねがいします。

評価:★★★★★(5段階中5)/女性
子供の矯正で通っておりましたが、スタッフの方々や先生がとても親切に対応して下さり、子供も先生やお姉さんが大好きです。歯医者さんに行くのが楽しくなるような歯医者さんです。子供が大きくなるまでずっと通いたいと思っております。